ジェームズ・ホーズ監督が語る『アマチュア』の革新性とDC新作「ランタンズ」- ジェイソン・ボーンにはしない選択

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ジェームズ・ホーズ監督が語る『アマチュア』の革新性とDC新作「ランタンズ」- ジェイソン・ボーンにはしない選択

ジェームズ・ホーズ監督が語る復讐と正義のはざまを描いた新作映画と新たなDC挑戦。

映画『アマチュア』でラミ・マレック演じるCIAアナリストの復讐譚を描いたジェームズ・ホーズ監督。20年以上にわたるテレビディレクターとしてのキャリアから映画監督へと転身し、現在はDCスタジオの新作「ランタンズ(原題)」も手がける彼が、ジャンルの常識を覆す作品作りについて米ハリウッド・リポーター紙のインタビューで語っている。

テレビから映画へ- 長い下積みが導いた転機

20年にわたり、ジェームズ・ホーズはテレビ業界で最も優れたディレクターのひとりとして静かに実力を積み重ねてきた。ジャンル系ストーリーテリングのセンスを常に発揮してきた彼は、ゲイリー・オールドマン主演「窓際のスパイ」のシーズン1を手がけ、スパイスリラーという既存ジャンルに予想外の新鮮さを加える手腕を再確認させた。その手腕は今や彼の2作目の長編映画であり、初のメジャースタジオ作品となる『アマチュア』にも発揮されている。

「高品質のテレビに道を逸らされていたんだ。そして映画界に参入するのは本当に難しい」とホーズ監督は振り返る。「もちろん、キャリアの中でそれを夢見ていたけど、高品質テレビでいろいろなラッキーな転機があったんだよ。Aクラスのキャスト、より大きな予算、そして映画よりもクリエイティブなリスクを取る意欲があった時代だった」。

ホーズ監督によれば、「『窓際のスパイ』が直接私を初の長編映画『ワン・ライフ』に導いてくれて、それからスパイものを手がけていたこともあって『アマチュア』の脚本が舞い込んできた」という。オスカー俳優ラミ・マレックが主演を務める『アマチュア』は、妻サラ(レイチェル・ブロズナハン)を殺害したテロリストたちを追跡するCIAアナリスト、チャーリー・ヘラーの物語である。

復讐と正義のはざま-『アマチュア』が目指した新たなスパイスリラー

近年、「ジョン・ウィック」や「イコライザー」といった復讐をテーマにした作品が続々と登場する中、ホーズ監督は『アマチュア』で異なるアプローチを試みた。ジェイソン・ボーンやジャック・ライアンのような洗練された外観と雰囲気を提示しつつも、主人公チャーリーの内面的な成長と道徳的葛藤に焦点を当てている。

「私たちはこの作品を、根ざしたキャラクター主導のスパイスリラーという観点から話し合ったんだ」とホーズ監督は語る。「チャーリー・ヘラーというキャラクターは悲嘆のプロセスを通じてかなり成長するけど、それは彼が夢見ている、あるいは成し得る可能性のある完全な姿ではないかもしれない男からの成長でもある」。

特筆すべきは、この映画が単なる復讐劇に終始していない点だ。ホーズ監督は「この映画で観客が楽しんでいるのは、チャーリー・ヘラーを突然ジェイソン・ボーンに変えなかったことだと思いたいね」と語る。「チャーリーは自分の知性と、環境をターゲットに対して利用する方法についての理解を使わなければならない」。

さらに監督は「それが復讐なのか正義なのかを議論することは、道徳的により複雑だと考えた」と語る。作中、ケイトリオナ・バルフ演じるキャラクターがチャーリーに「あなたはこうやって自分の沈黙を埋めたいの?」と問いかけるシーンについて、「それが私にとって、彼が完全に正しいことをしているかどうかの反省と、より大きな正義を発見するプロセスの始まりなんだ」と説明している。

DCスタジオ新作「ランタンズ」-「トゥルー・ディテクティブ」との比較とアメリカーナの心

『アマチュア』の公開と並行して、ホーズ監督はDCスタジオとHBOの新作「ランタンズ」を手がけている。人気コミック「グリーン・ランタン」のドラマシリーズとなる本作で、彼はショーランナーのクリス・マンディ、製作総指揮のトム・キングとデイモン・リンデロフと協力し、カイル・チャンドラーのハル・ジョーダンとアーロン・ピエールのジョン・スチュワートが活躍する銀河系の宇宙警察官を描くシリーズに取り組んでいる。

すでにHBOの人気シリーズ「トゥルー・ディテクティブ」と比較されているこの作品について、ホーズ監督は「それは根ざした感じで見えるし、そう感じるんだ。2人の男に会うんだけど、『トゥルー・ディテクティブ』では期待できないようなウィットとコメディがあるんだ」と説明する。

「それは多くの点で、行ったり来たりするストーリータイムを持つバディ・コップ構造で、それは本当に洗練されているんだよ」と語るホーズ監督は、「『トゥルー・ディテクティブ』との比較は妥当だと思う。人々はまだ『何について話していたの?』と言うかもしれないけど、ある程度は『ノー・カントリー』や『ファーゴ』、そしてそういったアメリカーナな本質を持つ作品も取り入れると思うよ」と付け加えた。

DCスタジオのリーダーシップについては、「私の経験からしか言えないけど、それは刺激的で支援的で本当にスリリングだったよ」と高く評価している。

『アマチュア』と「ランタンズ」の先にある展望について尋ねられると、ホーズ監督は「ここ数年、私はめちゃくちゃ甘やかされてきた。各仕事が次の仕事に続き、それらは素晴らしい仕事だった」と振り返りながら、「少し休憩を取るつもりだけど、映画側ではいくつかのアイデアが温まっている。テレビ側でもアイデアが温まっている」と次なる挑戦への意欲を示した。

テレビと映画の垣根を超えて-ジャンルの革新者としての歩み

『アマチュア』で描かれる復讐と正義の物語は、ホーズ監督のこれまでのキャリアの集大成とも言える。テレビディレクターとして培った高品質なストーリーテリングと、映画というフォーマットで実現する視覚的な洗練さが融合した作品だ。

「ジェイソン・ボーンになれない男の物語」として描かれる主人公チャーリーの成長と、DCスタジオの「ランタンズ」で示される「アメリカーナな本質」は、どちらもホーズ監督が追求するジャンルの常識を覆す新たな表現である。20年にわたるキャリアの中で培われた彼の感性は、テレビと映画の垣根を超えて新たな地平を切り開きつつある。
2025年4月14日現在公開中の『アマチュア』と、今後公開予定の「ランタンズ」は、ジェームズ・ホーズ監督の新たな挑戦の始まりに過ぎないのかもしれない。彼の次なる一手に、業界と観客の注目が集まっている。

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