スティーブン・スピルバーグがCinemaConで新作『ディスクロージャー・デイ』の新予告編を初披露し、劇場公開の重要性とオリジナル映画への投資継続をハリウッドに訴えた。
スティーブン・スピルバーグがCinemaConに登壇し、新作映画『ディスクロージャー・デイ』の新予告編を披露した。『フェイブルマンズ』や『ウエスト・サイド・ストーリー』などを手がけてきた同監督にとって、本作は久々に夏のブロックバスター路線へと回帰する一作となる。
詳細な物語は明かされていないものの、他の惑星からの訪問者と、その到来を隠蔽しようとする巨大な政府陰謀が描かれるという。会場では作品のお披露目に加え、スピルバーグが映画業界に向けて、劇場で映画を届ける意義や、オリジナル作品を支え続ける必要性についても持論を語った。
『ディスクロージャー・デイ』予告編を初披露 スピルバーグが再び描くSF大作
『ディスクロージャー・デイ』は、スピルバーグにとって縁の深いSFジャンルの新作である。これまでにも『E.T.』や『未知との遭遇』、『宇宙戦争』などで宇宙や未知との接触を描いてきたが、本作でも“地球外からの来訪”をめぐる物語が展開されるようだ。
出演者には、宇宙人との繋がりを持つことになる気象レポーター役のエミリー・ブラント、接触の証拠を握る男を演じるジョシュ・オコナー、主人公たちの公表を阻止しようとする官僚役のコリン・ファースのほか、イヴ・ヒューソン、コールマン・ドミンゴらが名を連ねる。脚本は『ジュラシック・パーク』を手がけたデヴィッド・コープが担当する。
スピルバーグは本作の着想について、「子どもの頃からずっと、夜空で何が起きているのか気になっていたんだ」と説明。また、「私たちはおそらく宇宙で唯一の存在じゃないという事実を、世界がもっと受け入れるようになってきたよね」とも語り、本作の背景に長年抱いてきた関心があることを示した。
逃走劇や謎の存在も 予告編で示されたスピルバーグらしいスケール感
CinemaConで公開された映像には、スピルバーグ作品らしいスケール感と緊張感が詰め込まれていた。予告編では、ブラントとオコナーの演じる登場人物たちが政府の工作員から逃れながら、農家の建物を突き破り、さらには疾走する列車へ乗り込む場面などが映し出された。
一方で、物語の核となる“来訪者”の全貌は明かされていない。漆黒の空から何かが姿を現し始める一方で、人間のものではない手が顔をそっと撫でるカットが差し込まれ、未知の存在への期待と不穏さを同時に漂わせる構成となっている。彼らが平和的な存在なのか、それとも脅威なのかは、現時点では伏せられている。
スピルバーグは本作について、「この映画は多くの疑問に答えてくれるし、たくさんの人がさらに多くの疑問を持つようになると思うよ」とコメント。さらに、「最初から最後まで、シートベルトさえあれば大丈夫さ」と語り、壮大な体験型エンターテインメントになることを予感させた。
スピルバーグ、劇場公開の価値とオリジナル作品への投資継続を訴える
CinemaConでは予告編の上映に加え、全米映画協会(MPA)CEOのチャーリー・リブキンからスピルバーグに「アメリカ250アワード」が授与された。スピルバーグが映画興行業界のトレードショーに参加するのは今回が初めてで、「これが最後にはならないと約束するよ」と語る場面もあった。
その一方でスピルバーグは、自身の新作をアピールするだけでなく、映画を取り巻く環境についても持論を展開した。まず訴えたのは、映画をホームエンターテインメント配信に移行させる前に、より長く劇場で上映し続けることの重要性である。スピルバーグは、ユニバーサルが最近、劇場公開期間を最短17日から45日へと延長した決定を称賛したうえで、「大きな作品も小さな作品も、観客は見たいものを自分で見つける」とし、「独占公開期間を大幅に延ばすことで私たちを助けてほしいんだ」と呼びかけた。
さらに、「今日は欲張らせてよ。60日はどう?120日は?」と語り、劇場で作品を育てていく時間の必要性を強調した。
またスピルバーグは、スタジオがリブートやシリーズ続編、スピンオフだけでなく、『ディスクロージャー・デイ』のようなオリジナル作品にも継続して投資すべきだと訴えた。「既知のブランドIPだけを作り続けたら、映画は失速してしまうよ」と語り、「私たちはもっとオリジナルのストーリーを語っていかなきゃいけないんだ」と続け、映画業界に警鐘を鳴らした。
『ディスクロージャー・デイ』が、スピルバーグのこうした提言を体現する一作となるのか。6月12日の米公開、日本での7月10日公開に注目が集まる。
