映画『男ともだち』(2026)を紹介&解説。
映画『男ともだち』概要
映画『男ともだち』は、三島有紀子監督(『幼な子われらに生まれ』『一月の声に歓びを刻め』)が、直木賞作家千早茜の同名小説を実写映画化した恋愛ドラマ。京都で暮らす29歳のイラストレーターが、7年ぶりに再会した大学時代の男友達との交流を通して、自分自身の生き方や創作への思いを見つめ直していく。主演は松岡茉優、共演に成田凌、井上祐貴、中島歩、咲妃みゆら。2026年10月の第39回東京国際映画祭コンペティション部門で世界初上映され、同年11月6日に全国公開予定。
作品情報
| 日本版タイトル | 『男ともだち』 |
|---|---|
| 英題 | Two Cigarettes, Three Nights |
| 製作年 | 2026年 |
| 日本公開日 | 2026年11月6日(全国劇場公開/10月27日に東京国際映画祭で世界初上映予定) |
| ジャンル | ドラマ/恋愛 |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 千早茜『男ともだち』(小説・文春文庫) |
| 上映時間 | 131分 |
| 監督 | 三島有紀子 |
|---|---|
| 脚本 | 澤井香織 |
| 製作 | 鶴丸智康/伊藤義彦/飯窪成幸/川上修弘 |
| 製作総指揮 | 小西啓介 |
| 企画プロデュース | 杉本雄介 |
| プロデューサー | 齋藤寛朗 |
| 撮影 | 大塚亮 |
| 編集 | 加藤ひとみ |
| 作曲 | 安川午朗 |
| 出演 | 松岡茉優/成田凌/井上祐貴/中島歩/咲妃みゆ/三浦貴大/辻凪子/中山求一郎/比喩根/余貴美子/池畑慎之介 |
| 製作 | 『男ともだち』製作委員会/カズモ(制作プロダクション) |
| 配給 | ハピネットファントム・スタジオ(日本) |
あらすじ
京都で暮らす29歳のイラストレーター・神名。かつて絵本で賞を受賞し、才能を評価された彼女だったが、今では仕事に追われ、本当に描きたかったものを見失っていた。
同棲中の恋人・彰人とは関係が冷え切り、妻子のいる医師・真司との不倫にも心は満たされない。人間関係にも創作活動にも行き詰まりを感じながら、惰性で毎日を過ごしていた。
そんなある日、大学時代の先輩であり、特別な関係を築いてきた男友達・ハセオから突然電話がかかってくる。7年ぶりに再会したハセオは、昔と変わらない距離感で神名に接する。
恋人ではない。それでも、誰よりも自分を理解してくれる相手。京都、富山、広島でともに過ごす3つの夜を通して、神名の心は少しずつ変化していく。
主な登場人物(キャスト)
神名(松岡茉優):京都で暮らす29歳のイラストレーター。かつて絵本で賞を受賞したが、現在は描きたいものを見失っている。自分勝手で人間関係に不器用な面があり、恋人との同棲や不倫関係に満たされない日々を送る。大学時代の先輩ハセオとの再会をきっかけに、人生を見つめ直していく。
ハセオ(成田凌): 神名の大学時代の映画サークルの先輩で、現在は富山でMRとして働く男性。恋愛には来るもの拒まず去る者追わずの姿勢を持ち、ぶっきらぼうで掴みどころのない人物だが、神名のことを昔から深く理解している。7年ぶりの再会を経て、人生に行き詰まった神名と独特の距離感で向き合っていく。
彰人(井上祐貴): 神名の恋人で同棲相手。文具メーカーに勤める真面目で几帳面な男性で、神名の絵が飾られているギャラリーカフェにも文具を納品している。不規則な生活を送る神名を気遣う一方、ふたりは会話もほとんどないほど関係が冷え切っており、すれ違う日々を送っている。
真司(中島歩):神名がかつて事務のアルバイトをしていた大学病院の勤務医。妻子ある身ながら神名と不倫関係にあり、気まぐれに距離を縮めてきたかと思えば、突然連絡が取れなくなることもある。掴みどころのない人物で、神名との不安定な関係を続けている。
美穂(咲妃みゆ):神名の大学時代の友人。東京で働いていたが、結婚を機に京都へ戻ってきた。学生時代から恋愛経験が豊富で、結婚後も夫以外の男性と関係を持っている。
岩佐(三浦貴大): 神名とハセオが大学時代に所属していた映画サークルの先輩。現在はライブハウスのオーナーを務めており、卒業後もハセオとは頻繁に連絡を取り合っている。ハセオの良き理解者で、彼がよく訪れるライブハウスを経営している。
映写技師の女(余貴美子):神名が徹夜明けによく訪れる京都の映画館で働く映写技師。神出鬼没で、映画の神様ではないかと噂されている不思議な人物。かつてロマンポルノに出演したことのある元女優という設定を持つ、映画版オリジナルのキャラクター。
楢崎(池畑慎之介):美術館のキュレーター。神名が以前出版した絵本の書評を執筆した人物で、彼女の芸術的な才能を評価している。
作品の魅力解説(公開前時点)
恋人でも家族でもない、男女の曖昧な関係性
『男ともだち』が中心に据えるのは、恋愛感情や友情という言葉だけでは整理できない男女の関係だ。
主人公の神名とハセオは、出会ってから12年間、一度も恋人同士になったことがない。それでもハセオは、神名がほかの誰にも見せられない自分をさらけ出せる相手であり、彼女の人生において特別な存在であり続けている。
ふたりの間にある感情は恋愛なのか、それとも友情なのか。既存の関係性に当てはめることのできないつながりを、丁寧に描こうとする作品だ。
千早茜の人気小説を三島有紀子監督が映画化
原作は、千早茜が2014年に発表した同名小説。第151回直木賞候補にも選ばれた作品であり、本作は千早の著作として初めての映像化作品となる。
監督を務める三島有紀子は、『幼な子われらに生まれ』『Red』『一月の声に歓びを刻め』などで、人間関係の複雑さや、登場人物の内面にある割り切れない感情を描いてきた。
本作でも、善悪や正しさだけでは整理できない人間の感情を捉え、ロングテイクを生かしながら、人物たちの生々しい心の動きを映像化することが期待される。
松岡茉優と成田凌、7年ぶりの共演
主人公の神名を演じるのは、『勝手にふるえてろ』『万引き家族』などで知られる松岡茉優。才能を持ちながらも自分の人生をうまく制御できず、不器用に生きる女性を演じる。
一方、ハセオを演じる成田凌は、『愛がなんだ』『窮鼠はチーズの夢を見る』など、人間関係の曖昧さを描いた作品でも存在感を発揮してきた俳優だ。
7年ぶりの共演となるふたりが、恋人にはならなかった男女の間に流れる親密さや緊張感をどのように表現するのかが、大きな見どころとなる。
京都、富山、広島で描かれる3つの夜
本作の英題は『Two Cigarettes, Three Nights』。物語の重要な要素となるのが、神名とハセオが京都、富山、広島で過ごす3つの夜だ。
長い年月を経ても変わらないふたりの距離感と、それでも少しずつ変化していく感情。3つの土地での時間を通して、神名が自分の人生や創作とどのように向き合っていくのかが、物語の中心となる。
