ロブ&ミシェル・ライナーの息子ニック・ライナーが、両親殺害の罪で起訴され、死刑が科される可能性が浮上している。
ロサンゼルスの自宅で両親を殺害したとして、映画監督ロブ・ライナーと妻ミシェル・ライナーの息子、ニック・ライナーが2件の殺人罪で起訴された。検察は本件について、仮釈放なしの終身刑、もしくは死刑が科される可能性があるとしている。
検察が正式起訴-複数殺人の「特別な状況」により死刑の可能性も
ロサンゼルス地方検事ネイサン・ホックマンによると、ニック・ライナーに適用された起訴内容には、複数殺人という「特異な状況」が含まれており、これにより仮釈放なしの終身刑、または死刑が科される可能性があるという。起訴状には、犯行にナイフが使用されたとする申し立ても盛り込まれる予定だ。
ホックマンは記者会見で、本件について「家族が関わるこうした事件を起訴することは、この事務所が直面する中でも最も困難で、最も心を痛める事件の一つです」「関与する犯罪が親密で、しばしば残忍な性質を持っていますから」と説明している。
地方検事局は、実際に死刑を求めるかどうかについては、今後あらためて判断するとしている。
死刑請求は未決定-検事交代で変化したロサンゼルス郡の方針
地方検事局は現時点で、本件において死刑を求めるかどうかについては決定しておらず、後日あらためて判断するとしている。
今回の判断が注目される背景には、ロサンゼルス郡における死刑をめぐる方針の変化がある。ネイサン・ホックマン検事は昨年の選挙で選出され、前任のジョージ・ガスコンが採用していた死刑執行停止の方針を覆し、郡として死刑を再び選択肢に含める姿勢を示してきた。
一方で、カリフォルニア州全体では、2019年以降すべての死刑執行が停止されており、仮に死刑判決が下された場合でも、実際の執行には至らない状況が続いている。こうした制度的背景の中で、検察がどのような判断を下すのかが、今後の焦点となっている。
保釈金なしで拘留-初出廷は見送り、弁護士が理由を説明
32歳のニック・ライナーは日曜夜に逮捕され、翌月曜朝に殺人容疑で収監された。現在は保釈金なしで、ロサンゼルスのツインタワー矯正施設に拘留されている。
ロサンゼルス警察によると、ニック・ライナーはブレントウッドから約12マイル離れたロサンゼルスのエキスポジションパーク地区にあるUSCキャンパス付近で、抵抗することなく逮捕されたという。
火曜日には初出廷が予定されていたが、刑務所から法廷への移送は行われなかった。これについて、弁護人であるアラン・ジャクソンは記者団に対し、「医学的許可が下りなかった」と説明している。
著名事件を多数担当-弁護人アラン・ジャクソンの経歴
ニック・ライナーの弁護を担当しているアラン・ジャクソンは、元ロサンゼルス郡検事で、過去には地方検事選にも出馬した経歴を持つ。
弁護士としては、ハーヴェイ・ワインスタイン、ケヴィン・スペイシー、カレン・リードなど、数々の著名な被告人を弁護してきた。一方、検事時代には、音楽プロデューサーのフィル・スペクターによるラナ・クラークソン殺害事件で、有罪判決を勝ち取っている。
こうした経歴を持つ弁護人が就いたことで、本件の今後の裁判の行方にも注目が集まっている。
事件の概要と家族をめぐる背景-ハリウッドに広がる衝撃
ロブとミシェル・ライナーは、日曜日の午後3時40分頃、ブレントウッドにある自宅内で遺体で発見された。2人はいずれも刺殺されたと報じられており、ロサンゼルス警察は当初から殺人事件として捜査を進めている。
ニック・ライナーはこれまで、薬物依存やホームレス生活に苦しんだ経験を公に語っており、2015年には自身の体験を基にした映画『ビーイング・チャーリー』を共同執筆していた。同作は父ロブ・ライナーが監督を務めている。
ロブ・ライナーは、俳優として人気シットコム『オール・イン・ザ・ファミリー(原題)』で知られるようになり、その後は映画監督として『スタンド・バイ・ミー』『スパイナル・タップ』『恋人たちの予感』『ア・フュー・グッドメン』など数多くの作品を手がけてきた。夫妻の死は日曜夜、ハリウッドのみならず世界中に衝撃を与え、多くの友人や関係者が追悼の意を表している。



