映画『ヌルボムガーデン』が2025年1月24日(金)より日本公開。最新韓国ホラーである今作は、名心霊スポットをモデルに、恨みや呪いに振り回される主人公の体験を不気味に映し出した1作だ。
『ヌルボムガーデン』予告編
『ヌルボムガーデン』あらすじ
幸せな新婚生活を送っていたソヒの夫チャンスが、ある日突然、自らの命を絶った。ショックのあまり流産し、悲しみのどん底に突き落とされたソヒは、生前のチャンスが購入していた郊外の邸宅を相続することに。ソヒは姉ヘランの反対を押しきって、ヌルボムガーデンと名付けられたその家に移り住むが、引っ越し後まもなく奇怪な出来事が続発。ある夜、家の中ですでにこの世にいないはずのチャンスの姿を目撃したソヒは、心優しかった彼が自殺に追いやられた理由を探り始める。やがて地元の女子高校生ヒョンジュが事情を知っていると確信したソヒは、数ヵ月前に失踪した彼女の行方を追うが、ヌルボムガーデンに取り憑いた邪悪な“何か”に脅かされていくのだった…。

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ロケーションと美術が不穏さを高める
タイトルがロケーションの名前になっているだけあり、舞台となる邸宅・庭は今作のもうひとりの主人公といえる。

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人通りが絶妙に少ない土地にある邸宅の孤立したロケーションは、不気味な雰囲気を巧みに醸し出していた。美術とセットデザインは王道ながら丁寧に作り込まれ、清潔に整った空間と不穏な空気の漂う不潔な空間が織りなすコントラストが、緊張感・不快感の緩急を効果的に演出する。

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インパクトのある演技がスリルを演出
強い印象に残ったのは、謎めいた女子高校生ヒョンジュ役のチュ・イェジンだ。ヒョンジュは登場シーンの少ない序中盤から今作の軸として重要なポジションにあるキャラクターだが、彼女は儚い美しさと内に溜め込んだ闇、そして錯乱時の狂気まで、多彩な表情を魅せる演技で役を完全に体現していた。
もうひとり印象的だったのは「イカゲーム」シーズン1でも大きな存在感を放ったキム・ジュリョンだ。主人公の姉ヘラン役として強い存在感を放ちつつ、持ち前の激情的な演技でホラー/パニックパートでも大きな活躍を見せた彼女が作品に厚みを与えていたように感じる。

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やや説明不足な粗削りさはあるものの…
今作の難点は、観客の想像力に依存するシーンがしばしばある点。暗すぎる撮影やアングルの問題で状況把握が困難なシーンがあったり、やや不自然な場面転換(さっきまで庭にいた人間が突然地下室にいる場面になって戦い始めるなど)があったりと、作品への没入を妨げかねない要素は少々気になった。また、伏線のように見えるシーンの未回収や説明不足な粗削りさにより、意図された物語を深く理解するのが少し困難な一面もある。
とはいえ、王道ホラーとしては確実にホラー初心者も楽しませられる作品として成立しており、ある程度観客の脳内で気になるところを補完さえすれば、ゾクゾク鳥肌を立ててくれる作品なので、細部の難点を追及するより、自らの想像力で世界観に飛び込んで鑑賞することをオススメしたい1作だ。
韓国の最新王道ホラー『ヌルボムガーデン』は2025年1月24日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。ぜひ、主人公が迎える結末を劇場で目撃していただきたい。
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作品情報
原題:늘봄가든
英題:SPRING GARDEN
監督・脚本:ク・テジン(『女神の継承』(22年)『チェイサー』(09年)プロデューサー)
出演:チョ・ユニ、キム・ジュリョン、チョン・インギョム、ホ・ドンウォン
2024年|韓国|韓国語|90分|ビスタ|5.1ch|日本語字幕:朴澤蓉子|提供:ニューセレクト、BBB|配給:アルバトロス・フィルム|PG-12
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公式サイト:neulbom-film.com
X:@neulbom_movie

