ギレルモ・デル・トロ『フランケンシュタイン』北米プレミアで語った「後悔の10年」と次回作『Fury』とは

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ギレルモ・デル・トロ監督

『フランケンシュタイン』北米プレミアでギレルモ・デル・トロが「後悔の10年」と語った。


トロント国際映画祭で行われた『フランケンシュタイン』北米プレミア上映後の舞台挨拶に登壇したギレルモ・デル・トロ監督が、自身の創作と人生を重ね合わせた言葉を口にした。「僕は後悔の10年に入ったんだ」と語る彼の発言は、映画のテーマと深く結びついていた。

父と息子の物語に映し出される自身の経験

メアリー・シェリーの1818年の古典小説を基にした本作では、オスカー・アイザックがフランケンシュタイン博士を、ジェイコブ・エロルディが博士の生み出した怪物を演じている。デル・トロ監督は、この映画を構想する際「父と息子の問題」を物語の核に据えたと説明した。そして最終的に、その物語が自身の体験と結びついていたことに気づいたという。

息子である過程で、僕は父親になったということに気づかなければならなかった。そして父親としての僕についての話にもなったんだ」と彼は観客に語り、自らの脚本で監督した本作が、家族との関係を見つめ直す契機となったことを示唆した。

非人間性とロマン主義をめぐる現代的な問い

デル・トロ監督は作品に込めたより大きなテーマについても言及した。「非人間性、戦争、そして人類として疑いを抱く瞬間において、人間であるということはどういう意味なのか。それは当時も今も真実たることなんだ」と語り、科学倫理や疎外を問うたシェリーの時代と、急速な経済変化や気候変動に直面する現代社会を重ね合わせた。

さらに彼はロマン主義の精神を「基本的にパンクで、偶像破壊的で、社会のルールを破った存在」と表現し、当時と現在の共通点を強調した。「我々は再びそこにいる。感情こそが新しいパンクなんだ。我々は感情を見せることを恐れている。感情を見ることを恐れている。自分自身の中でそんな分離状態にあるんだ。我々を救う唯一のものは、共感と感情を持つことなんだよ」との発言は、古典的題材を現代に結び付けるデル・トロの視点を象徴している。

創作の一区切りと新たな挑戦への展望

デル・トロ監督は『フランケンシュタイン』を完成させたことについて「これは僕の人生の大きなエピソードを締めくくるものなんだ」と語り、ライフワークに一区切りをつけたことを明かした。その一方で、すでに新たな構想へと踏み出している。

彼の予定には、オスカー・アイザックと再び組む長編『Fury(原題)』(フューリー)が含まれている。物語はコース料理の合間に客が次々と命を落としていく残酷なディナーを中心に展開するという。「『ナイトメア・アリー』のスリラー的側面に戻るんだ。とても残酷で、とても暴力的だよ」と彼は警告し、観客を驚かせた。また「叙事詩的な」ストップモーション映画の制作にも取り組んでいることを示唆し、ホラーからアニメーションまで幅広い創作意欲をのぞかせた。


映画祭での上映を経て、『フランケンシュタイン』は今後世界に向けて配信される予定だ。出演者にはミア・ゴスフェリックス・カマラーラース・ミケルセンデビッド・ブラッドリークリスチャン・コンヴェリーチャールズ・ダンスクリストフ・ヴァルツといった国際的な俳優陣が名を連ねる。

「後悔の10年」と語りながらも、その感情を創作の糧へと変えていくデル・トロ監督。『フランケンシュタイン』を一区切りとした彼が次に描く世界に、引き続き注目が集まる。

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