『過怠』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

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『過怠』より ©2026「過怠」製作委員会

映画『過怠』(2026)を紹介&解説。


映画『過怠』概要

映画『過怠』は、山本英監督(『熱のあとに』)が、谷村志穂の同名小説を映画化したヒューマンドラマ。25年前に起きた受精卵の取り違えによって、生まれる前から運命が入れ替わっていたふたりの女子大学生が偶然出会い、出生の秘密を知ったことから、自分自身のルーツや家族との関係、これからの人生に向き合っていく。唐田えりかと知英がダブル主演を務め、共演に金子大地、荒木飛羽、坂井真紀、黒沢あすから。第39回東京国際映画祭コンペティション部門に出品された。

作品情報

日本版タイトル 『過怠』
原題 The Intertwining
製作年 2026年
本国公開日 2026年10月29日(第39回東京国際映画祭で世界初上映)
日本公開日 2027年2月5日
ジャンル ドラマ
製作国 日本
原作 谷村志穂『過怠』(小説・光文社)
上映時間 131分
監督 山本英
脚本 鈴木すみれ
製作 ユン・ミンヨン
製作総指揮 岡田直弓
撮影 米倉伸
編集 山崎梓
作曲 岡田拓郎
出演 唐田えりか/知英/金子大地/荒木飛羽/鈴木卓爾/吉岡睦雄/村岡希美/キム・ジョンヨン/キム・ハクソン/坂井真紀/宮田佳典/久保田芽衣/白川和子/占部房子/黒沢あすか
製作 映画「過怠」製作委員会(制作プロダクション:NJcreation)
配給 NAKACHIKA/フライフリーエンターテイメント

あらすじ

25年前、日本と韓国のふた組の夫婦の受精卵が取り違えられた。その事実を知らないまま、日本人として育った菜々子と、韓国人として育ったジヒョン。大学生となったふたりは日本で偶然出会い、次第に親交を深めていく。

しかし、あるきっかけから菜々子は出生にまつわる衝撃的な事実を知り、ジヒョンにも真実を打ち明ける。育ての親への愛情と血のつながりに対する戸惑いの間で揺れ動くふたりは、「自分は何者なのか」という問いに直面することに。やがてふたりは韓国へ渡り、自らの過去と向き合いながら、これからの人生をどう生きるべきかを模索していく。

主な登場人物(キャスト)

ジヒョン(唐田えりか):韓国人として育ち、日本に留学している女子大学生。菜々子との出会いをきっかけに、自らの出生に隠された事実と向き合うことになる。

菜々子(知英):日本で生まれ育った女子大学生。医学を学びながら将来を見据えていたが、出生にまつわる秘密を知り、自分のルーツや家族との関係について考え始める。

関謙太(金子大地):菜々子の恋人。突然明らかになった出生の秘密によって、人生の転機を迎える菜々子の身近にいる人物。

宮本一輝(荒木飛羽):菜々子の弟。家族が直面する衝撃的な事実に戸惑いながらも、姉を思う青年。

宮本壮平(鈴木卓爾):菜々子の父親。長年育ててきた娘に出生時の取り違えがあったことを知り、家族のあり方を問い直すことになる。

宮本みずき(黒沢あすか):菜々子の母親。娘との関係に不器用さを抱えながらも、家族への愛情と出生の秘密をめぐる葛藤に向き合う。

ソン・カウン(キム・ジョンヨン):ジヒョンの母親。韓国でジヒョンを育ててきた女性。

カン・ミンジュン(キム・ハクソン):ジヒョンの父親。娘の出生に隠された事実によって、家族のあり方を改めて考えることになる。

水瀬早苗(坂井真紀):ジヒョンにとって忘れられない、ある人物の母親。

作品の魅力解説(公開前時点)

受精卵の取り違えから描く、血縁とアイデンティティの物語

本作の中心となるのは、生殖医療における過失によって、生まれる前から運命が入れ替わってしまったふたりの女性だ。取り違えという衝撃的な出来事を題材としながら、物語が問いかけるのは、血のつながりだけが家族を定義するのか、そして人間のアイデンティティは何によって形成されるのかという普遍的な問題である。

原作小説を手がけた谷村志穂は、家族や愛情、人間の生き方を描いてきた作家。本作では医療上の過失そのものにとどまらず、その影響を受けた当事者たちが、どのように過去を受け止め、未来を選び取っていくのかが重要なテーマとなっている。

唐田えりかと知英が、それぞれ自身と異なる国籍の人物を演じる

注目されるのは、日本人俳優の唐田えりかが韓国人のジヒョンを、韓国出身の知英が日本人として育った菜々子を演じるという、通常のキャスティングとは逆転した配役だ。

山本英監督は、原作が描くルーツやアイデンティティの問題に誠実に向き合うため、あえてこの配役に挑戦したことを明かしている。日本と韓国というふたつの国をまたぐ物語において、俳優自身のルーツと役柄の関係も、本作ならではの注目点となる。

『熱のあとに』山本英監督が重視する日常の機微

山本英監督が映画化にあたって大切にしたのは、受精卵の取り違えという事件性だけではない。原作に描かれた、登場人物たちが生きてきた痕跡や、日常の中にある見落としてしまいそうな細部に強く惹かれたという。

監督は、物語上の情報を伝える場面だけでなく、人物の何気ない行動や身体性を映し出す場面にも重点を置いたと説明している。衝撃的な設定を持つ物語でありながら、ふたりの女性が生きる日々の積み重ねを通じて、その心情や変化を表現しようとする演出に注目したい。

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