映画『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』(1969)を紹介&解説。
映画『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』概要
映画『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』は、後に『キャリー』『スカーフェイス』などを手がけるブライアン・デ・パルマが、ウィルフォード・リーチ、シンシア・マンローと共同で監督・脚本・製作を担当した初期のスラップスティック・コメディ。結婚式を目前に控え、婚約者ジョセフィンの裕福な実家を訪れた青年チャーリーが、彼女の家族や友人たちと過ごすうちに結婚への不安を募らせていく。
出演はチャールズ・ブフルガー、ジル・クレイバーグ、ロバート・デ・ニーロ、ウィリアム・フィンレイら。撮影自体は1963年に行われたが、一般公開は1969年となった。
作品情報
| 日本版タイトル | 『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』 |
|---|---|
| 原題 | The Wedding Party |
| 製作年 | 1969年 |
| 本国公開日 | 1969年4月9日 |
| 日本公開日 | 劇場未公開・ビデオ発売 |
| ジャンル | コメディ |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 92分 |
| 監督・脚本・製作・編集 | ブライアン・デ・パルマ/ウィルフォード・リーチ/シンシア・マンロー |
|---|---|
| 製作総指揮 | 要確認 |
| 撮影 | ピーター・パウエル |
| 作曲 | ジョン・ハーバート・マクダウェル |
| 出演 | チャールズ・ブフルガー/ジル・クレイバーグ/ロバート・デ・ニーロ/ウィリアム・フィンレイ/ジェニファー・ソルト/ヴェルダ・セッターフィールド/レイモンド・マクナリーほか |
| 製作 | パウエル・プロダクションズ/オンディーン・プレゼンテーションズ |
| 配給 | エイジェイ・フィルム・カンパニー(米国) |
あらすじ
結婚式を2日後に控えた青年チャーリーは、婚約者ジョセフィンが暮らす裕福なフィッシュ家の邸宅を訪れる。当初は結婚に前向きだったチャーリーだったが、慌ただしく式の準備を進めるジョセフィンの母親や、結婚生活について暗い見通しを語る父親、ふたりの時間を邪魔する親族たちに囲まれるうちに、次第に将来への不安を募らせていく。
さらにジョセフィンがすでに新婚生活の計画を細かく決めていることを知ったチャーリーは、自分の自由が失われるのではないかと動揺。結婚から逃れる方法を探し始めるが、友人や家族、結婚式の出席者たちを巻き込みながら事態はますます騒々しい方向へ進んでいく。
主な登場人物(キャスト)
チャーリー(チャールズ・ブフルガー):ジョセフィンとの結婚を目前に控えた青年。婚約者の実家を訪れたことで結婚生活の現実を意識し始め、次第に不安と逃げ出したい気持ちに駆られていく。
ジョセフィン・フィッシュ(ジル・クレイバーグ):チャーリーの婚約者。結婚後の生活について具体的な計画を立てており、その姿勢がチャーリーに将来への不安を抱かせる一因となる。
セシル(ロバート・デ・ニーロ):チャーリーの周囲にいる若者のひとり。のちに世界的俳優となるデ・ニーロが、キャリア初期に出演した役として知られる。
フィッシュ夫人(ヴェルダ・セッターフィールド):ジョセフィンの母親。娘の結婚式を盛大に行うため準備に追われている。
フィッシュ氏(レイモンド・マクナリー):ジョセフィンの父親。チャーリーに結婚生活について悲観的なイメージを与える。
作品の魅力解説
結婚式を前に逃げ出したくなる青年を描くドタバタ喜劇
『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』の中心にあるのは、人生最大の祝福であるはずの結婚式を目前にして、主人公がむしろ恐怖と息苦しさを感じ始めるという皮肉だ。
婚約者の家族、親戚、友人、式の準備といった要素が次々にチャーリーを取り囲み、「結婚したら自分の人生はどうなるのか」という疑念を膨らませていく。結婚制度や裕福な家庭の慣習を笑いへ変えながら、逃げようとする新郎と彼を結婚式へ連れ戻そうとする周囲の人々をスラップスティックに描いていく。
完成度よりも、若きブライアン・デ・パルマの実験精神を見る作品
本作は1969年公開だが、実際に撮影されたのは1963年。当時まだキャリア初期だったブライアン・デ・パルマが、サラ・ローレンス大学の演劇教授ウィルフォード・リーチ、シンシア・マンローと共同で作り上げた作品である。
後年のデ・パルマ作品に見られる精密なサスペンス演出を期待するとかなり異質で、学生映画的な粗さやドタバタ喜劇の色が強い。一方で、物語を単純に撮るだけではなく、映像そのものを使って遊ぼうとする初期衝動を確認できる点には映画史的な面白さがある。
デ・ニーロとジル・クレイバーグの極初期作品
ロバート・デ・ニーロとジル・クレイバーグという、後にアメリカ映画を代表する俳優となるふたりの若き姿を見られることも本作の特徴。ただし、デ・ニーロは物語の中心人物ではなく、彼の演技を存分に味わうタイプの作品ではない。
Rotten Tomatoesでも批評家レビューはわずか4件しか集まっておらず、十分なTomatometerスコアが算出されていない。現在の視点では、一本の完成されたコメディとして以上に、デ・パルマ、デ・ニーロ、クレイバーグらが大きく飛躍する以前のキャリアを確認するための初期作品として価値を見いだしやすい一本だ。
