『マイ・エレメント』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・ネタバレ・魅力・トリビアを紹介解説

『マイ・エレメント』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・注目ポイントを紹介・解説 Database - Films
『マイ・エレメント』より ©Pixar / Disney

映画『マイ・エレメント』(2023)を紹介&解説。


映画『マイ・エレメント』概要

映画『マイ・エレメント』は、ディズニー&ピクサーが製作したオリジナル長編アニメーションで、火・水・土・風のエレメントたちが暮らす都市を舞台にしたファンタジー作品。正反対の性質を持つ火の女性と水の青年が出会い、互いの価値観を揺さぶりながら世界の見方を変えていく。監督は『アーロと少年』のピーター・ソーン。声の出演はリア・ルイスママドゥ・アティエほか。

作品情報

日本版タイトル:『マイ・エレメント』
原題:Elemental
製作年:2023年
日本公開日:2023年8月4日
ジャンル:アニメーションコメディファンタジー/キッズ&ファミリー
製作国:アメリカ
原作:無
上映時間:101分

監督:ピーター・ソーン
脚本:ジョン・ホーバーグ/キャット・リッケル/ブレンダ・シュエ
製作:デニース・リーム
製作総指揮:ピート・ドクター
撮影:デヴィッド・ビアンキ/ジャン=クロード・カラシュ
編集:スティーヴン・シェイファー
作曲:トーマス・ニューマン
出演:リア・ルイス/ママドゥ・アティエ/ロニー・デル・カルメン/シーラ・オミ/ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ/キャサリン・オハラ
製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

あらすじ

火・水・土・風のエレメントが共存する都市エレメント・シティ。火の女性エンバーは家業の店を手伝いながら、父の思いを継ごうとしていた。ある日、街の配管事故をきっかけに水の青年ウェイドと出会う。性格も価値観も正反対のふたりは衝突を重ねつつも、互いを理解しながら自分たちの未来を見つめ直していく。

主な登場人物(キャスト)

エンバー・ルーメン(リア・ルイス):火のエレメントの女性。短気で情熱的だが家族思い。父母が営む店を継ぐことを期待されながら、エレメント・シティで自分の人生の道を模索している。

ウェイド・リップル(マムドゥ・アチー):水のエレメントの青年。感受性が強く涙もろい性格。市の検査官として働き、偶然の出来事をきっかけにエンバーと出会い、彼女の世界観を変えていく存在となる。

バーニー・ルーメン(ロニー・デル・カルメン):エンバーの父。火のエレメントで、移民としてエレメント・シティに移り住み雑貨店を築いた人物。娘が店を継ぐことを望んでいる。

シンダー・ルーメン(シーラ・オミ):エンバーの母。温かく家族思いで、娘の将来を見守る存在。

ゲイル(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ):風のエレメント。エレメント・シティの行政関係者で、街の問題解決に関わる人物。

ブルック・リップル(キャサリン・オハラ):ウェイドの母。水のエレメントで、息子を温かく支える家族思いの人物。

簡易レビュー・解説

『マイ・エレメント』は、火・水・土・風の住民が暮らす“エレメント・シティ”を舞台に、火の女性エンバーと水の青年ウェイドの出会いを描くディズニー&ピクサーのオリジナル長編アニメーションである。正反対の性質を持つふたりの関係を中心に、価値観の違いや相互理解のドラマが描かれる。

本作の魅力は、各エレメントの性質を活かした生活文化や街の造形をエンターテインメントとして楽しませながら、その裏側で移民家庭の記憶や社会の中で“異なる存在”として生きる感覚をにじませている点にある。監督ピーター・ソーンの家族経験が物語の着想となっており、華やかなファンタジーであると同時に、文化や立場の違いを越えて惹かれ合うふたりを描くロマンティックな物語としても味わえる作品である。

内容(ネタバレ)

火の一家が移り住んだ都市

火・水・土・風のエレメントたちが暮らす都市エレメント・シティ。火の民であるバーニーシンダーは故郷を離れて移住し、火の文化を象徴する“青い炎”を守りながら雑貨店を開く。やがて娘エンバーが生まれ、父は将来この店を彼女に継がせることを願っていた。

