『ウィッチ』監督の新作狼男ホラーから、雪景色の初画像が公開。
『ウィッチ』『ノスフェラトゥ』などで知られるロバート・エガース監督の新作ホラー『Werwulf(原題)』から、初のティザー画像が公開された。
今回明らかになったのは、凍えるような冬の風景を切り取った1枚。雪に覆われた荒野のような画面は、派手にクリーチャーの姿を見せるのではなく、視界のどこかに“何か”が潜んでいるかもしれないという不穏さを漂わせている。
舞台は13世紀のイングランド。土地に根づく民間伝承が恐怖として現実化していくという物語で、米国では2026年12月25日にFocus Features配給で劇場公開される。
ロバート・エガースが狼男伝承に挑む
『ウィッチ』でニューイングランドの魔女伝承を、『ライトハウス』で孤島の狂気を、『ノスフェラトゥ』で吸血鬼譚を描いてきたエガース監督。新作『Werwulf(原題)』では、中世イングランドを舞台に、狼男という古典的な怪物を自身の作家性で再構築する。
タイトルの『Werwulf』は、現代英語の「werewolf」に通じる古い響きを持つ言葉。エガース作品が一貫してこだわってきた時代性、言語、土地の空気を想起させる題名でもあり、単なるモンスター映画ではなく、歴史と伝承の奥に沈む恐怖を掘り起こす作品になりそうだ。
エガース監督は本作について、「僕がこれまで書いた中で最も暗い。間違いなく」とコメントしている。これまでの作品でも人間の信仰、不安、欲望を容赦なく見つめてきただけに、その発言は本作への期待と警戒感を同時に高めるものだ。
初画像が映すのは、姿なき怪物の気配
初画像は、NBC Store経由で浮上したもの。写し出されているのは、冷え切った冬の風景で、狼男そのものの姿がはっきり見えるわけではない。だが、その抑制された画作りは、むしろエガース監督らしい恐怖の出し方といえる。
『ウィッチ』では森と信仰が、『ノスフェラトゥ』では影と病が、物語そのものを侵食していった。『Werwulf(原題)』の初画像もまた、怪物を見せるより先に、土地全体がすでに悪夢の領域へ変質しているような感覚を与える。
13世紀イングランドという舞台設定も重要だ。近代的な理性よりも、噂、迷信、宗教、共同体の恐れが人々の行動を支配する時代。狼男の存在が単なる脅威ではなく、社会や信仰の揺らぎを映す鏡として描かれる可能性もある。
『ノスフェラトゥ』組も集う濃密なキャスト
キャストには、『ノスフェラトゥ』にも出演したアーロン・テイラー=ジョンソン、リリー=ローズ・デップ、ウィレム・デフォーが名を連ねる。さらに、『ウィッチ』のラルフ・アイネソン、そして『ハムネット』のボディ・レイ・ブレスナックも出演する。
脚本はエガース監督と、『ノースマン 導かれし復讐者』でも組んだショーンが共同執筆。製作にはエガースとショーンに加え、Working Titleのティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、Maiden Voyageのクリス・コロンバス、エレノア・コロンバスらが関わっている。
『Werwulf(原題)』の日本公開日は、現時点では明らかになっていない。だが、狼男という誰もが知る怪物を、エガース監督がどこまで冷たく、暗く、土着的な悪夢へ変えてくるのか。初画像の段階から、その異様な気配はすでに十分に伝わってくる。
