『今日から俺は!!劇場版』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『今日から俺は!!劇場版』(2020)を紹介&解説。


映画『今日から俺は!!劇場版』概要

映画『今日から俺は!!劇場版』は、西森博之による人気ヤンキー漫画を実写化した2018年放送のテレビドラマ『今日から俺は!!』の映画版。原作の人気エピソード「北根壊編」をもとに、軟葉高校の最強ツッパリコンビ・三橋貴志と伊藤真司が、開久高校へ乗り込んできた北根壊高校の番長たちと激突する。ドラマ版に続いて福田雄一が監督・脚本を務め、賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀らが続投。劇場版から柳楽優弥、山本舞香、泉澤祐希、栄信が参加し、笑いと友情、恋愛、熱い乱闘を詰め込んだ王道のヤンキー・アクションコメディに仕上げている。

作品情報

日本版タイトル 『今日から俺は!!劇場版』
製作年 2020年
日本公開日 2020年7月17日
ジャンル コメディアクション/青春
製作国 日本
原作 西森博之『今日から俺は!!』(漫画)
上映時間 114分
監督・脚本 福田雄一
製作 沢 桂一/山田克也
エグゼクティブプロデューサー 伊藤 響/福士 睦/池田健司
企画・プロデュース 高 明希
プロデューサー 飯沼伸之/鈴木大造
撮影監督 工藤哲也
撮影 各務真司
アクション監督 田渕景也
編集 臼杵恵理
音楽 瀬川英史
出演 賀来賢人/伊藤健太郎/清野菜名/橋本環奈/仲野太賀/矢本悠馬/若月佑美/柾木玲弥/鈴木伸之/磯村勇斗/ムロツヨシ/柳楽優弥/山本舞香/泉澤祐希/栄信/瀬奈じゅん/佐藤二朗/吉田鋼太郎
製作会社 「今日から俺は!!劇場版」製作委員会
制作プロダクション AX-ON
配給 東宝

あらすじ

時は1980年代。転校を機に金髪へと変身し、ツッパリデビューを果たした三橋貴志は、同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司とコンビを結成。次々と現れる不良たちを返り討ちにしながら、軟葉高校で騒がしい青春を送っていた。

三橋たちが高校3年生になったある日、校舎が火事になった隣町の北根壊高校が、不良の巣窟として知られる開久高校の一角を間借りすることになる。北根壊高校を仕切る柳鋭次と大嶽重弘は、かつての番長・片桐智司と相良猛を失った開久の生徒たちを相手に、怪しげな商売を開始。巧妙なやり方で開久を支配下に置こうとする。

その頃、紅羽高校の番長・今井勝俊には、竹刀を手にした謎のスケバン・森川涼子が接近していた。いくつもの誤解と思惑が交錯する中、三橋と伊藤は北根壊高校との史上最大級の戦いへ巻き込まれていく。

主な登場人物(キャスト)

三橋貴志(賀来賢人):軟葉高校に通う金髪のツッパリ。抜群の運動神経と喧嘩の強さを持つ一方、勝つためなら卑怯な手段もためらわないひねくれ者。伊藤と最強コンビを組み、北根壊高校が引き起こした騒動に立ち向かう。

伊藤真司(伊藤健太郎):逆立ったトゲトゲ頭が特徴のツッパリ。三橋とは対照的に正義感が強く、曲がったことを嫌う。恋人の京子を大切にしながら、三橋の相棒として数々の強敵と戦う。

赤坂理子(清野菜名):三橋と友達以上恋人未満の関係にある軟葉高校の女子生徒。赤坂流道場の一人娘で、可憐な見た目に反して高い格闘能力を持つ。三橋の卑怯さに呆れながらも、彼の本質を理解している。

早川京子(橋本環奈):成蘭女子高校を束ねる女番長で、伊藤の恋人。仲間を守るためなら容赦のない一面を見せるが、伊藤の前では態度を一変させ、愛らしい振る舞いを見せる。

今井勝俊(仲野太賀):紅羽高校の番長。長身で喧嘩も強いが、単純でお人好しな性格を三橋に利用されることが多い。謎のスケバン・涼子から突然接近され、新たな騒動へ巻き込まれる。

柳鋭次(柳楽優弥):北根壊高校を仕切る番長のひとり。冷酷かつ狡猾な人物で、ナイフを使うこともためらわない危険な暴力性を秘める。策略を巡らせ、開久高校の生徒たちを支配しようとする。

