ジョシュ・サフディ監督が、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』におけるロバート・パティンソンの秘密の参加を明かした。
ジョシュ・サフディ監督が、ロバート・パティンソンと密かに再タッグを組んでいたことが明らかになった。舞台は、ティモシー・シャラメ主演の卓球ドラマ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』。現地時間火曜日、ロンドンのBFIサウスバンクで行われた対談の中で、サフディは、パティンソンが本作に“ある形”で参加していた事実を初めて公にした。
ロバート・パティンソンが演じていた“誰も知らなかった役”
サフディ監督によれば、パティンソンが本作で担っていたのは、観客の目に直接触れる役柄ではなかった。「誰も知らないんだけど、あの声——実況者、審判——はパティンソンなんだよ」とサフディは語る。
彼が声で参加していたのは、物語序盤に描かれるブリティッシュ・オープン準決勝の場面で、ティモシー・シャラメ演じるマーティ・マウザーが、ハンガリーのチャンピオン、ベラ・クレツキと対戦するシーンだ。
この起用は、当初から計画されたものではなかったという。サフディは当時を振り返り、「彼が撮影の様子を見に来てくれて、僕にはイギリス人の知り合いがいなかったから、彼に審判をやってもらったんだ」と明かしている。
監督自身はこれを「ちょっとしたイースターエッグみたいなもの」と表現しており、完成までその存在は伏せられていた。
“嘘”と判定された発言に、新たな文脈が加わった瞬間
今回の告白は、ロバート・パティンソンが過去に見せた、ある不可解な場面にも新たな意味を与えるものとなった。
それは、雑誌『Vanity Fair』の企画として公開された「嘘発見器テスト」動画での一幕だ。
同動画では、映画『Die My Love(原題)』で共演するジェニファー・ローレンスから、「あなたはかつてジョシュとベニー・サフディと『グッド・タイム』で仕事をしたよね。また彼らと仕事をしたい?」と問われたパティンソンが、迷いなく「イエス」と答えている。
しかし、その直後、嘘発見器の検査官はこの回答を「嘘」だと判定。これに対し、パティンソンは笑いながら「おかしいな」と反応していた。
当時は真意が分からないまま受け取られていたこのやり取りも、サフディの今回の証言を踏まえると、まったく異なる印象を帯びてくる。
すでに『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』という形で再び関わっていたとすれば、その「イエス」は、すでに現実として約束されていた可能性も浮かび上がる。
『グッド・タイム』から続く、サフディとパティンソンの関係
ロバート・パティンソンとジョシュ・サフディの関係を語るうえで、2017年公開のクライム・スリラー『グッド・タイム』は欠かせない作品である。
同作でパティンソンは、知的障害を持つ弟を警察の拘留から解放するため、極端な手段に出ていく犯罪者コニーを演じ、これまでのイメージを大きく覆す演技を見せた。
本作は、サフディ兄弟による演出とパティンソンの存在感が強く結びついた作品として評価され、以降も両者の再タッグが期待されてきた。
そうした中で明らかになった『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』への声のみの参加は、公には語られてこなかったものの、両者の関係が現在も続いていたことを静かに示す出来事となった。
なお、パティンソンは今後、ティモシー・シャラメと再びスクリーンで共演する予定であり、2026年12月に米国公開予定の『デューン』第3作では、シャラメ演じるポール・アトレイデスに対して陰謀を企てる変身能力を持つ悪役サイテールを演じるとされている。
サフディが語る、ティモシー・シャラメとの出会いと確信
ロバート・パティンソンとの関係が静かに続いていた一方で、ジョシュ・サフディにとって『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の出発点となったのが、ティモシー・シャラメとの出会いだった。
サフディは、『グッド・タイム』のプレミア上映後のアフターパーティーで、初めてシャラメと対面した時のことを振り返っている。
「あるエージェントが僕のところに来て『次のスーパースターを紹介したい』って言ったんだ。それだけですでに怪しいよね」と語るサフディ。
当時のシャラメについては、「彼は大きな瞳をしていて、部屋の隅にいたんだけど、本当はそこにいたくないって感じで、でも自分自身に対する強烈なビジョンを持っていた」と印象を語り、「まさにティミー・シュプリームって感じで、すごく強烈だったよ」と続けている。
その後、『君の名前で僕を呼んで』を観たことで、サフディは確信に至ったという。「彼は映画スターなんだ」と述べ、「強烈な夢想家。執拗で、意欲的で、生粋のニューヨーカー、って感じだよね」と、その資質を言葉にした。
こうした印象が、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の脚本をシャラメを念頭に置いて書く決定へとつながっていった。
「ガソリンが空っぽになる」──次回作を語らない理由
対談の終盤、観客から次回作について尋ねられたジョシュ・サフディは、過去の経験を引き合いに出しながら、その問いへの距離感を率直に語った。
『アンカット・ダイヤモンド』公開後のパネルディスカッションでも同じ質問を受けたことを思い出し、「すごく恥ずかしかったよ。ちょうどこんな感じのQ&Aで『本当にそのことは考えたくないんだ』って……」と当時を振り返っている。
さらにサフディは、「だから今もちょっとそんな感じなんだよね」と現在の心境を明かし、「どの映画の後も、車のガソリンが完全に空っぽになってしまう。だからガソリンスタンドを探しに行かなきゃいけないんだ、みたいな感じだよ」と語った。
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』が高評価を受ける今、次回作への期待が高まっているが、サフディは創作のたびにすべてを使い切る監督であるようだ。
