トニー・ガトリフは、アルジェリア出身のフランスの映画監督、脚本家、作曲家、プロデューサー。
自身のルーツであるロマの文化や音楽、移動する人々、故郷を離れて生きる者たちを一貫して描き、『ラッチョ・ドローム』や『ガッジョ・ディーロ』、『愛より強い旅』などで広く知られる。音楽とダンスを物語そのものへ溶け込ませる躍動的な演出を特徴とし、ロマをはじめとする社会の周縁に置かれた人々へまなざしを向け続けた。
トニー・ガトリフ プロフィール(基本情報)
名前:トニー・ガトリフ(Tony Gatlif/Michel Dahmani)
生年月日:1948年9月10日
没年月日:2026年9月2日(77歳没)
出身地:アルジェリア|アルジェ
職業:映画監督、脚本家、作曲家、プロデューサー、俳優
代表作:『ラッチョ・ドローム』、『ガッジョ・ディーロ』、『愛より強い旅』
・本名はミシェル・ダーマニ。父はアルジェリアのカビール人、母はアンダルシアにルーツを持つロマで、アルジェで少年時代を過ごした。1960年代初頭にアルジェリアを離れてフランスへ渡り、パリなどで暮らしながら演劇や映画の世界へ進んだ。
・1975年に『La Tête en ruines(原題)』で長編映画監督としてデビュー。その後、自身にもつながるロマの歴史や文化、移民、流浪、社会から疎外された人々を題材とする作品を数多く手がけ、音楽や踊りを重要な表現手段として映画へ取り入れていった。
・インドからエジプト、トルコ、ルーマニア、フランス、スペインなどをたどりながらロマの歩みを音楽と踊りで描いた『ラッチョ・ドローム』が、1993年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で受賞。『ガッジョ・ディーロ』ではロカルノ国際映画祭銀豹賞などを受賞し、国際的な評価を確立した。
・作曲家としても活動し、『ガッジョ・ディーロ』で1999年、『ベンゴ』で2001年のセザール賞音楽賞を受賞。映画の劇伴として音楽を添えるだけでなく、ロマ音楽やフラメンコ、レンベティカなど各地の音楽文化そのものを物語の中心に据える作風で知られた。
・自身のアルジェリアへの帰還を重ねたロードムービー『愛より強い旅』では、2004年の第57回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。晩年まで映画制作を続け、2025年には『Ange(原題)』を発表した。2026年9月2日、南フランスのアルルで歴史映画の新企画に取り組んでいた中、77歳で死去した。
トニー・ガトリフ 作品一覧
長編映画
- 『La Tête en ruines(原題)』(1975):監督
- 『La Terre au ventre(原題)』(1978):監督
- 『Corre gitano(原題)』(1982):監督、脚本
- 『Les Princes(原題)』(1982):監督、脚本、音楽
- 『Rue du départ(原題)』(1985):監督、脚本
- 『Pleure pas my love(原題)』(1988):監督、脚本
- 『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』(1990):監督、脚本
- 『ラッチョ・ドローム』(1993):監督、脚本
- 『モンド』(1994):監督、脚本
- 『イ・ムヴリーニ』(1996):監督、脚本
- 『ガッジョ・ディーロ』(1997):監督、脚本、音楽
- 『Je suis né d’une cigogne(原題)』(1998):監督、脚本、製作
- 『ベンゴ』(2000):監督、脚本、製作、音楽
- 『僕のスウィング』(2002):監督、脚本、音楽
- 『愛より強い旅』(2004):監督、製作、脚本、音楽
- 『トランシルヴァニア』(2006):監督、脚本、音楽
- 『コルコト』(2009):監督、製作、脚本
- 『怒れ!憤れ! ステファン・エセルの遺言』(2012):監督、脚本、製作
- 『ジェロニモ 愛と灼熱のリズム』(2014):監督、脚本、製作
- 『ジャム DJAM』(2017):監督、脚本、音楽
- 『Tom Medina(原題)』(2021):監督、脚本
- 『Ange(原題)』(2025):監督、脚本、音楽
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