クリストファー・ノーラン新作『オデュッセイア』CinemaConで映像初披露——マット・デイモンが演じる喪失と帰還の物語「これこそが物語だ」

『オデュッセイア』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・注目ポイントを紹介・解説 NEWS
『オデュッセイア』

クリストファー・ノーラン監督の新作『オデュッセイア』がCinemaConで披露され、トロイの木馬シーンを含む未公開映像と作品のスケールが明かされた。


クリストファー・ノーラン監督がCinemaConに登場し、ホメロスの叙事詩を原作とする新作映画『オデュッセイア』をプレゼンした。会場では、マット・デイモン演じるオデュッセウスの姿やトロイの木馬を巡る場面を収めた長尺映像が上映され、興行主たちの注目を集めた。ノーラン監督は作品について、古典として語り継がれてきた物語の普遍性と、現代の観客へ届ける意義を強調した。

ノーラン監督がCinemaConで語った『オデュッセイア』の普遍性

CinemaConのステージに登場したクリストファー・ノーラン監督は、会場からスタンディングオベーションで迎えられた。その熱気を受け止めつつも、「スティーヴン・スピルバーグの後じゃなくてよかったよ」とジョークを飛ばし、場内を和ませた。

今回披露された『オデュッセイア』について、ノーラン監督は「3000年もの間、世代を超えて人々を魅了してきた物語だ」と説明。さらに、「これは“ある物語”じゃない。“これこそが物語”なんだ」と述べ、単なる古典文学の映画化ではなく、物語の原型ともいえる題材に挑む作品であることを印象づけた。

ノーラン監督はこれまでも『インセプション』や『インターステラー』、『オッペンハイマー』などで壮大な題材を映画館向けの体験へと昇華してきたが、今回は神話的スケールを持つ物語に真正面から取り組む。CinemaConでのプレゼンもまた、映画館で観るべき大作として『オデュッセイア』を位置づける場となった。

未公開映像で映し出されたオデュッセウスとトロイの木馬

会場では、一般にはまだ公開されていない長尺映像も上映された。映像は、マット・デイモン演じるオデュッセウスが、豊かな髭をたくわえ、上半身裸で浜辺に立つ姿から始まる。長い戦いを経た人物であることを印象づける導入であり、その佇まいだけでも作品全体に漂う重厚な空気が伝わる場面となっていた。

映像のなかでオデュッセウスは、「トロイ以前のことは何も覚えていない」と打ち明ける。さらに、「妻がいたのか?子どもは?息子がいたかもしれない。もしいるなら、今ごろ何歳になっているだろうか」とつぶやき、自らの過去や家族の記憶さえも遠のいてしまった男として描かれていた。

こうしたセリフによって、本作が単なる戦争大作ではなく、戦いののちに残された喪失や時間の隔たりを見つめる物語であることもうかがえる。CinemaConで披露された映像には、ギリシャ軍がトロイ市内への侵入に使ったトロイの木馬の場面も含まれており、壮大な歴史劇としての迫力と、ひとりの男の内面に迫るドラマの両方を備えた作品であることを印象づけた。

豪華キャストと全編IMAX撮影で挑むノーラン監督の新たな野望

『オデュッセイア』でオデュッセウスを演じるのはマット・デイモン。その息子テレマコス役にはトム・ホランドが名を連ね、さらにアン・ハサウェイゼンデイヤルピタ・ニョンゴロバート・パティンソンシャーリーズ・セロンジョン・バーンサルといった顔ぶれがそろう。CinemaConの場でノーラン監督は、この布陣の豪華さをユーモアを交えて紹介した。

ノーラン監督は、現代の観客にこの作品を届ける方法について「答えはまず、キャストから始めることだ」と説明。「誰が出ていないかを話した方が早いくらいだね」と語りつつ、「みんなここに連れてきたかったんだけど、あれだけの逸材が一堂に会したら、ステージが重さで崩れ落ちてしまうよ(笑)」と続け、会場の笑いを誘った。

さらに本作は、全編をIMAXカメラで撮影した初の映画になる。ノーラン監督はこれを「長年抱き続けた野望」と表現しており、作品のスケールを技術面からも押し広げようとしていることがうかがえる。前作『オッペンハイマー』ではIMAX上映が大きな話題を呼び、プレミアムフォーマットでの鑑賞体験そのものが作品の注目度を押し上げた。

そうした実績を踏まえると、『オデュッセイア』もまた、物語の壮大さだけでなく、どのように映画館で体験させるかまで見据えた作品になりそうだ。CinemaConでのプレゼンは、ノーラン監督がこの古典を現代のスペクタクルとして再構築しようとしていることを、強く印象づけるものとなった。

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