映画『嘘もまことも』(2025)を紹介&解説。
映画『嘘もまことも』概要
映画『嘘もまことも』は、磯部鉄平監督(『凪の憂鬱』『夜のまにまに』)によるヒューマンドラマ。母の死と恋人の浮気によって人生のどん底に落ちた女性が、友人に誘われて始めた「代行サービス」の仕事を通じ、自分自身と人生を立て直していく姿を描く。主演の朝見心にとって映画初主演作。共演に木村知貴、ミネオショウ、桜木梨奈、佐野弘樹ら。2025年の第21回大阪アジアン映画祭で世界初上映され、観客賞を受賞した。
作品情報
| 日本版タイトル | 『嘘もまことも』 |
|---|---|
| 製作年 | 2025年 |
| 日本公開日 | 2025年8月31日(第21回大阪アジアン映画祭・世界初上映) |
| 日本公開日 | 2026年8月29日(劇場公開) |
| ジャンル | ドラマ |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 104分 |
| 監督・編集 | 磯部鉄平 |
|---|---|
| 脚本 | 永井和男/谷口慈彦 |
| 製作 | 和田裕之 |
| 撮影 | 小林健太 |
| 作曲 | kafuka(江島和臣) |
| 出演 | 朝見心/木村知貴/ミネオショウ/桜木梨奈/佐野弘樹/木下紗菜/正木佐和/佐藤あみ/秋月三佳/小山修平/佐久間祥朗/福元望/外村道子/倉嶋かれん/屋敷紘子/根矢涼香 |
| 製作 | 「嘘もまことも」製作委員会/belly roll film |
| 配給 | モクカ/wisp(日本) |
あらすじ
母が急死し、さらに同僚である恋人・翔也の浮気まで発覚した田中梨沙は、人生のどん底に陥り仕事を休職することになる。そんな梨沙を見かねた親友・美優は、代行サービス会社で講演会の客を演じる「サクラ」のアルバイトへ強引に誘う。もともと嘘をつくことが苦手だった梨沙だったが、会社社長の寺村から仕事ぶりを評価され、さまざまな人物になりきる代行の仕事に次第に没頭していく。嘘の人間関係を演じる中で、梨沙は依頼人たちの悩みに触れ、自分自身の人生とも向き合っていく。
主な登場人物(キャスト)
田中梨沙(朝見心):母の急死と恋人の浮気が重なり、仕事を休職することになった女性。嘘をつくことが苦手だったが、代行サービスの仕事を始め、さまざまな役を演じるようになる。
寺村(木村知貴):梨沙が働くことになる代行サービス会社の社長。サクラのアルバイトをした梨沙の仕事ぶりを認め、さまざまな代行の仕事を任せていく。
翔也(ミネオショウ):梨沙の同僚で恋人。浮気が発覚したことで、母を亡くした直後の梨沙をさらに追い詰めることになる。
美優(桜木梨奈):梨沙の親友。休職中の梨沙を代行サービスのサクラのアルバイトへ誘い、新たな世界へ踏み出すきっかけを作る。
作品の魅力解説
「嘘をつく仕事」から本当の自分を見つけていく逆説
本作の中心にあるのは、他人の恋人や知人、講演会の客などを演じる“代行サービス”。嘘を嫌い、嘘をつくことが苦手だった梨沙が、皮肉にも「誰かを演じる仕事」によって自分自身を取り戻していく。
代行によって生まれる人間関係は形式上は偽物だが、そこで交わされる感情や救われる心まで偽物とは限らない。「嘘」と「本当」を簡単に二分できない人間関係の面白さが、タイトルにもつながっている。
人生のどん底から始まる“再起動”の物語
物語開始時の梨沙は、母を失い、恋人にも裏切られ、仕事からも離れている。そこから新しい仕事と人々との出会いを通して、少しずつ自分の人生を動かしていく。
大きな成功を目指す物語というより、傷ついた大人たちが日常の中で立ち止まりながら、自分にとって本当に大切なものを見つけ直すことに焦点を置いたヒューマンドラマとなっている。
映画初主演の朝見心と、インディーズ映画界の俳優陣
主人公・梨沙を演じる朝見心は本作で映画初主演。木村知貴、ミネオショウ、桜木梨奈、佐野弘樹、屋敷紘子、根矢涼香ら、多くの映画で活動してきた俳優たちが周囲を固める。
2025年の第21回大阪アジアン映画祭では世界初上映され、観客投票による観客賞を受賞。代行サービスという少し変わった題材を入口にしながら、身近な喪失や人間関係、再出発を描く物語が観客から支持された作品となった。
