映画『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』(1990)を紹介&解説。
映画『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』概要
映画『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』は、トニー・ガトリフ監督が、社会から少しはみ出した人々の友情と再生を温かなユーモアとともに描くフランスのヒューマンドラマ。妻に去られたガスパールと、幼い頃に母親に捨てられたロバンソンという失業中の親友ふたりが、南フランスの海辺で廃屋を改装し、小さな店を開こうとする。そんな彼らのもとへ、家族に置き去りにされた老女が加わったことから、奇妙な共同生活が始まっていく。主演はジェラール・ダルモンとヴァンサン・ランドン、共演にシュザンヌ・フロン、ベネディクト・ロワイアンら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』 |
|---|---|
| 原題 | Gaspard et Robinson |
| 製作年 | 1990年 |
| 本国公開日 | 1990年12月19日 |
| 日本公開日 | 1996年3月23日 |
| ジャンル | ドラマ/コメディ |
| 製作国 | フランス |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 93分 |
| 監督 | トニー・ガトリフ |
|---|---|
| 脚本 | トニー・ガトリフ/マリー=エレーヌ・リュデル |
| 製作 | マリー・シュラキ |
| 製作総指揮 | ロベール・ベンムッサ |
| 撮影 | ドミニク・シャピュイ |
| 編集 | オリヴィエ・モフロワ |
| 作曲 | ミシェル・ルグラン |
| 出演 | ジェラール・ダルモン/ヴァンサン・ランドン/シュザンヌ・フロン/ベネディクト・ロワイアン/シャルロット・ジロー/ステファニー・エスクデロ/クリスチャン・ガジオ |
| 製作 | Les Films de la Colline/S.G.G.C./Sofiarp 2 |
| 配給 | AFMD(フランス)/にっかつ(日本) |
あらすじ
南フランス。妻に去られて以来、家族というものにうんざりしているガスパールと、幼い頃に母親に捨てられた経験から困っている人を放っておけないロバンソンは、失業中の親友同士。ふたりは海辺にある廃屋を修理し、小さな軽食堂を開こうとしていた。
ある日、ロバンソンは家族に置き去りにされた老女を見つけ、彼女を連れて帰ってくる。最初は戸惑うガスパールだったが、三人は次第に奇妙ながらも穏やかな共同生活を築いていく。さらにロバンソンが子どもを抱えて暮らす女性ローズと出会ったことで、彼らの新しい生活にも変化が訪れる。
主な登場人物(キャスト)
ガスパール(ジェラール・ダルモン):妻に去られ、家族というものに嫌気が差している中年男性。親友ロバンソンとともに海辺の廃屋を改装し、軽食堂を開こうとしている。
ロバンソン(ヴァンサン・ランドン):ガスパールの親友。幼い頃に母親から捨てられた経験があり、困っている人を見ると放っておけない。道端に置き去りにされていた老女を連れ帰る。
マミー/老女(シュザンヌ・フロン):家族によって置き去りにされた老女。ガスパールとロバンソンに迎えられ、ふたりとの奇妙な共同生活を始める。
ローズ(ベネディクト・ロワイアン):子どもを抱えて暮らす女性。ロバンソンと出会い、彼から思いを寄せられるようになる。
作品の魅力解説
社会の端にいる人々が作り直していく「家族」
本作で描かれるのは、最初から整った家庭を持っている人々ではない。妻に去られたガスパール、母親に捨てられた過去を持つロバンソン、家族から置き去りにされた老女。それぞれが孤独や傷を抱えたまま出会い、血縁とは別の形で少しずつ居場所を作っていく。
トニー・ガトリフは後年の作品でも社会の周縁に生きる人々へ繰り返しまなざしを向けているが、本作でも「はみ出した者たち」の生活を悲惨さだけで覆わず、ユーモアや優しさを備えた人間ドラマとして描いている。
失業や孤独を扱いながらも重くなりすぎない社会派コメディ
ガトリフ自身が本作を、失業を背景にした友情の社会派コメディとして位置づけている。主人公ふたりは仕事も安定した家庭も持たないが、海辺の廃屋を自分たちの手で修理し、小さな店を開こうとする。
社会的には決して順調とはいえない彼らの暮らしを、悲劇一辺倒ではなく、共同生活の可笑しさや人間同士の温かな交流とともに描くところが本作の個性となっている。
南フランスの風景とミシェル・ルグランの音楽
海辺を中心とした南フランスの風景も作品の穏やかな空気を支える大きな要素。さらに音楽を手がけるのは、『シェルブールの雨傘』などで知られるミシェル・ルグラン。どこか切なさを含んだ旋律が、傷を抱えながら新しい生活へ踏み出そうとする登場人物たちの物語に寄り添っている。
【KW】
【投稿時間】
2024/10/20/13:33
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