ジャッキー・チェン来日『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶レポート-日本最多11回登壇と、昭和・平成・令和に押された“手形”[写真あり]

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula NEWS
ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にジャッキー・チェンが登壇、観客へ感謝の言葉を伝えた。

ジャッキー・チェン、日本の観客を「旧い友達」と呼び感謝を語る

2025年8月30日(土)、TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12で行われた『ベスト・キッド:レジェンズ』本編上映後の舞台挨拶にジャッキー・チェンが登壇した。公開初日からの来日は久々だ。

チェンは開口一番、日本語で「嬉しい」と挨拶し、客席を見渡しながら「旧い友達」と呼びかけた。さらに「僕の映画を見て大人になったんでしょう。僕も皆さんと一緒に成長して大人になったわけです」と語り、会場の観客と自らの歩みを重ね合わせるように感謝を示した。

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

世界各地を巡るツアーを振り返り「どこにいたかさっぱりわかりません」

舞台挨拶の冒頭、ジャッキー・チェンは日本語で「とっても忙しい」と笑った。今月中旬にはスイスに、その後イタリア、ロンドン、北京など世界各地を巡ってきたと振り返り、「自分がどこにいたかさっぱりわかりません(笑)」と観客を和ませた。

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

さらに『ベスト・キッド:レジェンズ』について「この映画が完成するまでの過程はもうまさにミラクルです」と表現し、作品誕生の背景にある困難と奇跡を強調した。

今回の来日に合わせ、チェンは8月29日(金)から30日(土)の2日間で舞台挨拶に計11回登壇。ハリウッド映画俳優として日本最多記録を達成することとなり、精力的な活動ぶりを改めて示した。

『ベスト・キッド』との出会いから師匠役への転機を語る

ジャッキー・チェンは、シリーズとの出会いを「ミヤギ先生が登場する(元祖)『ベスト・キッド』が香港で公開されたときに、すぐ映画館に見に行きました」と振り返った。当時について「ラルフ(・マッチオ)はまだ若かったですね」「なんでこの役のオファーは僕には来なかったんだろうと思いました」と笑いを交えて語った。

2010年のリメイク版出演のきっかけは、ウィル・スミスからの電話だったという。チェンは「『ジャッキー、一緒にベスト・キッドの映画をリメイクをやろうよ』と。僕にとっては良いニュースじゃないですよね。だってもう僕はもうキッドじゃないもの」と当時の心境を明かした。するとスミスからは「あなたはマスター(師匠)の役です」と伝えられ、「『酔拳』『蛇拳』などいろいろな映画を撮ってきたけど、その時『僕は大人になったんだ』と思いました」と心境の変化を述べた。

リメイク版は大ヒットしたものの、続編企画は脚本の難航で頓挫。「色々な脚本が出来上がってはダメ、出来上がってはダメ。もうあれこれ10年が過ぎてしまいました」と明かし、「この企画はもうやめましょう。息子さん(ジェイデン)の背が僕より大きくなったんだから、もうキッドじゃないよ」とウィル・スミスに伝えたエピソードを披露した。

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

しかしそれから時は経ち、最新作『ベスト・キッド:レジェンズ』が完成。出演した若手ベン・ウォンについても触れ、「(当初)アクションができないわけですから、早速私のスタントチームを派遣して、彼を4ヶ月間トレーニングをしました」と指導の裏側を語った。「その過程はね、非常に痛みがあって、ケガをするかもしれません。それでも覚えなさいと伝えました」と厳しいながらも温かい指導の姿勢を明かし、「君が40歳、50歳になってから、そのとき初めて自分が24歳、25歳のときの努力に対して感謝すると思うよ」と励ましたことを披露した。

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

最後に自身のキャリアを振り返り、「今年はこの世界に入って64年目なんですよ」と述べ、「無声映画から白黒カラー、色々な映画に出会ってきました。子役から小さなスタント、そしてだんだんレベルが上がって、ステップ・バイ・ステップで今日までやってきました」と語った。そして「全世界のファンがいてくれるおかげです、皆さんのおかげで僕が今日まで歩んでこられたわけです」と感謝を伝え、観客から拍手が送られた。

