ドリー・パートンの死去を受け、共演者や世界的スターから追悼の声が相次いだ。
「Jolene」「9 to 5」「I Will Always Love You」などの名曲を生んだ“カントリー音楽の女王”ドリー・パートンが、2026年8月25日に米テネシー州ナッシュビルで死去した。80歳だった。
訃報を受け、音楽や映画を通じてパートンと交流してきたスターたちが相次いで追悼の言葉を発表。近年共演したサブリナ・カーペンターから、長年にわたって親交を結んだポール・マッカートニー、ジェーン・フォンダ、リーバ・マッキンタイアらまで、世代やジャンルを越えて惜別の声が広がっている。
サブリナ・カーペンター「あなたのような人は二度と現れない」
サブリナ・カーペンターはInstagramを更新し、「ああ、ドリー」と割れたハートの絵文字を添えて追悼した。
カーペンターは、パートンと初めて対面したときの印象について、次のように振り返っている。
「初めて会った後、私が言えたのは『彼女は本当に地上を歩く天使なんだ』と『私たち、姉妹に見えるかも!』ってことだけだった」
さらに、ふたりで過ごした時間への思いをつづった。
「一緒に笑ったことや交わした会話を、これからもずっと大切にするね。あなたの知恵、遊び心に満ちた人生観、完璧なユーモアのセンスは、雨の日のために私のポケットへ入れておく」
「あなたのような人は二度と現れない。あなたの唯一無二の魔法、一生に一度しか出会えない声、歌、心を、私たちみんなが体験できたなんて、どれほど幸運なんだろう。あなたの光と同じものを、世界はこれから永遠に探し続けると思う。ずっと愛してる」
カーペンターにとって、パートンは「最大の憧れのひとり」でもあった。2025年2月には、アルバム『Short n’ Sweet』デラックス版に収録された「Please Please Please」で共演。ふたりは同曲のミュージックビデオにもそろって出演し、ピックアップトラックで旅をする姿を披露した。
当時カーペンターは「ドリーと私がピックアップトラックで歌ってる!!!!!! 私にとって大きな意味を持つ曲に、最大の憧れの1人を迎えられて本当に光栄」と喜びを表していた。
世代の異なるふたりを結んだのは、楽曲だけではなかった。ユーモアや華やかなスタイル、自分らしさを貫く姿勢でもカーペンターに影響を与えたパートン。その存在を、カーペンターは「地上を歩く天使」として記憶している。
ポール・マッカートニー「ドリーのいない世界は想像しがたい」
ポール・マッカートニーもInstagramに追悼文を投稿し、パートンを「偉大なるスター」「すばらしい女性」と表現した。
ふたりが初めて出会ったのは、米ナッシュビルのグランド・オール・オープリーだったという。当時のパートンはポーター・ワゴナーと活動しながら、本格的なソロキャリアを始めようとしていた。
「彼女はとても陽気で、生命力に満ちあふれていた。亡くなったという知らせを受け止めるのは難しい。彼女の作曲、歌、慈善活動は、カントリー音楽の世界で比類のないものだった。ドリーのいない世界で生きることなんて想像しがたい」
マッカートニーはパートンについて、自らの音楽が持つ価値と、人々に与える影響の大きさを理解していた「とても聡明なビジネスウーマン」だったとも振り返った。
2人は、パートンが2023年に発表したロックアルバム『Rockstar』でも共演している。パートンがザ・ビートルズの「Let It Be」をカバーし、マッカートニーが歌とピアノ、リンゴ・スターがドラムで参加。ピーター・フランプトンとミック・フリートウッドも加わる豪華な録音となった。
「彼女が僕の曲『Let It Be』を歌ってくれたことほど光栄なことはなかった。僕の参加はほんのわずかだったけれど、彼女が歌ってくれたことを心から誇りに思う。彼女を知ることができ、その唯一無二の才能を称賛できたことを本当に誇りに思う」
最後にマッカートニーは、パートンの代表曲「I Will Always Love You」を思わせる言葉で投稿を締めくくった。
「ドリー、僕と世界中の人たちに美しい音楽を届けてくれてありがとう。僕たちはいつまでもあなたを愛している。神のご加護を。安らかに眠って。あなたは最高だった」
ジェーン・フォンダやリーバ・マッキンタイアらも追悼
映画『9時から5時まで』でパートンと共演したジェーン・フォンダは、「打ちのめされている。ドリーが旅立ったと今知った」とInstagramにつづった。
「何百万人もの人が悲しんでいると思う。でも、これだけは言いたい。私がこれまで知った誰よりも、ドリーはこれからも私たちと共にいる。彼女はあまりにも存在感があり、力強く、寛大で、遊び心にあふれていたから、私たちの人生と心に永遠に織り込まれている」
フォンダは、パートンの歌、『9時から5時まで』、テーマパークのドリーウッド、そして子どもたちへ届けられた数百万冊の本を列挙。それらを「すべて祝福」と表現し、「彼女のような人はほかに知らない」と結んだ。
カントリー歌手のリーバ・マッキンタイアも、長年の友人だったパートンとの写真を公開した。
「ドリー、地上で私たちのためにしてくれた、すべての素晴らしいことにありがとう。あなたの愛、あなたの音楽、そしてあなたは、そのとても、とても大きな心でたくさんのものを与えてくれた。あなたのような人は二度と現れない。あなたとの思い出と、あなたが奏で、歌ったすべての音を、私たちはずっと覚え、大切にしていく」
マッキンタイアは、初めてパートンと会った日も、最後に交わした会話も忘れないと記し、「ずっと愛してる。リーバ」と呼びかけた。
ビリー・レイ・サイラスは、1992年にパートンとの不倫疑惑を報じたタブロイド記事について謝罪するため、本人の楽屋を訪れたときの思い出を明かした。パートンはサイラスを見てウインクし、「ハニー、こんなくだらない記事でもレコードは売れるのよ!」と返したという。
サイラスは、パートンから最近「心の底から愛している」と伝えるメッセージを受け取ったことにも触れ、「僕も同じように、心の底から彼女を愛し続ける。これからもずっと」と記した。
ケイシー・マスグレイヴスはXに「ドリー。本当に、本当に胸が痛い」と投稿。2025年に死去したパートンの夫カール・ディーンに言及し、「カール・ディーンと一緒にいられるのが、せめてもの救い。今日は誰も私に話しかけないで」と悲しみを表した。
ケリー・クラークソンは「ドリー・パートンには、誰もが特別で、きちんと見てもらえていて、歓迎され、まるで昔からの友人であるように感じさせる力があった」と追悼。キース・アーバンは「今は本当に言葉が見つからない」と記した。
コールマン・ドミンゴは「ドリーは、優しさを持って行動すれば、何にでもなれて、何でもできると教えてくれた。なんという光だろう。ドリー・パートンと同じ時代を生きられたことに、僕たちはみんな感謝している。ずっと愛してる」と投稿した。
音楽界や映画界だけでなく、各団体や政界からも追悼が寄せられている。GLAADは、パートンが長年にわたりLGBTQコミュニティーを支えてきたことを挙げ、その変わらぬ連帯は永遠に残る遺産だと声明を発表。ドナルド・トランプ米大統領は「彼女のような人はこれまで存在せず、これからも現れない」と追悼し、その功績をたたえて全米の星条旗を1週間半旗とする意向を表明した。
若い世代のポップスターから、ロックとカントリーの巨匠、映画で長年友情を育んだ共演者まで。世界中から寄せられた言葉は、パートンが残したものが楽曲や映像作品だけでなく、人々との間に築いた数え切れないつながりだったことを物語っている。
