マイケル・ジャクソン関連映画&映像作品5選-『ウィズ』『ムーンウォーカー』『THIS IS IT』から最新作『Michael/マイケル』まで

マイケル・ジャクソン関連映画&映像作品5選-『ウィズ』『ムーンウォーカー』『THIS IS IT』から最新作『Michael/マイケル』まで COLUMNS
マイケル・ジャクソン、『ムーンウォーカー』より © Ultimate Productions

映画『Michael/マイケル』公開前に見たい、マイケル・ジャクソン関連の映画&映像作品を整理する。


2026年6月12日(金)に日本公開予定の映画『Michael/マイケル』を前に、改めて注目したいのがマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)に関連する映画や映像作品である。彼は“キング・オブ・ポップ”として音楽史に名を刻んだ存在だが、その表現はアルバムやライブだけにとどまらない。ミュージカル映画、テーマパーク用の3D短編、長編MVのような音楽映画、リハーサル映像をもとにしたドキュメンタリーまで、スクリーンの中にも彼の創造性は残されている。

ただし、関連作を並べるときに注意したいのが、現在の鑑賞しやすさである。『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のように比較的触れやすい作品がある一方で、『キャプテンEO』のように、もともとディズニーパークのアトラクションとして上映されたため、現在は公式に鑑賞できる機会が限られる作品もある。

この記事では、今からマイケル・ジャクソンの映像表現をたどるうえで押さえておきたい作品を、実際に観る順番と、知識として押さえておきたい作品に分けて紹介する。映画『Michael/マイケル』を見る前の予習として、音楽だけでは見えてこないマイケルの魅力を整理していきたい。

まず観たい映画作品-若きマイケル・ジャクソンと映像表現の原点

ウィズは、マイケル・ジャクソンの映画出演を語るうえで欠かせない作品である。1978年に公開されたミュージカル映画で、『オズの魔法使い』をもとにしたブロードウェイミュージカルを映画化したものだ。舞台はニューヨークのハーレムに置き換えられ、ダイアナ・ロスがドロシー、マイケルがカカシを演じている。

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マイケル・ジャクソン、『ウィズ』より © 1978 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.

この作品で重要なのは、マイケルが『Off the Wall』以前の時期に、歌手としてだけでなく俳優としても強い印象を残している点である。カカシという役は、自信のなさや不安を抱えながらも、仲間とともに進んでいく存在であり、若きマイケルの繊細さとよく重なる。大きな身振り、表情の作り方、しなやかな身体の使い方には、後のミュージックビデオやライブパフォーマンスにつながる表現の芽が見える。

また、『ウィズ』はクインシー・ジョーンズとの出会いという意味でも重要である。のちに『Off the Wall』『Thriller』『Bad』を生み出す関係の始まりを考えると、この映画はマイケルのキャリアにおける転換点のひとつとして見ることができる。作品全体の評価は公開当時から賛否があったが、マイケルのカカシ役は、彼の映像表現の原点を知るうえで見逃せない。

【動画】映画『ウィズ』予告編

『ムーンウォーカー』は、マイケル・ジャクソンの映像表現をより直接的に楽しめる作品である。1988年に発表された本作は、通常の劇映画というより、ライブ映像、回想、アニメーション、ファンタジー、長編MV的なパートが組み合わされた音楽映画である。

中心となるのは、『Bad』期のマイケルが作り上げたビジュアルイメージだ。「Man in the Mirror」「Speed Demon」「Leave Me Alone」、そして「Smooth Criminal」などの楽曲が、映像と結びついて展開される。なかでも「Smooth Criminal」のパートは、白いスーツ、フェドラ帽、鋭いダンス、ギャング映画風の世界観によって、マイケルの映像美学を象徴する場面になっている。

『ムーンウォーカー』は、物語映画としての完成度を求めるよりも、マイケルが自分自身のイメージをどのように映像化しようとしていたのかを見る作品である。彼はここで、歌手であり、ヒーローであり、子どもたちの守り手であり、ファンタジーの中心に立つ存在として描かれる。時に過剰で、時に不思議で、しかし忘れがたい。マイケル・ジャクソンというポップスターの神話性が、もっとも濃く表れた映像作品のひとつである。

【動画】映画『ムーンウォーカー』予告編

最後の創作現場を映した『THIS IS IT』

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は、2009年に公開されたドキュメンタリー映画である。ロンドンで予定されていた復帰公演「This Is It」のリハーサル映像や舞台裏をもとに構成されており、マイケルの死後に公開された。

