ジェームズ・キャメロン監督3年ぶり来日フォト&レポート|『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ジャパンプレミアに山崎貴監督&宮世琉弥も登壇

(左から)宮世琉弥、ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula Japan Visit - 来日
(左から)宮世琉弥、ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ジャパンプレミアが開催。ジェームズ・キャメロン監督が3年ぶりに来日し、会場を沸かせた。


映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の公開を目前に控え、ジェームズ・キャメロン監督が3年ぶりに来日した。12月10日(水)、東京・TOHOシネマズ新宿で開催されたジャパンプレミアには、映画監督の山崎貴、俳優の宮世琉弥も登壇。会場には大学生約50名も招待され、キャメロン監督の言葉に耳を傾けた。本稿では、上映前に行われた舞台挨拶の様子をフォトと共にレポートする。

キャメロン監督が3年ぶり来日-新章突入に期待高まる舞台挨拶

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、12月19日(金)より日米同時公開されるシリーズ第3弾。全世界歴代興行収入第1位を誇る『アバター』、そして第3位『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を手がけてきたジェームズ・キャメロン監督が、その最新作を引っ提げ、今回3年ぶりに日本のファンの前へ姿を見せた。12月10日(水)に行われたジャパンプレミアは大学生約50名も招待された限定イベントで、若い世代に3D映画の大画面体験を届ける取り組みとしても注目を集めた。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

キャメロン監督は登壇すると大きな歓声に迎えられ、会場の期待感を一気に高めた。

家族の物語がさらなる感動へ-キャメロン監督が語る最新作の核心

ジェームズ・キャメロン監督は3年ぶりの来日となる今回、物語の焦点が“家族の絆”に深く置かれていることを強調した。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

監督によれば、1作目は「未知の世界と映画体験」へといざなうもの、2作目は「家族を知る物語」、そして今作は「家族が危機に直面し、よりエモーショナルな展開が待ち受ける」と説明。前作で長男ネテアムを失ったサリー家を起点に、子どもたちの視点から成長や葛藤が描かれる。父と息子の関係も幾つもの形で揺れ動いていき、国や言語を超えて共感できる物語になると語った。

「アバターにつきものの冒険、美しさ、驚きは健在。そのうえで、より感情を揺さぶる作品になっている」と自信をのぞかせた。

キリの存在に注目-キャメロン監督が見どころを明言

見どころについて問われた監督は、「ストーリーを先に語るより、観客とともに冒険へ出てほしい」と前置きしたうえで、ひとつだけ注目すべき点を挙げた。それが、サリー家の娘キリのキャラクターである。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

キリを演じるシガーニー・ウィーバーは撮影当時71歳ながら、15歳の少女を1年以上かけて全身で表現したという。「声だけでなく、動き、感情、存在すべてを創造してくれた。彼女にはまだ明かされていない秘密がある」と語り、キリを通して描かれるドラマの広がりを期待させた。

宮世琉弥&山崎貴監督が駆けつけ、キャメロン監督へ花束贈呈

本作の公開を記念し、キャメロン監督の大ファンと公言する俳優・宮世琉弥、そして『ゴジラ−1.0』で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した映画監督・山崎貴がサプライズで登壇した。宮世は、作品世界を象徴するブルーとレッドで彩られた花束を監督へ手渡し、会場から温かい拍手が送られた。

ジェームズ・キャメロン、宮世琉弥 © cula

ジェームズ・キャメロン、宮世琉弥 © cula

挨拶に立った宮世は、「監督にお会いできて光栄。『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は映像・芝居・アクションすべてが人生最高峰でした」と熱い思いを告白。「家族愛や環境問題など、多くのテーマを含んだ作品。ぜひ多くの方に観てほしい」と語り、キャメロン監督も「美しい言葉をありがとう」と応じた。

宮世琉弥 © cula

宮世琉弥 © cula

続いて山崎監督も、「これから観る皆さんが羨ましい。“体験”になる作品。CGで描かれたキャラクターに魂が見える」と絶賛。ファミリーのドラマと壮大な冒険が同時に進行する構造を称え、「泣かずにはいられない、すばらしい物語」と観客へ期待を高めるメッセージを贈った。

ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

深々と頭を下げながら日本語で「ありがとうございます、ヤマザキ」と応えたキャメロン監督は、映画人としての敬意を滲ませ、壇上には温かな空気が流れた。

(左から)宮世琉弥、ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

(左から)宮世琉弥、ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

宮世琉弥が監督へ質問-“魂の演技”をどう取り込むのか

イベント後半では、宮世琉弥からキャメロン監督への質問が投げかけられた。テーマは“パフォーマンスキャプチャーにおける人間味の生かし方”。映像技術と俳優の演技がどのように融合しているのか、宮世自身が強い関心を寄せていた点だ。

宮世琉弥 © cula

宮世琉弥 © cula

監督は、「アバター作品において最も重要な質問」と応じ、制作に込めた探求心を明かした。1作目で革新を起こした後も、「世界最高峰の俳優たちが持つ心の動きを一瞬たりとも失いたくない」との想いで、長年の研究期間を経て、フェイシャル表現のキャプチャー技術を進化させてきたという。

撮影は伝統的な手法とは異なり、まず俳優への演出と演技だけに1年以上を費やし、その後にカメラワークを独自に加えていくという。「奇妙なプロセス」と自身も語りながら、「だからこそ唯一無二の雰囲気が生まれる」と笑顔を見せた。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