エンバーの失敗と“水の青年”との出会い

成長したエンバーは店を手伝うものの、短気な性格から客の対応に苦戦する。ある日、店を任された彼女が地下で感情を爆発させたことで配管が破裂し、水の検査官ウェイドが現れる。彼は建物の不備を報告する立場にあり、店は閉鎖の危機に直面する。

店を守るための共同作業

エンバーは店を守るためウェイドを追いかけ、閉鎖を決定できる上司ゲイルに直談判する。結果、街の水漏れの原因を突き止めて修理できれば店を残すという条件が提示され、ふたりは協力して調査を始めることになる。

惹かれ合うふたりと揺れる決意

街を巡りながら問題解決に挑むうち、エンバーウェイドは互いの価値観や家族の背景を知り、次第に距離を縮めていく。しかしエンバーには家業を継ぐという父の期待があり、火と水という相容れない存在同士の関係にも葛藤が生まれていく。

恋と家族の間で揺れるエンバー

エンバーは自分が本当は店を継ぎたいわけではないことに気づき始める。一方でウェイドは彼女への思いを告白し、ふたりの関係は周囲にも知られてしまう。失望した父は、エンバーに店を継がせる話を取り消す。

火の街を襲う大洪水

やがて街の水路の問題が悪化し、堤防が破れて火の地区へ大量の水が流れ込む。エンバーは家族の象徴である青い炎を守ろうとして店へ戻り、ウェイドと共に炎を守るが、ふたりは店の奥に閉じ込められてしまう。

ウェイドの“消滅”とエンバーの決意

密閉された高温の空間の中で、水のエレメントであるウェイドは次第に蒸発していく。エンバーを守ろうとした彼は最後に姿を失い、残されたエンバーは悲しみの中で父に自分の人生を歩みたいと打ち明ける。

涙による奇跡

エンバーウェイドと遊んだ“泣かせゲーム”を思い出し、残った水滴に語りかける。すると天井に残っていた水分が滴り、ウェイドの姿が再び形を取り戻す。再会したふたりは互いの思いを確かめ合う。

それぞれの未来へ

数か月後、父は店を友人に託して引退する。エンバーはガラス細工の技術を学ぶため新しい道へ進むことを決め、ウェイドと共に新しい未来へ歩み出す。

作品テーマ解説

『マイ・エレメント』の核にあるのは、移民家庭の物語である。監督ピーター・ソーン韓国から移住した両親のもとで育った経験を本作に反映させており、移民の家族が新しい土地で暮らす現実や、第一世代と第二世代の間に生まれる価値観の違いが物語の出発点になっている。

そのため本作は、火と水の恋を描くファンタジーでありながら、異なる文化背景を持つ人々がどう出会い、理解し合うかという社会的テーマも内包している。火の民は街の中で少数派として描かれ、都市の構造も水の住民に合わせて作られているなど、現実社会のマイノリティの経験を想起させる設定が随所に見られる。

同時に本作は、親の期待と自分の人生の間で揺れる若者の成長譚でもある。エンバーは両親が築いた店を継ぐことを期待されながら、自分の本当に望む道を見つけていく。恋愛、家族、文化の違いという要素が重なり合いながら、自分のアイデンティティを見つけていく物語として描かれている。

作品トリビア

監督自身の移民家庭の経験が物語の原点

本作のストーリーは、監督ピーター・ソーンが韓国から移住した両親のもとで育った経験を基にしている。両親はニューヨークで食料品店を営んでおり、その記憶がエンバーの家族の設定の着想になった。

ピクサー史上でも屈指の計算量で制作された作品

制作では約15万以上のCPUコアが使われるほどの大規模な計算処理が行われた。特に水のキャラクターの表現は高度なシミュレーションを必要とし、ピクサー作品の中でも非常に負荷の高い制作となった。

水のキャラクターはアニメーション上もっとも難しい存在

炎よりも、水のキャラクターの方が制作上の難易度が高かったと制作陣は語っている。透明な体に光の反射や屈折が生じるため、リアルさとアニメーションらしい表現の両立が大きな課題となった。

エレメント・シティは複数の都市を参考に設計

作中の都市エレメント・シティのデザインは、ニューヨークを中心にアムステルダムや中国の都市などを参考にして設計され、多文化が共存する都市のイメージが反映されている。

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