この作品で見えるのは、完成されたライブではなく、完成に向かう途中のマイケルである。照明、音の入り方、ダンサーの動き、映像演出、楽曲の細部に対して、彼がどれほど細かく意識を向けていたのかが伝わってくる。派手なステージの裏側には、スタッフやミュージシャンと対話しながら、ひとつのショーを作り上げていく職人的な姿がある。

『THIS IS IT』は、マイケルの晩年を知る作品であると同時に、彼が最後まで“現在進行形の表現者”であったことを示す作品でもある。体調や年齢、過去の栄光といった文脈を背負いながらも、リハーサルの場で音を聴き、身体を動かし、ステージの完成形を頭の中に描いている。その姿は、マイケル・ジャクソンを単なる伝説ではなく、最後まで創作の現場にいたアーティストとして見せてくれる。

映画『Michael/マイケル』を見る前に、マイケルがどのようにステージを作っていたのかを知りたいなら、『THIS IS IT』は最も入りやすい一本である。華やかな完成形ではなく、細部を積み上げる過程が映っているからこそ、彼のプロフェッショナルな姿勢がよりはっきりと見える。

【動画】映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』予告編

観る機会は限られるが知っておきたい『キャプテンEO』と、最新作『Michael/マイケル』

『キャプテンEO』は、現在は公式に鑑賞できる機会が限られる作品である。一般的な配信作品や市販ソフトとして気軽に案内できるタイトルではなく、もともとはディズニーパークのアトラクションとして上映された3D音楽短編だった。そのため、この記事では“今すぐ観るべき作品”というより、マイケル・ジャクソンの映像表現を語るうえで知っておきたい関連作として紹介したい。

同作でマイケルは、宇宙船の船長キャプテンEOを演じている。音楽とダンスの力で荒れた世界を変えていくという物語は、彼のスター像と深く結びついている。監督はフランシス・フォード・コッポラ、エグゼクティブ・プロデューサーはジョージ・ルーカス。ディズニー、SF、3D映像、音楽パフォーマンスが一体になった、1980年代らしいスケールの大きな企画である。

『キャプテンEO』の面白さは、マイケルが“音楽で世界を変える存在”として、ほとんど神話的に描かれている点にある。歌とダンスによって暗い世界に色彩を取り戻すという構造は、後の「Heal the World」や「Black or White」にも通じる理想主義を感じさせる。現在は鑑賞手段が限られるため、映画『Michael/マイケル』前の必見作というより、観られる機会があれば押さえたい希少な関連作として位置づけたい。

マイケル・ジャクソン関連映画&映像作品5選-『ウィズ』『ムーンウォーカー』『THIS IS IT』から最新作『Michael/マイケル』まで

『キャプテンEO』

そして『Michael/マイケル』は、マイケル・ジャクソンの人生を現代の映画として描く最新作である。主演を務めるのは、マイケルの甥であるジャファー・ジャクソン。幼いころから兄弟と歌い続けたマイケルが、父ジョセフの厳しい指導、ジャクソン5としての成功、母キャサリンの支え、クインシー・ジョーンズとの出会いを経て、『Off the Wall』『Thriller』へと向かっていく物語だ。

【動画】映画『Michael/マイケル』予告編

関連作品を観る順番としては、まず『ウィズ』で若きマイケルの俳優としての姿を知り、次に『ムーンウォーカー』で『Bad』期の映像表現を体感する。そして『THIS IS IT』で、晩年の彼がなおステージの細部に向き合い続けていたことを確認する。この3本を押さえたうえで『Michael/マイケル』を見ると、マイケル・ジャクソンという人物が、単なる歌手ではなく、映像、身体、物語を使って自分の世界を作ろうとした表現者だったことがより立体的に見えてくるはずだ。

マイケル・ジャクソン関連の映画&映像作品は、それぞれが別の角度から彼を映し出している。『ウィズ』には若き表現者の柔らかさがあり、『ムーンウォーカー』には自らの神話を映像化しようとする野心がある。『THIS IS IT』には、最後まで創造の現場に立ち続けたアーティストの姿がある。そして『Michael/マイケル』は、それらの断片を現代の映画として再び見つめ直す入口になる。

音楽だけでなく映像作品を通してマイケルをたどると、彼がなぜ“キング・オブ・ポップ”と呼ばれたのかがより深く理解できる。彼は歌を届けるだけでなく、身体、衣装、光、物語、スクリーンのすべてを使って、自分の世界を作ろうとしたアーティストだったのである。

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