「彼らは身長3メートルで青い肌をしているだけ。演じているのは人間だ」と語る言葉には、キャラクターの内面こそが作品の核であるという信念が込められていた。宮世は「自分の財産になりました」と深く感銘を受けていた。

“物語のための技術”を語り合う-山崎貴監督が驚嘆したVFX表現

本作の魅力として語られるのが、観客を“体験”へと誘う3D映像だ。『ゴジラ−1.0』でアカデミー賞視覚効果賞に輝いた山崎貴監督は、撮影現場から駆けつけた背景を笑いを交えて明かしつつ、「技術が物語に奉仕している」と熱く語った。

山崎貴 © cula

山崎貴 © cula

最新作で多用されているハイフレームレートは、単なる鮮明化にとどまらない。水のしぶきが空中に浮かぶかのような感覚、火のゆらめきが輪郭を持って迫る映像は、感情に直接触れる“生きた映像”として観客の前に広がると語った。

さらに3Dの用い方についても、「飛び出す驚きではなく、向こう側に世界がある」とコメント。観客は宇宙旅行をするようにパンドラへ没入し、その中でしか語れない物語に立ち会うことになると強調した。

キャメロン監督も「山崎監督ほど難しさを理解している映画人からの言葉は本当に嬉しい」と感謝を伝え、「今日早く切り上げてくれたおかげでもし撮影が遅れたら、僕がセカンドユニットで参加しますよ」と冗談を交わす一幕も。国境を越えた映画人同士のリスペクトが、会場を温かく包み込んだ。

ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

ジェームズ・キャメロン、山崎貴 © cula

大学生とのQ&Aセッション-“世界観とキャラクターの真ん中で物語は生まれる”

イベント後半では、映画を学ぶ大学生ら約50名のうち2人から、キャメロン監督に直接質問を投げかける特別なQ&Aセッションが行われた。「あとでテストがありますよ」と監督が笑いを交えて呼びかけると、会場には柔らかな笑いが広がった。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

最初の質問は「物語づくりで最初に決めるのは世界観か、ストーリーか」という核心を突くもの。監督は「両方から同時に進め、真ん中で出会う」と語り、世界観の創造とキャラクターの内面を掘り下げる作業が衝突した地点で物語が生まれると説明した。

さらに今回の『ファイヤー・アンド・アッシュ』には、自身の10代の頃、アートに理解のない厳しい父との間に抱えた葛藤、そして父になり、子どもたちを見つめた経験が反映されていることを明言。ロアクやスパイダー、ジェイク、そしてクオリッチといった立場の異なる親子の視点が物語の軸になっていると語ったうえで、「究極的に大切なのはキャラクターである」と強調した。

続いて「社会に出る学生への人生のアドバイスを」という問いには、「今は大変な時代。希望を持ち、世界を少しでも良くするために行動してほしい」とメッセージを送った。

サリー家のモットーとして掲げられる
「絶対に諦めない」
「絶対に一緒にいる」
の2つを紹介し、「ひとりで背負う必要はない。仲間と共に進んでほしい」と温かい言葉を贈ると、会場は深い拍手に包まれた。

“まばたき禁止の3時間”-観客へ贈るラストメッセージ

エンディングが近づく中、宮世琉弥と山崎貴監督から、これから映画を体験する観客へメッセージが贈られた。

宮世琉弥 © cula

宮世琉弥 © cula

宮世は「本当に3時間があっという間。泣いていたら終わっていたというほど濃密な時間を過ごせる」と言い、若い世代にも強く響く作品だと語った。「人それぞれの感じ方ができる。世界最高峰の映画だと思います。楽しんでください」と笑顔で締めくくった。

山崎貴 © cula

山崎貴 © cula

山崎監督は、「すばらしい技術のことは一度忘れて、パンドラが本当に存在していると思って観てほしい」と力強く呼びかけた。「人生では味わえない出来事を乗り越えていく彼らの姿が、観る人の支えにもなるはず。瞬きせず、すべてを吸収してほしい」と、映画体験の没入感をアピールした。

会場はふたりの熱のこもった言葉に大きな拍手を送り、上映への期待が最高潮に達した。

“人は皆つながっている”-キャメロン監督が日本の観客へ託す願い

最後にキャメロン監督は、本作を通して観客に伝えたい想いを語った。「3時間の上映前なので短く」と前置きしつつも、その言葉には強い信念が宿っていた。

ジェームズ・キャメロン © cula

ジェームズ・キャメロン © cula

「ただ“感じて”ほしい。自分自身、家族、人生とどこかがつながる瞬間がきっとある」と語り、国や言語、宗教を超えて人々を結びつけるのが映画であると強調。「希望や夢、怖れや家族への愛は、誰もが持っているもの。それを思い出せる作品にしたかった」と言葉を続けた。

そして、今の世界について「これほどまでに冷たく、怒りに満ちた時代はない」と危機感を募らせながら、「人が本来どうあるべきかを思い出すために、この映画を作った」と締めくくった。

静かながら力強いメッセージに、会場は深く頷き、温かな拍手が広がった。

作品情報

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
2025年12月19日(金)日米同時公開
監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワ―シントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーバー、ウーナ・チャップリン ほか
© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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