ジェイミー・リー・カーティスがティモシー・シャラメの発言に言及し、芸術文化と映画業界の未来について語った。
『ハロウィン』シリーズなどで知られるジェイミー・リー・カーティスが、映画業界の現状と芸術文化の価値について語った。米「ザ・ハリウッド・リポーター」誌によると、カーティスは俳優ティモシー・シャラメの発言にも触れながら、映画産業の厳しい状況や、業界を守るためのアイデアを明かしている。
ジェイミー・リー・カーティスがティモシー・シャラメの発言に言及
近年、俳優としてだけでなくプロデューサーとしても活動の幅を広げているカーティスは、映画業界の現状について率直な思いを語った。その中で言及したのが、俳優ティモシー・シャラメの発言である。
シャラメがバレエやオペラといった芸術形式について、「誰も興味ないけど守り続けようとする」努力によって成り立っていると語ったことが話題になっている。この発言に関連する投稿をカーティスはリポストしており、その考えについて「私の娘はずっとダンサーとして生きてきたし、今はダンスを教えてダンスアカデミーも持っているんだ。だから彼の発言は軽率だよね。あれが彼のレガシーの一部になってしまうことは残念だよ」と自身の見解を示した。
さらにカーティスは「きっと本人も後悔していると思う。だってそれらの芸術形式をないがしろにすることはできないでしょ。できるわけない。それだけ重要なものだから」と、芸術文化の価値は決して失われるものではないと強調する。
そして「「だからといって、それらの芸術形式の観客が減っていないかといえば、減ってはいると思う」と、観客数の減少自体は現実的な課題があると認めつつも「でも、それが芸術形式が消滅するということを意味する?絶対にそんなことはないよ」と芸術そのものが消えることはないと語り、「ちなみに、(デジタル技術が発展した現在も)フィルムで映像を撮影している人たちもまだいるしね」と付け加えた。
映画業界の危機に警鐘 カーティスが語る映画制作の新たなアイデア
カーティスは現在、俳優としてだけでなくプロデューサーとしても活動を広げており、その立場から映画業界の厳しい現状を間近で見ているという。近年は配信サービスの拡大や企業統合などによって作品数や雇用機会が減少し、多くの俳優が仕事を得るのに苦労している状況だと語る。
「仕事を求める俳優たちのリストを見ると、映画の主役を張ったり、自分の冠番組を持ったりしてきた人たちが、映画でもドラマでも小さな役のためにオーディションテープを送ろうとしているんだよね」
こうした状況についてカーティスは、「本当に切迫した時代だよ。仕事がほとんどない」と述べ、業界の将来への懸念を示した。また近年進むメディア企業の統合(パラマウントとワーナーなど)についても不安を抱いているという。
一方で、映画という芸術形式そのものには強い希望を持っているとも語る。カーティスは、映画スタジオが大作映画への投資を続ける一方で、低予算作品にも資金を回す仕組みが必要ではないかと提案する。
「大企業のトップたちが年間予算のうち5000万ドルを取り出して、『500万ドルの映画を作りたい10人の映画作家にそれぞれ500万ドルを渡して、その投資から何が生まれるか見てみよう』と言ってくれればいいと思う」
さらにカーティスは、スター俳優を起用した大規模作品と、挑戦的な小規模作品の両方が映画産業にとって重要だと強調する。
「主演俳優に2000万ドル規模のギャラを払うような超大作映画への巨額投資も続ける。両方やってほしいんだよね」
映画制作の未来について、カーティスは最後にこう語っている。
「何が成功するかなんて、誰にもわからないよ。ただ、その芸術形式を信じるしかないんだ」
俳優・プロデューサーとして広がる活動 SXSWで新作スリラーも披露
こうした発言の背景には、カーティス自身のキャリアの大きな変化がある。2018年に公開された『ハロウィン』の復活作は、彼女のキャリアに新たな転機をもたらした作品でもあった。カーティスによると、この作品がトリロジーへ発展する計画を当初は知らなかったため、プロデューサーのジェイソン・ブラムに働きかけ、共同製作の契約を結んだという。
「あと2本『ハロウィン』を作るのに私が必要だったからだと思うよ」
また、同作の制作経験は彼女の創作意欲にも火をつけたと振り返る。
「とにかく速くて、楽しくて、コラボレーションに満ちていた。誰もギャラを削らなかったし、全部ほとんどお金をかけずに作った。撮影が終わったら、もうすっかり燃え上がっていたよ」
その後、カーティスは俳優としての活動に加え、プロデューサーとしても多くの作品を手がけるようになった。映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で初のアカデミー賞を受賞し、ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』でエミー賞も獲得。さらに制作面では、ニコール・キッドマン主演のテレビシリーズ『スカーペッタ』などにも関わっている。
その最新作のひとつが、SXSWでプレミア上映されるパラノイア・スリラー『Sender(原題)』である。本作は長編映画初監督となるラッセル・ゴールドマンがメガホンを取り、エミー賞受賞俳優のブリット・ローワーが主演。カーティス自身も助演として出演している。
ゴールドマンはかつてカーティスのもとを訪れ、脚本ソフトの使い方を教わったことがきっかけで関係が始まったという。
「脚本作成ソフトのFinal Draftの使い方を教えてほしいっていうことで、彼女のところに行ったんだよ」
現在、ゴールドマンはカーティスの制作会社コメット・ピクチャーズで開発部門を担っているが、カーティスは彼について「彼は映画作家だよ。“開発担当の人”じゃない」と説明する。
俳優としての成功に加え、プロデューサーとしても新しい作品づくりを続けるカーティス。映画という芸術形式を守り続けたいという思いは、こうした活動にも表れている。

