ベティ・ブープが著作権切れ狂気の殺人鬼へ変貌―映画『Betty’s Revenge(原題)』予告編公開

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パブリックドメイン化したベティ・ブープを狂気の存在として描くインディーズスラッシャー『Betty’s Revenge(原題)』の予告編が公開された。


1930年の短編アニメ『まぶしい皿』がパブリックドメイン入りしたことで、ベティ・ブープは新たな解釈の可能性を与えられた象徴的キャラクターのひとつとなった。その流れの中で登場したのが、インディーズ・スラッシャー映画『Betty’s Revenge(原題)』(ベティズ・リベンジ)である。

本作は、『V/H/S シンドローム』で知られるハンナ・ファイアマンを主演に迎え、愛らしいアニメアイコンとして知られてきたベティ・ブープを、狂気と悲劇を背負った存在として再構築する意欲作だ。今回、その独占予告編が公開され、物語の輪郭が明らかになった。

パブリックドメイン化で広がる“ホラー転用”の流れ

1930年制作の『まぶしい皿』が今年パブリックドメインに入ったことで、ベティ・ブープのオリジナル版は、野心的なインディーズ映画製作者たちが既存のイメージを大胆に変形させる対象となった。

近年では、パブリックドメイン作品をホラーへと転用する動きが加速しており、ベティ・ブープもまた「ホラー映画に捻じ曲げられる象徴的キャラクターの武器庫」に加わった形だ。

すでに『Shiver Me Timbers 2(原題)』(『ポパイ・ザ・キラー』続編)などのパブリックドメインホラーの製作が報じられている中、『Betty’s Revenge(原題)』はその流れに本格的に参戦する一本となる。

その中でも本作が注目される理由のひとつが、『V/H/S シンドローム』のアイコンであるハンナ・ファイアマンを狂気のベティ・ブープ役に起用した、インスパイアされたキャスティングにある。

廃墟のクラブに潜む“半分は女性、半分は別のもの”

物語の舞台となるのは、かつて栄華を誇ったキャバレークラブ「ディジー・ディッシーズ」(まぶしい皿)。 その燃えるような過去を調査するため、大学4年生の友人3人が廃墟と化した建物へと足を踏み入れる。

そこで彼らが遭遇するのが、クラブの元オーナーであるベティだ。彼女は自らを「半分は女性、半分は“何か別のもの”」だと主張し、単なる怪異や殺人鬼とは異なる存在であることを示唆する。

やがて友人たちは、ベティが残した秘密の日記を手に入れる。そこに記されていたのは、彼女自身の過去と深く結びついたトラウマの物語だった。日記をきっかけに、ベティは彼らを獲物として狙い始め、「次世代の偉大なベッドタイムストーリーとなりうるトラウマの物語」を完成させるための狩りを開始する。

こうして3人は、廃墟のクラブに閉じ込められたまま、時間との戦いを強いられることになる。本作は、スラッシャー映画の形式を取りながらも、単なる殺戮ではなく、ベティという存在の背景にある悲劇と執念を徐々に浮かび上がらせていく構成となっている。

ハンナ・ファイアマン起用と“立ち入り禁止”だったベティ像

狂気のベティ・ブープ役に起用されたのは、『V/H/S シンドローム』のハンナ・ファイアマンだ。ホラー映画ファンにとって象徴的な存在である彼女のキャスティングは、本作が単なるパロディではなく、ジャンル作品としての強度を重視していることを示している。

共演には、エマ・クレア・ダイクス、サミュエル・J・ベネット、フェイス・マッキンストリーが名を連ねる。脚本・監督を務めるのは、2本の「アラジン」ホラー映画を手がけてきたブレット・ベントマンだ。

ベントマンは本作について、『Bloody Disgusting』誌の取材に対し、パブリックドメイン作品を扱う難しさに言及している。「この物語については、ずっとずっと前から話し合ってきたんだけど、こうしたパブリックドメイン作品には全て、従うべきルールがあるんだ」と語り、「僕たちは利用可能な題材に対して誠実で適切でありたかった」と制作姿勢を明かす。

一方で、古典的なアニメのイメージに安易に寄りかかることは避けたという。「ただみんなが古典的なアニメと結び付けるものではなくてね」「そこは立ち入り禁止の場所だとわかっていた」と語り、既存のベティ像をそのまま再現する意図はなかったことを強調する。

その結果、彼が描こうとしたのは、「本当の動機を持つ悲劇的な人物」としてのベティであり、「ただの典型的な怒れるアニメキャラクターじゃなくてね」という方向性だった。ファイアマンの起用は、その複雑な内面と狂気を併せ持つキャラクター像を体現するための、象徴的な選択だと言える。


パブリックドメイン化によって解放されたキャラクターを、単なる話題性ではなく、悲劇性と狂気を併せ持つ存在として描こうとする『Betty’s Revenge(原題)』。ベティ・ブープという長年親しまれてきたアイコンを題材にしながらも、制作陣は安易なノスタルジーや模倣を避け、ホラー映画としての独自性を追求している。

『プー あくまのくまさん』で知られるITNディストリビューションが米国配給を担当し、同社が広めた“パブリックドメイン・エクスプロイテーション”の流れの中で、本作がどのような評価を受けるのかも注目されるところだ。

【動画】『Betty’s Revenge(原題)』予告編

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