『遥かなる大地へ』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『遥かなる大地へ』(1992)を紹介&解説。


映画『遥かなる大地へ』概要

映画『遥かなる大地へ』は、ロン・ハワード監督(『バックドラフト』など)が、19世紀末のアイルランドからアメリカへ渡った若い男女の夢と恋を描く歴史ロマン大作。

貧しい小作農の青年ジョセフは、自分の土地を持つことを夢見ながら地主階級への怒りを募らせていた。やがて地主の娘シャノンと出会った彼は、無料で土地を得られるという希望を胸に、彼女とともに新天地アメリカへ渡る。移民として厳しい生活を経験しながら、ふたりはオクラホマのランドラッシュを目指していく。

主演はトム・クルーズニコール・キッドマン。大規模なセットや群衆、馬を投入したランドラッシュなど、クラシカルなハリウッド史劇らしいスケールの大きさも特徴となっている。

作品情報

日本版タイトル 『遥かなる大地へ』
原題 Far and Away
製作年 1992年
本国公開日 1992年5月22日
日本公開日 1992年7月18日
ジャンル ドラマ/恋愛アドベンチャー
製作国 アメリカ
原作
上映時間 140分
監督 ロン・ハワード
脚本 ボブ・ドルマン
製作 ブライアン・グレイザー/ロン・ハワード
製作総指揮 トッド・ハロウェル
撮影 ミカエル・サロモン
編集 マイケル・ヒル/ダニエル・ハンリー
作曲 ジョン・ウィリアムズ
出演 トム・クルーズニコール・キッドマン/トーマス・ギブソン/ロバート・プロスキー/バーバラ・バブコック/シリル・キューザック/コルム・ミーニイほか
製作 イマジン・フィルムズ・エンターテインメント
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

あらすじ

1892年、アイルランド。貧しい小作農の青年ジョセフ・ドネリーは、地主に土地を支配され続ける暮らしから抜け出し、いつか自分自身の土地を持つことを夢見ていた。

地主ダニエル・クリスティへの復讐を試みたジョセフは、その娘シャノンと出会う。裕福な家庭に生まれながら窮屈な上流階級の生活に反発していたシャノンもまた、アメリカで自由に生きることを望んでいた。

やがてふたりはアイルランドを離れてアメリカへ渡る。しかし、新天地で待っていたのは理想とは程遠い貧困と過酷な労働だった。ジョセフはボクシングで金を稼ぎながら生活を支え、シャノンもこれまで経験したことのない厳しい現実と向き合う。

それでも、自分の土地を手に入れるという夢を捨てきれないふたりは、やがてオクラホマで行われる大規模なランドラッシュへと向かっていく。

主な登場人物(キャスト)

ジョセフ・ドネリー(トム・クルーズ):アイルランドの貧しい小作農の青年。自分自身の土地を所有することを夢見ており、シャノンとともにアメリカへ渡る。

シャノン・クリスティ(ニコール・キッドマン):裕福な地主ダニエルの娘。上流階級の女性に求められる生き方に反発し、自由と土地を求めてアメリカ行きを決意する。

スティーヴン・チェイス(トーマス・ギブソン):クリスティ家の土地を管理する青年。シャノンの結婚相手と目されており、彼女とジョセフの関係にも深く関わっていく。

ダニエル・クリスティ(ロバート・プロスキー):ジョセフたち小作農が暮らす土地を所有する地主で、シャノンの父。階級社会の上層にいる一方、娘との関係や土地をめぐる問題に直面する。

作品の魅力解説

70mm撮影で描き出す古典的ハリウッド大作

本作の大きな特徴は、物語そのもの以上にまず目を引く圧倒的なスケール感にある。

作品はPanavision Super 70を用いて撮影され、広大な土地や多数のエキストラ、馬車、騎馬隊などを大画面いっぱいに配置。なかでも終盤のオクラホマ・ランドラッシュは、大勢の開拓者が一斉に土地を目指して走り出す巨大な見せ場となっている。

ジョン・ウィリアムズによる壮大な音楽も重なり、1990年代作品でありながら往年のハリウッド史劇を思わせる作りとなっている。

「自分の土地」を求める移民たちの物語

ジョセフにとって土地とは単なる財産ではない。地主に人生を左右されてきた彼にとって、自分の土地を所有することは「自分の人生を自分で決める」ことそのものでもある。

一方のシャノンは経済的には恵まれているが、上流階級の娘として決められた人生から逃れたいと願っている。出自も立場も正反対のふたりが、それぞれ異なる理由からアメリカを目指す構成によって、「新天地」という同じ夢が別々の意味を持つ点は興味深い。

壮大な映像に対して物語はかなり古典的

一方で、歴史的背景を扱った壮大な作品ながら、人物や社会の描写は比較的シンプル。階級差、移民の苦難、アメリカ開拓史など多くの題材を盛り込みつつも、それらを深く掘り下げるより、ジョセフとシャノンの恋愛と冒険を中心にした分かりやすい娯楽映画としてまとめている。

そのため歴史ドラマとしての複雑さを求めると物足りなさもあり、140分という上映時間に対して展開がやや散漫に感じられる部分もある。

ただし、現在ではCGで処理されることも多い大群衆やランドラッシュを実景と物量で見せる映像には、当時の大作映画ならではの迫力が残されている。

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