『サブスタンス』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

『サブスタンス』©2024 SUBSTANCE FILM PRODUCTION Database - Films
『サブスタンス』©2024 SUBSTANCE FILM PRODUCTION

映画『サブスタンス』(2024)を紹介&解説。


映画『サブスタンス』概要

映画『サブスタンス』は、コラリー・ファルジャ監督(『REVENGE リベンジ』)が、若さと美しさへの執着を過激なボディホラーとして描くスリラー。かつて人気を博した女優が、より若く完璧な自分を生み出す違法薬品“サブスタンス”に手を出したことで、自己愛と自己嫌悪の境界が崩れていく。主演はデミ・ムーア、共演にマーガレット・クアリーデニス・クエイドら。第77回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、第97回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

作品情報

日本版タイトル:『サブスタンス』
原題:The Substance
製作年:2024年
本国公開日:2024年9月20日(アメリカ・イギリス)
日本公開日:2025年5月16日
ジャンル:ボディホラー/スリラーSF
製作国:イギリス/アメリカ/フランス
原作:無
上映時間:142分
レイティング:R15+

監督:コラリー・ファルジャ
脚本:コラリー・ファルジャ
製作:コラリー・ファルジャ/ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー
製作総指揮:ニコラ・ロワイエ/アレクサンドラ・ローウィ
撮影:ベンジャミン・クラカン
美術:スタニスラス・レイドレ
編集:コラリー・ファルジャ/ジェローム・エルタベット/ヴァレンティン・フェロン
作曲:ラファーティー
出演:デミ・ムーアマーガレット・クアリー/デニス・クエイド/エドワード・ハミルトン=クラーク/ゴア・エイブラムス
製作:ワーキング・タイトル・フィルムズ/ブラックスミス/ア・グッド・ストーリー
配給:MUBI(アメリカ・イギリス)/ギャガ(日本)

あらすじ

かつてトップ女優として名声を得たエリザベス・スパークルは、現在はテレビのエアロビ番組で司会を務めていた。しかし50歳の誕生日を迎えた日、容姿の衰えを理由に番組を降板させられてしまう。若さと美しさへの焦りに追い詰められた彼女は、より若く完璧な自分を生み出すという違法薬品“サブスタンス”を使用する。やがてエリザベスの体から、若さと美貌を兼ね備えた分身スーが現れるが、2人には“1週間ごとに交代する”という絶対的なルールがあった。だが、スーが次第にその均衡を破り始めたことで、エリザベスの人生は制御不能な方向へ進んでいく。

主な登場人物(キャスト)

エリザベス・スパークル(デミ・ムーア):かつてトップ女優として脚光を浴び、現在はテレビのエアロビ番組を担当するスター。50歳を迎えたことで仕事を失い、若さと美しさを取り戻すために“サブスタンス”へ手を出す。

スー(マーガレット・クアリー):“サブスタンス”によってエリザベスの体から生まれた若く美しい分身。エリザベスの経験を持ちながら、若さを武器に新たなスターとして成功をつかんでいく。

ハーヴェイ(デニス・クエイド):テレビ業界のプロデューサー。エリザベスを年齢や外見の変化を理由に番組から降板させる人物で、若さと見た目を重視する業界の価値観を象徴している。

フレッド(エドワード・ハミルトン=クラーク):エリザベスの学生時代の同級生。華やかな業界の外側にある日常や人間関係を思い出させる存在として、エリザベスの前に現れる。

作品の魅力解説

本作の大きな魅力は、若さや美しさが“商品価値”として消費される社会の構造を、ボディホラーというジャンルを通して極端に可視化している点にある。老いへの不安、自己嫌悪、他者からの視線といった現代的なテーマを、理屈ではなく身体感覚に訴える映像で描いている。

また、エリザベスを演じるデミ・ムーアの存在感も重要だ。1990年代にスター女優として活躍した彼女自身のキャリアイメージと、作中で“かつてのスター”として扱われるエリザベスの物語が重なり、単なるホラーを超えた批評性を生んでいる。マーガレット・クアリー演じるスーとの対比によって、ひとりの女性の中にある憧れと憎しみ、理想化された自己像への依存が浮かび上がる。

映像面では、鮮烈な色彩、誇張された音響、身体変化を見せる特殊メイクが強い印象を残す。過激なゴア描写は観る人を選ぶが、その過剰さ自体が、外見至上主義やエンタメ業界の残酷さを戯画化するための表現として機能している。

第77回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、第97回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。ジャンル映画でありながら主要映画賞でも評価された点からも、単なるショック演出にとどまらず、現代社会の美意識や女性の身体をめぐる問題を鋭く突いた作品として注目された。

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