グラミー最優秀新人賞チャペル・ローン、レコード会社に挑戦状 - 「給与と保険の提供を」鋭い指摘の受賞スピーチ&圧巻パフォーマンスで注目集める[動画あり]

チャペル・ローン、グラミー賞で一石投じる NEWS
チャペル・ローン、グラミー賞で一石投じる

グラミー最優秀新人賞のチャペル・ローン、アーティストの労働環境改善を訴える受賞スピーチで業界に一石投じる

2025年のグラミー賞授賞式で最優秀新人賞を受賞したチャペル・ローンが、レコード会社によるアーティストへの待遇改善を求める力強いスピーチを展開した。生活賃金と健康保険の提供を訴えたその発言は、会場の大きな拍手を受け、音楽業界における新人アーティストの待遇問題に一石を投じることとなった。

この夜、自身初となるグラミーでのパフォーマンスでも注目を集めたローンは、未成年での契約から、パンデミック期間中の契約解除、そして現在の成功に至るまでの経験を語り、レコード会社に対して「私たちはあなたたちを支えています。でも、あなたたちは私たちを支えてくれているのでしょうか?」と問いかけた。

6部門ノミネートの新星が魅せた圧巻のパフォーマンス

授賞式ではパフォーマンスも披露された。ピンク色の巨大な馬のオブジェに腰かけ、キラキラと装飾されたカウボーイブーツとフリンジをまとったチャペル・ローンは、ロデオピエロたちを従えながら「Pink Pony Club」を熱唱。観客席のジャネール・モネイらと共に会場全体で歌い上げ、その圧倒的なステージングで注目を集めた。

デビューアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』で音楽シーンに躍り出たチャペル・ローンは、今回のグラミー賞で最優秀新人賞を含む6部門にノミネートされていた。『Midwest Princess』でベストポップ・ヴォーカル・アルバム賞と年間アルバム賞、さらに「Good Luck, Babe」でベストポップ・ソロ・パフォーマンス賞、年間楽曲賞、年間レコード賞と、新人としては異例の快挙となった。

苦難の道のりを経て掴んだ栄光の舞台

チャペル・ローンの道のりは決して平坦ではなかった。2015年、本名のケイリー・ローズとしてYouTubeに投稿した動画が注目を集め、未成年でアトランティック・レコードと契約。2016年には脳腫瘍で亡くなった祖父を追悼して現在の芸名に改名した。しかし、「Pink Pony Club」を含む複数のシングルをリリースし、ヴァンス・ジョイなどのツアーサポートも務めたものの、2020年8月に契約を解除されることとなる。

パンデミック下での契約解除は、アーティストとしての活動に大きな影響を与えた。しかし「Pink Pony Club」は徐々に人気を獲得し、USA Todayの2020年ベストソング、Vultureの「2021年の夏の歌」に選出。2022年初頭にソニーとパブリッシング契約を結び、同楽曲のソングライター/プロデューサーであるダン・ニグロと再びタッグを組んで活動を再開した。

音楽業界の構造的問題に鋭く切り込んだ受賞スピーチ

最優秀新人賞受賞後のスピーチで、チャペル・ローンは音楽業界の構造的な問題に切り込んだ。「もしグラミー賞を受賞して、音楽業界で最も影響力のある人々の前に立てる機会があったら、アーティストから何百万ドルもの利益を得ているレーベルに、特に新人アーティストに対して、生活できる賃金と健康保険を提供するよう要求すると、自分に誓っていたんです」という力強い言葉で、業界の待遇改善を訴えかけた。

未成年での契約から契約解除、そしてパンデミック下での苦悩を経験したチャペル・ローンは、「自分のアートに全力を注いでいるのに、システムに裏切られ、人間性を否定されたように感じて、本当に落ち込みました」と当時を振り返った。さらに「レーベルが優先してくれていれば、私が全てを捧げていた会社から、ケアを受けることができたはずです」と指摘し、レコード会社がアーティストを価値ある従業員として扱う必要性を強調した。

自身の経験を原動力に新たな挑戦へ

2023年、チャペル・ローンは「Naked in North America」ツアーを開始。「Hot to Go!」「Red Wine Supernova」などの新曲を次々とリリースしながら、各地のドラッグパフォーマーたちをオープニングアクトとして起用するなど、独自の表現とインクルーシブな姿勢で注目を集めた。同年9月には待望のデビューアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』をリリースし、2度目となる「Midwest Princess」ツアーで成功を収めている。

今回の受賞スピーチは、音楽業界におけるアーティストの労働環境や権利保護について、改めて議論を呼び起こすきっかけとなっている。「レーベルの皆さん、私たちはあなたたちを支えています。でも、あなたたちは私たちを支えてくれているのでしょうか?」という問いかけは、業界全体に対する重要なメッセージとして受け止められている。

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