大嶽重弘(栄信):柳とともに北根壊高校を束ねる番長。巨体から繰り出される圧倒的な腕力を武器とし、真正面から伊藤を追い詰める。知略を操る柳とは異なるタイプの強敵。

森川涼子(山本舞香):永架高校に通う女番長で、開久高校の生徒・森川悟のいとこ。悟のついたウソを信じ込み、竹刀を手に三橋への復讐を企てる。目的を果たすため、今井へ接近する。

森川悟(泉澤祐希):開久高校に通う気弱な生徒。北根壊高校の不良たちに目をつけられる中、自分を守ろうとして涼子にウソをつき、三橋たちを巻き込む騒動のきっかけを作ってしまう。

作品の魅力解説

福田雄一の作風と原作が噛み合った実写化

福田雄一監督といえば、良くも悪くも“日本の大衆エンタメ”らしい、大仰な芝居とコント調の掛け合いを押し出す作風で知られている。題材によっては、その笑いがしつこく感じられることもある。しかし、『銀魂』と同様に、もともと大声と変顔、過剰なリアクションなどが飛び交う漫画を実写化する場合、その演出スタイルは極めて相性がよい。

特に『今日から俺は!!』は、にぎやかなギャグも、ヤンキー漫画らしい友情や意地の張り合いも、徹底して王道を突き進む作品である。福田監督の誇張された演出が作品世界から浮くのではなく、原作のテンションを実写へ置き換えるための方法として機能している。監督と題材の組み合わせには、「不正解のシーンがない」とさえ感じさせるほどの適性がある。

お笑いとかっこよさを両立させるメリハリ

登場人物たちは普段こそ全力でくだらない言い争いを繰り広げ、顔芸や脱線した会話で笑いを誘う。しかし、本格的な対決が始まれば雰囲気は一変する。普段は卑怯でふざけている三橋が仲間のために立ち上がり、正義感の強い伊藤が満身創痍になりながらも敵へ向かっていく姿には、ヤンキー映画の王道と呼ぶべき熱さがある。

笑わせる場面と決めるべき場面を明確に切り替えているため、ギャグが人物のかっこよさを損なわない。むしろ普段の騒がしさがあるからこそ、彼らが本気を見せる瞬間が鮮やかに際立つ。笑いも熱血も奇をてらわず、素直にストレートに観客へ届ける作品である。

劇場版らしいスケールの大乱闘

物語の終盤に待ち受ける大乱闘は、本作最大の見どころ。多数のツッパリが入り乱れる混戦を、アクション監督の田渕景也による立体的な殺陣と、勢いのあるカメラワークで見せ切っている。

コミカルなシリーズの映画版でありながら、アクションを単なる笑いの添え物にはしていない。賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名らの身体能力を生かした動きも見応えがあり、それぞれのキャラクターにふさわしい戦い方が表現されている。ドラマ版よりも人数と規模を拡大した決戦は、まさしく血湧き肉躍るヤンキー・アクションである。

柳楽優弥が体現する底知れない狂気

豪華キャストが並ぶ中でも、本作のMVPと呼びたいのが柳鋭次役の柳楽優弥だ。大声を上げ続けるのではなく、相手を見下ろす視線やふてぶてしい立ち姿、突然暴力へ転じる瞬間の冷たさによって、柳という人物の危険性を表現している。

『ディストラクション・ベイビーズ』で見せた制御不能の暴力性や、のちの『ガンニバル』にも通じる不穏な狂気が、柳役に見事にはまった。大嶽の分かりやすい腕力とは異なり、次に何をするのか読めない恐ろしさがあるからこそ、三橋と伊藤にとって劇場版にふさわしい強敵となっている。

おなじみのメンバーが集結する祝祭感

三橋と伊藤だけでなく、理子、京子、今井、谷川、智司、相良、教師陣や家族まで、ドラマ版で親しまれた登場人物が勢ぞろいするのも大きな魅力だ。個性の強いキャラクターをただ登場させるだけでなく、それぞれに笑いや活躍の場面を用意している。

ドラマ版の延長として楽しめる親しみやすさを保ちつつ、北根壊高校という新たな脅威によって物語の規模を拡大。シリーズファンへのサービスと、一本の娯楽映画としての盛り上がりを両立させた、にぎやかで痛快な劇場版となっている。

cula をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む