映画『シャドウワーク』(2026)を紹介&解説。
映画『シャドウワーク』概要
映画『シャドウワーク』は、第66回江戸川乱歩賞を受賞した佐野広実の同名小説を、吉野竜平監督が実写映画化したサバイバル・クライムサスペンス。配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルター「おうち」を舞台に、そこへ逃げ込んだ女性と、ある不審死事件を追う刑事という二つの視点から、その場所に隠された秘密へ迫る。
夫から暴力を受けて逃げ続ける紀子を吉岡里帆、不審死を追う刑事・薫を奈緒が演じ、映画初のダブル主演を務める。美保純、酒井若菜、ファーストサマーウイカ、佐月絵美、北村匠海、原嘉孝、風吹ジュンらが共演する。
作品情報
| 日本版タイトル | 『シャドウワーク』 |
|---|---|
| 製作年 | 2026年 |
| 日本公開日 | 2026年9月25日 |
| ジャンル | サスペンス/ミステリー/クライム/ドラマ |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 佐野広実『シャドウワーク』(小説) |
| 上映時間 | 129分 |
| 監督・脚本 | 吉野竜平 |
|---|---|
| 出演 | 吉岡里帆/奈緒/美保純/酒井若菜/ファーストサマーウイカ/佐月絵美/北村匠海/原嘉孝/吉岡睦雄/堀家一希/清水尚弥/近藤芳正/井上肇/小川菜摘/風吹ジュン ほか |
| 主題歌 | haruka nakamura「tiny end」(vo. Meadow) |
| 制作プロダクション | トリックスターエンタテインメント |
| 製作 | 「シャドウワーク」製作委員会 |
| 配給 | ショウゲート |
あらすじ
夫から日常的な暴力を受けている紀子。逃げても夫に居場所を突き止められ、心身ともに追い詰められていた紀子は、入院先で知り合った看護師・路子の助けを借り、三浦海岸の外れにある一軒の日本家屋へ連れて行かれる。そこは、配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルターだった。
住人たちはその場所を「おうち」と呼び、食事や掃除など生活に必要な仕事をすべて「持ち回り」で担当していた。紀子は昭江、しのぶ、奈美、凛たちと暮らすうちに少しずつ平穏を取り戻していくが、穏やかに見える共同生活の中には、紀子が知らされていない「特別なルール」が存在していた。
やがて紀子が「おうち」で組織的に行われている犯罪の存在を知ってしまう一方、ある女性の不審死を捜査する刑事・薫も、事件を追ううちに「おうち」へたどり着く。
主な登場人物(キャスト)
紀子(吉岡里帆):日常的に暴力を振るう夫から逃げ続けている女性。看護師の路子に救われ、女性たちのシェルター「おうち」で暮らし始める。
薫(奈緒):ある女性の不審死事件を追う刑事。捜査を進める中で、紀子たちが暮らす「おうち」の存在へ近づいていく。
路子(美保純):紀子へ救いの手を差し伸べる看護師。「おうち」を運営する女性の一人。
昭江(風吹ジュン):「おうち」の共同運営者。住人たちへ「持ち回り」というルールを伝える中心的な女性。
しのぶ(酒井若菜)、奈美(ファーストサマーウイカ)、凛(佐月絵美):「おうち」で暮らしている女性たち。
作品の魅力解説(公開前時点)
被害者を守る「シェルター」が、サスペンスの舞台になる
「おうち」は、本来であれば暴力から逃げてきた女性を守る安全な場所。
紀子もそこでようやく平穏な生活を取り戻していく。
ところが、その安全な共同体の中に別の秘密が隠されていることによって、「守ってくれる場所をどこまで信じられるのか」というサスペンスが生まれる。
外側には明確な暴力があり、内側には一見すると優しい共同体がある。しかし、その境界が単純な善悪では整理できないことが、物語を複雑にしている。
家事も、そして「始末」も持ち回り
作品の重要なキーワードとなるのが「持ち回り」。
食事、掃除、日常生活の仕事を住人全員で分担するという、一見すると合理的な共同生活のルールが、やがて別の意味を持ち始める。
「この<おうち>では、家事も“始末”も持ち回り」という宣伝コピーが示すように、日常的な家事と犯罪行為を同じルールの延長線上へ置く不気味さが、本作ならではのサスペンスを生み出している。
吉岡里帆と奈緒、二つの視点から共同体の秘密へ
物語は、「おうち」の内部へ入る紀子と、外部から事件を調べる刑事・薫という二つの視点で進む。
紀子の側から見れば、「おうち」は自分を暴力から救ってくれた場所。
一方、薫の側から見れば、それは不審死事件の捜査線上に浮かび上がる謎の共同体となる。
同じ場所を内側と外側から見せることで、「救済」と「犯罪」が同時に存在する構造を徐々に明らかにしていくことが期待される。
