1998年公開の映画『アルマゲドン』で、ベン・アフレックは名シーンの撮影中、食中毒に苦しんでいたという。
1998年に公開されたディザスター映画『アルマゲドン』は、地球滅亡の危機に立ち向かう人々の姿と、父と娘、恋人同士の別れを描いた感動作として知られている。その象徴的なラストシーンについて、主演のベン・アフレックが撮影当時の意外な舞台裏を明かした。
食中毒のまま挑んだ、忘れられない別れのシーン
ベン・アフレックは、ブルース・ウィリス演じるハリー・S・スタンパーが、自らを犠牲にして地球を救う決断を下し、アフレック演じるA・J・フロストに別れを告げる場面の撮影中、深刻な体調不良に見舞われていたという。
インタビューで彼は、「あのシーンを撮影していた時、僕は食中毒だったんだ」と率直に振り返っている。当時の自身についても、「今日は具合が悪くて仕事に行けませんって言えるほど経験豊富な俳優じゃなかった」と語り、「行くしかないって感じでさ」と、現場に立つしかなかった状況を明かした。
撮影中の状態は想像以上に過酷だったようで、「文字通り……テイクの合間に吐いてたんだ」とも述懐。現場にはゴミ箱が用意されており、アフレックはその中で吐きながら撮影に臨んでいたという。それでも彼は、この極限状態が結果的に演技に影響を与えた可能性について、「むしろシーンが良くなったかもしれないね」と、笑い交じりに語っている。
ブルース・ウィリスとの現場と、『アルマゲドン』という特別な体験
アフレックは、『アルマゲドン』の撮影現場について振り返り、共演したブルース・ウィリスをはじめ、多くの俳優たちと貴重な時間を過ごしたと語っている。ウィリスについては、「みんなに本当に優しかった」と述べ、当時の現場が温かな空気に包まれていたことを明かした。
本作には、ビリー・ボブ・ソーントン、スティーヴ・ブシェミ、オーウェン・ウィルソン、マイケル・クラーク・ダンカン、ウィル・パットンら、個性豊かな俳優が名を連ねていた。アフレックの恋人役で、ハリーの娘グレースを演じたのはリヴ・タイラーである。
アフレックは最近、映画『The Rip(原題)』のプレミアでブシェミと再会し、『アルマゲドン』について懐かしい話を交わしたという。その際の印象について、「最も奇妙で、ある意味すばらしくて、不思議で、別世界のような映画体験だったよね」と語り、同作が自身のキャリアにおいても特異な位置を占めていることを示唆した。
大規模なディザスター映画でありながら、極限の撮影環境と濃密な人間関係が同時に存在していた『アルマゲドン』。アフレックにとって、この作品は単なるヒット作以上に、忘れがたい記憶として刻まれているようだ。
マイケル・ベイ監督が語る「最悪の体調」
『アルマゲドン』の象徴的なラストシーンについては、監督であるマイケル・ベイも、後年になってその舞台裏を振り返っている。ベイは米『ザ・ハリウッド・リポーター』誌の取材に対し、アフレックが同シーンの撮影中、「最悪の体調だった」と明かしていた。
「彼は胃腸炎だった。最悪の体調だったよ。見た目も最悪だった」と、当時を率直に回想している。現場には3ガロンのペンキ用バケツが用意され、「吐きながらあのシーンをやらなきゃいけなかった」と、その過酷さを具体的に語った。
それでもベイは、アフレックの演技を高く評価している。「僕らは彼を撮り続けた。でもあのシーンでの彼はすばらしかった」と述べ、さらに「部分的には胃腸炎だった事実が彼をすばらしくした」とも付け加えた。体調不良という逆境が、結果的に感情のこもった演技につながったという見方を示した形だ。
極度の体調不良の中で撮影されたとは思えないほど、強い印象を残す『アルマゲドン』のラストシーン。その裏側には、主演俳優と監督の双方が認める、極限の現場が存在していた。
撮影現場のアフレック──別作品共演者が明かす“音楽”という習慣
こうした極限の撮影体験とは別に、業界ではアフレックの仕事中の意外な一面も語られている。米『PEOPLE』誌によると、ロサンゼルスで行われたイベントに登壇したジェニファー・ガーナーは、2010年の映画『ザ・タウン』の撮影時を振り返り、アフレックが同じ楽曲を繰り返し聴いていたことを明かした。
ガーナーは、「同じ曲を何度も何度も聴くこと?」と問いかけながら、「私はこれを乗り越えたの。生き延びたのよ」と冗談交じりに語っている。当時、アフレックはビヨンセの楽曲「Halo」を延々と流していたといい、その様子は印象的な記憶として残っているようだ。
アフレックは以前、2016年のインタビューで、仕事中に音楽を聴く習慣について率直に語っている。自身を刺激する楽曲を見つけ、「音楽に合わせて仕事をする」のが好きだとし、その理由について「催眠術みたいな感じで、より集中できるんだ」と説明していた。
さらに、「物語に持たせたいシーンの雰囲気に、より浸れる」と述べ、「だから音楽は本当に、本当に役立つと思う」と強調している。
