ライアン・ゴズリングが映画館の未来に言及し、作り手の責任を語った。
ライアン・ゴズリングが、自身の主演最新作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の初日、ニューヨークの映画館にサプライズ登場した。満員の観客を前にゴズリングは、ストリーミングの普及や興行収入の低迷が続く現在の映画業界に触れながら、映画館の存続をめぐる議論に一石を投じた。
「映画館を守るのは観客の仕事ではない」ゴズリングが語った6年間の挑戦
登壇したゴズリングは、満席となった会場を前に、本作との長い道のりを振り返った。「6年前、原作の原稿を手に入れたんだ」と語り、「これまで作る中で一番野心的なもので、不可能に思えた」と当時の印象を明かす。それでも「でも挑戦を諦めるには良すぎる作品だった」と続け、構想から完成までに6年を要したプロジェクトであったことを示した。
その上でゴズリングは、現在の映画業界が直面する課題に対して明確な姿勢を示す。「映画館を守るのは観客の仕事じゃない。観客が観に来る価値のある作品を作るのが、僕らの仕事なんだ」と語った。
「この映画は君たちのためにある」観客へ向けたメッセージと映画体験への誘い
スピーチの最後にゴズリングは、観客へ向けて作品そのものの魅力を語りかけた。「みんなはこれから別の銀河へ旅立ち、エイリアンの親友を作り、星を救うんだよ」と呼びかけ、「この映画は君たちのためにある。旅を楽しんで!」と締めくくった。
映画館という空間をめぐる議論が続くなかで、その言葉は単なるメッセージにとどまらず、“観客が劇場で体験する価値”そのものを提示するものでもあった。
低迷する映画館と回復の兆し―『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が示した興行の現在地
パンデミック以降、ハリウッドでは映画館の経営状況に対する懸念が続いており、年間の国内興行収入はいまだコロナ禍前のピークである110億ドルには回復していない。
そうした状況のなかで、ゴズリングはすでに観客を劇場へ呼び戻した実績を持つ。2023年に世界興行収入トップとなった『バービー』でケン役を演じたことでも知られる存在だ。
そして今回、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は初週末の興行収入予測を大きく上回り、全世界で1億4090万ドルという成績を記録。これは2026年の年間首位となる数字であり、『スクリーム7』の9720万ドルを上回る結果となった。さらに、アマゾンMGMにとってもスタジオ史上最高のオープニング記録となり、これまでの『クリード 炎の宿敵』(1億040万ドル)を更新している。
ゴズリングが語った「観客が観に来る価値のある作品を作る」という言葉は、単なる理想論ではなく、具体的な成果として示された形だ。