「映画は人生に大きな影響力」レジェンドたちへの敬意と映画づくりの信念

舞台挨拶では、映画公式SNSを通じて寄せられたファンからの質問にも答えた。「レジェンドと言える存在はいますか?」という問いに、ジャッキー・チェンは「たくさんいますよ、たとえば、チャーリー・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、黒澤さん(黒澤明監督)。たくさんいます。シルヴェスター・スタローン、ロバート・デ・ニーロ、本当に数え切れませんね」と語った。

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェン、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

さらに自身の人生を振り返り、「アクションがそれほど受け入れられていなかった時代、僕はもう未来に希望が持てなかったんです」と告白。「毎日毎日一生懸命こうやってカンフーの練習をする意味ってあるのか?そろそろギブアップしようかとも思いました。ちょうどそのときに映画『ロッキー』に出会って、本当に強く影響されました」と、挫折の時期を救った映画体験を明かした。

また、映画人としての責任についても言及。「アクションはあっても残虐なシーンはないんです。コメディはあっても下ネタはありません。つまり全世界の子供たちが見ても大丈夫だというふうに作りたい」と信念を語った。さらに「映画を撮り終えたらまず最初の観客は自分の子供です。自分の子供にも見せられるんだったらもう大丈夫ですよね」と作品づくりの基準を示し、「作品の中には常に愛があります。そして平和、団結、あとは環境保護です」とメッセージを強調した。

11回に及ぶ舞台挨拶については「大変です(笑)。でも毎回皆さんとお会いしてこうやってお喋りをするとですね、本当に嬉しいんですよ」と笑顔で語り、日本語で「もう1回、もう1回大丈夫」と呼びかけ、観客の拍手を誘った。

手形イベントを再現、昭和・平成・令和に刻まれた軌跡

舞台挨拶では、ジャッキー・チェンが歌を披露して会場を沸かせたほか、1980年公開の『バトルクリーク・ブロー』で来日した際に行われた日比谷での「手形イベント」を回想。当時の写真もスクリーンに映し出され、さらに平成に押された手形も表示された。

ジャッキー・チェンとジャッキーちゃん、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェンとジャッキーちゃん、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

この特別な演出には、ものまね芸人のジャッキーちゃんも登場。チェンが「えい〜!」と掛け声をあげながらジャッキーちゃんの持つ粘土版に手形を押すと、会場から大きな拍手が送られた。これにより昭和、平成、令和の3つの時代にわたり手形が残されることとなり、歴史を刻む瞬間となった。

ジャッキー・チェンとジャッキーちゃん、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

ジャッキー・チェンとジャッキーちゃん、『ベスト・キッド:レジェンズ』舞台挨拶にて © cula

抽選会でファンと交流、笑顔あふれる記念撮影

舞台挨拶の終盤には、観客へのファンサービスとして抽選会が行われた。ジャッキー・チェンが抽選箱からくじを引き、当選者にサインをプレゼント。さらにその場で記念撮影も行われ、幸運なファンにとって忘れられない一日となった。

チェンとハグ、握手を交わした当選者は感無量の面持ちで「幸せです」と一言。チェンも笑顔を見せ、温かな交流の時間となった。

「全世界のファンに感謝」未来へのエネルギーを語り締めくくる

舞台挨拶の最後にジャッキー・チェンは、世代を超えて広がるファンの存在に触れた。「親が子どもを連れてきて、その子どもがまたその子どもを連れてきてくれる。オーマイガーですよ」と語り、「中国語では“無言の感激”という意味の言葉がありますが、本当に感謝感激です」と心境を語った。

さらに「僕が映画づくりにエネルギーを持っているのはみなさんからエネルギーを与えられているからです。全世界のファンに感謝したいと思います。そしてアクション映画、映画を愛するすべての人に感謝します」と観客への思いを繰り返し強調。「ぜひ映画館で映画を観てください、映画産業を応援してください」と呼びかけた。

最後に日本語で「応援してください、僕頑張ります」と語りかけると、会場は大きな拍手に包まれ、舞台挨拶は温かな雰囲気のまま締めくくられた。

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