『アイム・スティル・ヒア』フェルナンダ・トーレス&セルトン・メロ、10分にわたる濃厚インタビュー映像を公開「今を生きる私たちこそ考えるべき」

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma NEWS
『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

『アイム・スティル・ヒア』主演ふたりの特別映像が公開、実話に込めた想いを語る。


軍事独裁政権下のブラジルで夫の行方を追い続けた女性の実話を描く映画『アイム・スティル・ヒア』(8月8日公開)より、主演のフェルナンダ・トーレスセルトン・メロのインタビュー映像が公開された。ウォルター・サレス監督が手がけた本作は、第97回アカデミー賞でブラジル映画史上初の国際長編映画賞を受賞し、作品賞・主演女優賞にもノミネートされた注目作。映像では、実在の人物を演じたふたりが、当時の苦悩や今の時代との共鳴について語っている。

アカデミー賞受賞作が描く“声なき叫び”-主演ふたりが語る実話の力

1970年代のブラジルを舞台にした本作は、軍によって連行され消息を絶った政治家ルーベンス・パイヴァと、夫の行方を追い続けた妻エウニセの実話をもとに描かれている。エウニセ役のフェルナンダ・トーレスは、原作を執筆したパイヴァ家の息子・マルセロと旧知の仲であり、役作りにあたり彼の家族と対話を重ねたという。

『アイム・スティル・ヒア』フェルナンダ・トーレス ©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

『アイム・スティル・ヒア』フェルナンダ・トーレス ©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

トーレスは「これはブラジルだけの話ではない」「国家から迫害される中で、どう生き抜くかを問う映画」と語り、「今を生きる私たちこそ考えるべきこと」と強調。劇中では、抑圧に屈せず夫の名を呼び続けるエウニセの姿を、毅然とした態度と強い眼差しで体現している。

一方、ルーベンスを演じたセルトン・メロも、実際にパイヴァ家の人々と交流しながら、写真や証言を手がかりに人物像を構築。「僕なりのルーベンスを作り上げた」と語り、「観客の記憶に残ることが自分の役割だった」とその演技に込めた思いを明かしている。

実の母娘が共演-“記憶の継承”を映し出すキャスティング

本作では、エウニセの老年期を演じたのが、フェルナンダ・トーレスの実母であり、ブラジルを代表する名女優フェルナンダ・モンテネグロであることも話題を集めている。モンテネグロは、ウォルター・サレス監督作『セントラル・ステーション』でブラジル人として初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされた国際的俳優であり、現在もなお現役で活動を続けている。

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

劇中での共演について、トーレスは「私はいつも母と一緒に劇場にいた。家よりも劇場の方が両親と過ごす時間が長かったの」と述懐。「母はまさに我が道を行く人」と笑顔を見せる。共演者のセルトン・メロも、「モンテネグロはブラジル映画界にとって“母”のような存在。トーレスは僕にとって“姉”のような人」と敬意を込めて語った。

さらに、メロは「この作品は深く心を揺さぶる人間ドラマ。夫を探し続ける妻、そして最後に登場する母が締めくくる」と、親子の共演が物語に込められた記憶の継承や世代間のつながりを象徴していることを示唆した。

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

時代と国境を越える“声”-今こそ観るべき普遍的な物語

監督のウォルター・サレスが16年ぶりに祖国ブラジルにカメラを向けた本作は、自身が幼少期に交流のあったパイヴァ家の記憶を出発点に、自由を奪われた人々の“沈黙と闘志”を見つめた人間ドラマである。サレスは、理不尽な時代に抗い続けたエウニセの姿を、美しくも静かな映像で描き出し、記憶として映画に刻みつけた。

本作は、第81回ヴェネツィア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。第97回アカデミー賞では、国際長編映画賞の受賞に加えて作品賞・主演女優賞にもノミネートされ、ブラジル映画として史上初の快挙を成し遂げた。

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

『アイム・スティル・ヒア』©2024 VideoFilmes/RT Features/Globoplay/Conspiração/MACT Productions/ARTE France Cinéma

主演ふたりは、映画の現在性についても強調する。フェルナンダ・トーレスは「独裁政権は弾圧しようとしたが、人々は屈しなかった。レジスタンス芸術が生まれた」と語り、セルトン・メロも「この映画が描いているのは、ブラジルだけではなく世界中に通じるテーマ」と話す。忘れられた“声”を呼び戻すこの物語は、現代を生きる私たちに静かな問いを投げかけている。

【動画】フェルナンダ・トーレス&セルトン・メロ インタビュー映像

作品情報

タイトル:アイム・スティル・ヒア
原題:AINDA ESTOU AQUI
英題:I’M STILL HERE
公開日:2025年8月8日(金)
監督:ウォルター・サレス
脚本:ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ
出演:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロ
音楽:ウォーレン・エリス
撮影:アドリアン・テイジド
2024年|ブラジル、フランス|ポルトガル語|137分|カラー|ビスタ|5.1ch|字幕翻訳:原田りえ|PG12
©2024 VIDEOFILMES / RT FEATURES / GLOBOPLAY / CONSPIRAÇÃO / MACT PRODUCTIONS / ARTE FRANCE CINÉMA
配給:クロックワークス
公式サイト:https://klockworx.com/movies/imstillhere/

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