ロンドンの“スクーターギャング”を描く青春クライムアクション『ガスト・アップ』が12月公開。
ロンドンを舞台に、生活のために窃盗を繰り返す若者たちの疾走と葛藤を描いた青春クライムアクション『ガスト・アップ』(原題:GASSED UP)が、12月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開される。スクーターによるひったくりや強盗などが社会問題となる現代イギリスで、“スクーターギャング”と呼ばれる若者たちのリアルを、音楽とスリルに満ちたスタイリッシュな映像で描き出す。監督を務めるのは、ドキュメンタリー作品で英国アカデミー賞ノミネート歴を持つジョージ・アンポンサ。社会派の視点と映画的な躍動を融合させた、注目の長編デビュー作だ。
社会問題を背景に疾走する若者たち-ジョージ・アンポンサ監督が描く“リアリティ”

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
イギリスでは2017年ごろから、スクーターや電動バイクを使った窃盗事件が急増し、今もスマートフォンのひったくりなどが深刻な社会問題となっている。『ガスト・アップ』は、移民や貧困、家庭環境といった現実的な背景のもとで、若者たちが犯罪に駆り立てられていく姿を真正面から捉える。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
監督のジョージ・アンポンサは、マーク・ダガン射殺事件を題材にしたドキュメンタリー『The Hard Stop』などで高く評価されてきた映像作家。本作では、彼が培ってきたリアリズムを基盤に、スリルと感情の交錯する物語を構築している。アンポンサ監督は「スリルと犯罪を描く映画として始まった本作は、次第に、愛や忠誠心、そして生き抜くことについての物語へと変化していきました」とコメントを寄せている。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
『ONE PIECE』サンジ役のタズ・スカイラーら注目俳優が集結-UK発サウンドが物語を彩る

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
主演を務めるのは、イギリスのクライムドラマ『ブルー・ストーリー』で知られるステファン・オドゥボラ。若き窃盗団の一員であり、家族のために危険な世界に足を踏み入れる主人公アッシュを繊細に演じる。共演には、Netflixシリーズ『ONE PIECE』でサンジを演じ、一躍注目を集めたタズ・スカイラー。本作ではスクーターギャングの一人を演じるとともに、アーチー・マドックスと共同で脚本も担当している。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
そのほか、世界的ラッパーのニッキー・ミナージュから注目を受けたMs Banksや、ユーロヴィジョン・ソング・コンテストUK代表のメイ・ミュラー、YouTuberのハリー・ピネロなど、英国ストリートシーンを体現する新世代の才能が顔をそろえる。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
音楽面では、Benzz「Je M’appelle」をはじめ、AitchやDigga DによるUKドリルやグライムといったロンドン発のサウンドが、物語に疾走感とリアリティを与えている。エレクトロニック・デュオJoy (Anonymous)のヘンリー・カウンセルによる劇伴も加わり、映画全体が音楽とシンクロするように鼓動する。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
日本版ビジュアル&予告編が解禁-疾走感あふれるバイクアクションと若者たちの葛藤[動画]
このたび公開された日本版メインビジュアルでは、ロンドンの高層ビル群を背景に、アッシュ、ダブズ、ローチ、カブズ、モールの5人のスクーターギャングが横一列に並び、それぞれの表情が印象的に切り取られている。都市の光と影を象徴するような構図が、物語の緊張感を際立たせている。

『ガスト・アップ』 © GASSED LIMITED 2023
予告編では、Benzzの「Je M’appelle」に合わせてバイクが疾走し、犯罪のスリルと若者たちの葛藤が交錯する世界が描かれる。「やり切ればなんでも手に入る」という甘い言葉のあと、宝石店での強盗シーンや、リーダー格のシャズが「どんな方法でもいい、仕事は完遂するのよ」と命じる場面が印象的だ。生活のために犯罪へ手を染めるアッシュたちが、どのような運命を辿るのか。サウンドと映像が融合した、エネルギーに満ちた仕上がりとなっている。
【動画】映画『ガスト・アップ』予告編
監督ジョージ・アンポンサが語る“リアルと感情”-スリルの先にある人間ドラマ
『ガスト・アップ』の監督を務めたジョージ・アンポンサは、これまで『The Hard Stop』『Black Power: A British Story of Resistance』などで英国社会の現実を鋭く描いてきた映像作家だ。本作は彼にとって初の長編劇映画であり、ドキュメンタリー制作で培った「真実味」や「リアリティ」を物語へと昇華させた意欲作となっている。

『ガスト・アップ』より © GASSED LIMITED 2023
アンポンサ監督は今回の公開にあたり、「日本で『ガスト・アップ』が公開されることに、とてもワクワクしています」と語り、続けて次のように述べている。
「ドキュメンタリー制作から始まり、本作が初めての劇映画です。大きな挑戦ではありましたが、物語における“真実味”や“リアリティ”といった学んできた全てを、新たな映画表現の領域へと昇華させる機会にもなりました」
さらに監督は、物語を通して伝えたいテーマについてもこう振り返っている。
「スリルと犯罪を描く映画として始まった本作は、次第に、愛や忠誠心、そして生き抜くことについての物語へと変化していきました。それをスクリーンの中にしっかりと映し出せたことを、とても誇りに思っています」
社会の片隅で生きる若者たちを、犯罪映画の枠を超えて“人間の物語”として描いた点が、本作の最大の魅力だ。監督の誠実な眼差しが、疾走する映像の奥に確かな温度を宿している。
作品情報
タイトル:『ガスト・アップ』
原題:GASSED UP
監督:ジョージ・アンポンサ
脚本:アーチー・マドックス、タズ・スカイラー
出演:ステファン・オドゥボラ、タズ・スカイラー、スティーヴ・トゥーサント、クレイグ・ミドルバーグ、イェレナ・ガヴリロヴィッチ、メイ・ミュラー
2023年/イギリス/カラー/ユニビジウム/5.1ch/102分/英語/日本語字幕:大塚美左恵
© GASSED LIMITED 2023
配給:ライツキューブ
