『最終絶叫計画 令和!』が北米興行でシリーズ最高の出足を記録し、夏興行でホラー作品の勢いを改めて示した。
北米週末興行で、パラマウント配給のパロディホラー『最終絶叫計画 令和!』が初登場1位を獲得した。オープニング成績は5500万ドル(約88億円)で、シリーズ最高のスタートを記録。さらに、A24の『Backrooms(原題)』、フォーカス・フィーチャーズ配給の『オブセッション 災愛』も上位に入り、夏の映画市場でホラー作品が存在感を強めている。
『最終絶叫計画 令和!』がシリーズ最高記録を更新
『最終絶叫計画 令和!』は、2000年に始まった『最終絶叫計画』シリーズの最新作。北米で5500万ドル(約88億円)を記録し、これまでシリーズ最高の初動成績だった2006年公開『最終絶叫計画4』の4970万ドルを上回った。海外53市場を含めた世界興行収入は1億550万ドル(約168億8000万円)に達しており、シリーズとして世界興行でも最大の出足となった。
製作費はミラマックスが3000万ドル(約48億円)を投じたとされ、初週時点で興行的な成功が見込める立ち上がりとなっている。興行ニュースレター「FranchiseRe」を発行するデヴィッド・A・グロスは、「シリーズ後期のコメディ続編としては、突出したオープニングだ。アンナ・ファリスとレジーナ・ホールが外された前作が2013年に失速した後としても、大きな巻き返しだよ」と評価している。
本作では、マーロン・ウェイアンズ、ショーン・ウェイアンズ、キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ、クレイグ・ウェイアンズが脚本に参加。マーロンとショーンは、それぞれショーティとレイ役でも復帰した。さらに、アンナ・ファリスとレジーナ・ホールも再登場しており、シリーズ初期を支えた顔ぶれの復帰が、ノスタルジーと話題性の両面で集客につながったとみられる。
『マスターズ・オブ・ユニバース』は2位発進も製作費に届かず
一方、アマゾンMGMの新作アドベンチャー『マスターズ・オブ・ユニバース』は、北米で2930万ドル(約46億8800万円)を記録し、初登場2位となった。海外86市場では2500万ドル(約40億円)を稼ぎ、世界興行収入は5400万ドル(約86億4000万円)でのスタートとなったが、製作費は約2億ドル(約320億円)とされており、劇場興行で採算ラインに乗せるには今後の粘りが必要になる。
グロスは同作について、「フランチャイズとシリーズ化の可能性を持つアクションアドベンチャーとしては、軟調な出足である。現時点で好調なのは、スパイダーマン、デッドプール、ウルヴァリン、スーパーマンのような、最大級かつ最も確立されたスーパーヒーローだけだ」と指摘している。
『マスターズ・オブ・ユニバース』は、マテルの人気アクションフィギュア「ヒーマン」を基にした作品で、同社にとっては『バービー』に続く劇場映画プロジェクトとなる。初週の観客は男性が66%を占め、45歳以上が約4割にのぼった。1980年代の玩具やアニメに親しんだファン層を中心に動員した一方で、今後はより幅広い観客層に訴求できるかが課題となる。
アマゾンMGMの国内配給責任者ケヴィン・ウィルソンは声明で、「トラヴィス・ナイト監督とキャスト、制作チーム全員が、本当に特別な作品を届けてくれました。このオープニングは、劇場公開後も認知とエンゲージメントを広げていく、当社の総合的な配給戦略を裏付ける重要な最初の瞬間です」とコメントしている。
ホラー勢が上位を占拠、A24とフォーカス作品も好調
3位には『Backrooms(原題)』が入った。公開2週目の週末成績は2590万ドル(約41億4400万円)で、前週比70%減となったものの、初週の大ヒットを受けて累計成績は北米で1億3500万ドル(約216億円)、世界で2億1260万ドル(約340億1600万円)に到達。A24作品としては、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の1億9100万ドル(約305億6000万円)を超え、同社の世界興行収入記録を更新した。
4位の『オブセッション 災愛』は、公開4週目で2560万ドル(約40億9600万円)を記録。前週比はわずか7%減にとどまり、異例の粘りを見せている。ロマンティックな執着の危うさを描いた低予算スリラーで、北米累計は1億5210万ドル(約243億3600万円)に到達。世界興行収入は今週末にも2億ドル(約320億円)を突破する見通しだ。
5位には、ファゾム・エンターテインメントの『The Amazing Digital Circus: The Last Act(原題)』が入り、2221館で1940万ドル(約31億400万円)を記録。6位はディズニーの『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』で、公開3週目に1000万ドル(約16億円)を加えたが、前週比は60%減となった。累計では北米1億5580万ドル(約249億2800万円)、世界2億9300万ドル(約468億8000万円)となっている。
『最終絶叫計画 令和!』の首位発進は、単なるシリーズ復活にとどまらず、ホラーとノスタルジー、そしてSNS世代に響く題材が現在の劇場興行で強い訴求力を持つことを示した。『Backrooms』や『オブセッション 災愛』の粘りも含め、今年の夏興行では、大作アドベンチャーよりもホラーが観客の関心を集める流れが鮮明になっている。
