『ウィキッド 永遠の約束』英語圏批評家レビューまとめ-高評価の演技と賛否の論点とは

『ウィキッド 永遠の約束』© Universal Studios. All Rights Reserved. NEWS
『ウィキッド 永遠の約束』© Universal Studios. All Rights Reserved.

ブロードウェイ原作映画『ウィキッド 永遠の約束』への批評家レビューが公開され、演技面を中心に多様な評価が寄せられている。


ブロードウェイの名作ミュージカルを映画化した2部作の後編『ウィキッド 永遠の約束』のレビューが公開された。本作はエルファバグリンダの友情を軸に物語が展開し、前作『ウィキッド ふたりの魔女』に続いて、ふたりが異なる道へ進む瞬間を描く。前作は観客から強い支持を受け、世界興行収入が7億5800万ドルを超え、衣装デザイン賞と美術賞でアカデミー賞を獲得している。今回の続編も全体的に好意的な評価が寄せられており、Rotten Tomatoesでは批評家71%/観客97%(11月19日時点)というスコアを獲得した。特にシンシア・エリヴォアリアナ・グランデの演技への評価が高く、シリーズを締めくくる作品として注目が集まっている。

批評家が指摘するキャスト陣の強み

批評家の多くが本作の大きな魅力として挙げているのが、キャスト陣の演技だ。中でもアリアナ・グランデが演じるグリンダは高く評価されており、アカデミー賞候補への期待も生まれている。米『ハリウッド・リポーター』誌のチーフ批評家デヴィッド・ルーニーは、「子どもの頃から演技をしているグランデは、内省や不安、悲しみといった静かな瞬間に優しい深みを見せているし、エルファバへの忠誠心もそう」と述べ、感情描写の深さに注目した。また、新曲「The Girl in the Bubble」がキャラクターに親密さをもたらし、グリンダの人間的な側面を広げていると指摘している。

評価の分かれるポイントと多様な視点

本作には肯定的な意見だけでなく、異なる視点も寄せられている。BBCのキャリン・ジェームズは、本作を「『ウィキッド』の映画は典型的な“信者向け”作品」と評し、作品世界の華やかさや感傷性に懐疑的な観客には刺さりにくいと指摘したうえで、それでも前作より魅力的で「最初から最後まで楽しめる」と述べている。

一方、AP通信は基本的に批判的な立場だ。批評では、「(前作で)ピンクとグリーンで軽い水責めにされたような気分に救いをもたらすほどではない」と記し、キャラクターが時に舞台作品のように登場・退場を繰り返す点が映画としての没入感を損ねていると分析した。賞賛すべき点はあると示しつつ、「映画の世界に引き込まれることはほとんどなくて2階席から見ている気分」という指摘もあり、映像作品というより舞台劇に近い印象を与えるという。

一方で、肯定的な側面を強調する声もある。『USA Today』のブライアン・トゥルーイットは、「空飛ぶ猿の群れも登場する。さらに陰険なまでに風変わりなゴールドブラム、ピンクとグリーンのロマンチックな出会い、ほんのちょっとのボディホラー、そして誰もが待ち望んだ靴が1足」と本作に期待どおり登場する要素を列挙し、多彩な見どころがあると評価している。物語終盤の複雑さに対する小さな不満を挙げつつも、「これ以上の『ウィキッド』の締めくくりは望めない」と二部作を締めくくる作品として納得度の高い結末になっているとまとめている。


キャストの確かな演技や物語の深化を評価する声が多く寄せられている一方で、舞台的な見せ方が映画としての没入感を妨げているとの指摘もみられる『ウィキッド 永遠の約束』。とりわけシンシア・エリヴォアリアナ・グランデの演技は複数の批評家が高く評価しており、シリーズ後編として物語をどのように締めくくるのかという期待を押し広げる。

レビュー全体を通して、本作は前作以上にキャラクターの内面へ踏み込み、人間的なドラマを際立たせる作品として受け止められている。多様な意見を含みながらも、二部作の完結作として強い関心を集める仕上がりといえるだろう。

『ウィキッド 永遠の約束』は2026年3月に日本公開。

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