デヴィッド・フィンチャー監督、『ハリー・ポッター』の監督候補だったと明かす-“不気味な”作品を目指すも実現せず-映画界の巨匠が語ったスタジオとのギャップ

デヴィッド・フィンチャー(BAFTA / YouTube) NEWS
デヴィッド・フィンチャー(BAFTA / YouTube)

『ハリー・ポッター』シリーズは、より不気味でダークな作品になる可能性を秘めていた。『ゴーン・ガール』の鬼才が明かした構想とは。

『ゴーン・ガール』の巨匠が明かした衝撃の事実

世界的な人気を誇る『ハリー・ポッター』シリーズ。その映画化プロジェクトの初期段階で、デヴィッド・フィンチャー監督が監督候補のひとりとして名を連ねていたことが明らかになった。

『ゴーン・ガール』や『ソーシャル・ネットワーク』などの話題作を手掛けてきたフィンチャー監督は、Variety誌のインタビューで当時のワーナー・ブラザースとの会議について言及。「ハリー・ポッターをどのように映画化するか、話し合いの場を設けられた」と振り返っている。

目指したのは”不気味な”魔法ワールド

フィンチャー監督が構想していたのは、ハリウッドの典型的なファンタジー作品とは一線を画す作風だった。「クリーンなハリウッドバージョンは作りたくなかった。『ウィズネイルと僕』に近い、かなり不気味な作品にしたいと伝えた」と、当時のビジョンを明かしている。

ここで言及された『ウィズネイルと僕』は、1987年に公開されたイギリスの問題作だ。失業中の俳優ふたりが、薬物やアルコールに溺れながらロンドンからカントリーサイドへ”休暇”に向かう姿を描いた作品で、その暗く荒涼とした世界観は今もなおカルト的な人気を誇っている。

一方、スタジオ側が思い描いていたのは、より伝統的なアプローチだった。「彼らが求めていたのは、『トム・ブラウンの学生生活』を『オリバー!』風にしたような学園物語だった」とフィンチャー監督は語る。この発言で触れられている「トム・ブラウンの学生生活」は、19世紀のイギリスのパブリックスクールを舞台にした古典的な学園小説で、明るく青春的な要素が特徴だ。また『オリバー!』は、チャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』を原作とした1968年のミュージカル映画で、孤児の少年の冒険を温かみのある筆致で描いている。

新たな展開を見せる『ハリー・ポッター』の未来

結果として、映画版『ハリー・ポッター』シリーズはクリス・コロンバス監督らの手によって制作され、全8作品が世界中で大ヒットした。

現在、新たなTVシリーズの製作が進行中であることが発表されており、主要キャラクターであるハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの配役に注目が集まっている。もし、フィンチャー監督の構想が実現していれば、私たちが知る『ハリー・ポッター』は、不気味でダークな魔法世界として、まったく異なる様相を見せていたかもしれない。

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