映画『藁にもすがる獣たち』(2026)を紹介&解説。
映画『藁にもすがる獣たち』概要
映画『藁にもすがる獣たち』は、城定秀夫監督(『悪い夏』)が、江戸川乱歩賞作家・曽根圭介による同名小説を映画化したサスペンス。脚本は小林靖子と城定秀夫が共同で手がける。チャンネル登録者数2ケタの弱小大学生YouTuber・佐藤寛治が、バイト先のネットカフェで1億円入りのボストンバッグを発見したことで、欲望にまみれた人々による争奪戦へ巻き込まれていく“ループ型ノンストップ・サスペンス”となっている。主演は鈴鹿央士、共演に成宮寛貴、森七菜、MEGUMI、前田旺志郎、風吹ジュンら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『藁にもすがる獣たち』 |
|---|---|
| 製作年 | 2026年 |
| 日本公開日 | 2026年9月25日 |
| ジャンル | サスペンス/ミステリー/ドラマ |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 曽根圭介『藁にもすがる獣たち』(小説) |
| 上映時間 | 94分 |
| 監督 | 城定秀夫 |
|---|---|
| 脚本 | 小林靖子/城定秀夫 |
| 製作 | 丸山格/小池賢太郎 |
| 製作総指揮 | 和佐野健一/YOSHI |
| 撮影 | 小林元 |
| 編集 | 上野聡一 |
| 作曲 | 安川午朗 |
| 出演 | 鈴鹿央士/成宮寛貴/森七菜/MEGUMI/前田旺志郎/二ノ宮隆太郎/青木マッチョ/岩松了/小手伸也/風吹ジュン |
| 製作 | 「藁にもすがる獣たち」製作委員会(制作プロダクション:東映東京撮影所) |
| 配給 | 東映(日本) |
あらすじ
チャンネル登録者数2ケタの弱小大学生YouTuber・佐藤寛治は、祖母と暮らしながらネットカフェでアルバイトをしていた。ある日、客が残していった怪しげなボストンバッグを発見し、中を確認すると、そこには1億円分もの札束が入っていた。
大金に目がくらみ、バッグを持ち帰ってしまった寛治。一方、裏社会とつながりを持ち、ヤクザへの多額の借金で追い詰められている不良警官・江波戸良介や、金を最優先に生きる謎めいた女“し~な”も、それぞれの事情から金を追い求めていた。
本来なら交わるはずのなかった人々の人生は、1億円入りのバッグをきっかけに次々と交錯していく。バッグの本当の持ち主は誰なのか。そして、最後に1億円を手にするのは誰なのか。欲望をむき出しにした人間たちによる争奪戦が始まる。
主な登場人物(キャスト)
佐藤寛治(鈴鹿央士):チャンネル登録者数2ケタの“自称”大学生YouTuber。祖母・富子と2人で暮らしている。アルバイト先のネットカフェで1億円入りのボストンバッグを発見したことで、壮絶な争奪戦に巻き込まれていく。
江波戸良介(成宮寛貴):生活安全課に所属する警官でありながら、裏社会ともつながりを持つ“不良警官”。元恋人・真莉愛のため、ヤクザの親分・郷田から借金したものの金を持ち逃げされ、返済に追われている。
し~な(森七菜):夜の街の気配を漂わせる謎めいた悪女。金を最優先に行動し、多額の借金を抱える庄田美奈へ接近して、保険金をめぐる怪しげな計画を持ちかける。
庄田美奈(MEGUMI):為替投資に失敗し、巨額の借金を抱えているワケあり主婦。ある夜にし~なと出会い、保険金をめぐる危険な計画へ引き込まれていく。
武藤真哉(前田旺志郎):美奈が働く店へ通い詰めている客。美奈に本気で恋をしており、小心者ながらも彼女のために大きな決断を下す。
デメキン(二ノ宮隆太郎):郷田組に所属するチンピラ。挙動不審で気弱な一面を持ち、警官である良介からの頼みも断れず、ヤクザと警察の間で動くことになる。
エリンギ(青木マッチョ):郷田組に所属する屈強なヤクザ。圧倒的な肉体を誇る怪力男で、借金を抱える良介への追い込みにも加わっていく。
郷田巌(岩松了):郷田組の組長。かつて愛人だった真莉愛のため、良介に金を貸していた人物。返済できない良介に容赦なく圧力をかけていく。
肥後勝次(小手伸也):警視庁から派遣された刑事。巨額の詐欺事件を捜査するため良介とコンビを組むが、何を考えているのか掴みにくい食わせ者。
佐藤富子(風吹ジュン):寛治と2人で暮らしている祖母。家族思いだが、最近は物忘れが激しく、寛治から認知症を疑われている。彼女の言動も1億円の行方へ影響を与えていく。
作品の魅力解説(公開前時点)
1億円入りのバッグを中心に、複数の人生が交錯するマネーサバイバル
本作の中心にあるのは、突如現れた「1億円入りのボストンバッグ」。平凡な大学生YouTuber、不良警官、謎めいた悪女、借金を抱えた主婦、ヤクザなど、それまで無関係だった登場人物たちが大金によってつながり、それぞれの欲望をむき出しにしていく。
公式には“痛快ループ型ノンストップ・サスペンス”と銘打たれており、1億円が人から人へと巡っていく中で、それぞれの事情や思惑が複雑に絡み合っていく構成が大きな見どころとなりそうだ。
城定秀夫が目指した「東映プログラムピクチャーの復刻」
監督・脚本を務めた城定秀夫が本作で掲げたテーマは、「東映プログラムピクチャーの復刻」。社会的なメッセージや感動を前面に出すのではなく、まず映画そのものを徹底的に面白くするという娯楽映画としての方向性が打ち出されている。
原作を映画化する脚本には、『岸辺露伴は動かない』シリーズなどでも知られる小林靖子が参加。城定と小林という異なるジャンルで数多くのエンターテインメント作品を手がけてきた2人が初めて組み、金と欲望をめぐる群像劇をテンポの速いサスペンスへ仕上げている。
原作を大胆に再構築、海外映画祭では編集が受賞
曽根圭介による原作小説は過去に韓国でも映画化されているが、今回の日本版では原作者側から「大きく変えてほしい」という要望があり、小林靖子と城定秀夫が映画版として物語を再構築している。
日本での劇場公開に先駆けて海外映画祭でも上映され、第30回ファンタジア国際映画祭では上野聡一が最優秀編集賞を受賞。審査員からは、ダイナミックなテンポや非線形的な構成、人物と物語を見失わせない編集が評価されている。複数の人物と時間軸が絡む本作において、編集そのものがサスペンスの面白さを生み出す重要な要素となっている点にも注目だ。
