映画『ウルフマン』(2025)を紹介&解説。
映画『ウルフマン』概要
映画『ウルフマン』は、リー・ワネル監督(『ソウ』『透明人間』)が手がけた、ユニバーサルのクラシックモンスター映画『狼男』を現代的に再構築したホラースリラー。失踪した父の死を機に故郷オレゴンの家を継いだ男が、妻と幼い娘を連れて訪れた夜、何者かの襲撃を受け、家族は家に閉じ込められていく。出演はクリストファー・アボット、ジュリア・ガーナー、サム・ジェーガー。
作品情報
日本版タイトル:『ウルフマン』
原題:Wolf Man
製作年:2025年
日本公開日:2025年10月22日(劇場公開なし、DVD発売日)
ジャンル:ホラー/スリラー/サスペンス
製作国:アメリカ/ニュージーランド
原作:映画『狼男』(1941)に基づく
上映時間:102分
監督:リー・ワネル
脚本:リー・ワネル/コーベット・タック
製作:ジェイソン・ブラム
撮影:ステファン・ダスキオ
編集:アンディ・キャニー
作曲:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演:クリストファー・アボット/ジュリア・ガーナー/サム・ジェーガー/マチルダ・ファース
製作:ブラムハウス・プロダクションズ/Cloak & Co.
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
あらすじ
現代のアメリカ・オレゴン州。失踪していた父の死をきっかけに、男は妻と幼い娘を連れて人里離れた実家を訪れる。だが夜、森から現れた何者かに襲撃され、一家は家の中に閉じ込められてしまう。外部との連絡も断たれた状況で、次第に男の体にも異変が現れ始め、家族は極限の恐怖に直面していく。
主な登場人物(キャスト)
ブレイク(クリストファー・アボット):サンフランシスコで暮らす夫であり父親。失踪した父の死を機に故郷の家を訪れるが、襲撃事件を境に原因不明の異変に見舞われ、家族を守ろうとする中で徐々に人間性を揺るがしていく。
シャーロット(ジュリア・ガーナー):ブレイクの妻でジャーナリスト。家計を支える存在として現実的に家族を見つめており、夫の変化に疑念と恐怖を抱きながらも、母として家族を守る決断を迫られる。
グレイディ(サム・ジェーガー):ブレイクの父で元軍人。厳格なサバイバル思想を持ち、息子に過酷な教育を施してきた過去を持つ。長年行方不明だったが、その存在が物語の発端と主人公の内面に影響を与える。
ジンジャー(マチルダ・ファース):ブレイクとシャーロットの幼い娘。無垢な視点で家族の異変を目の当たりにし、極限状況の中で物語の感情的な核を担う。
簡易レビュー・解説
『透明人間』(2020)で評価を得たリー・ワネルが手がけた本作は、ユニバーサルのクラシックモンスター映画『狼男』(1941)を現代的な視点で再構築した作品である。従来の“怪物映画”の枠にとどまらず、家族関係や父性の継承といったテーマを軸に据えている点が特徴だ。
物語は、人里離れた家という限定空間を舞台に進行し、外部からの脅威と内部で進行する変化の双方を描くことで、心理的な緊張感を高めていく構成となっている。とりわけ主人公の変貌は、単なる怪物化ではなく「制御できない衝動」や「遺伝的・環境的な影響」として描かれ、現代的な恐怖へと置き換えられている。
また、ブラムハウス・プロダクションズらしい低〜中規模予算による演出も特徴であり、派手なスペクタクルではなく、音や気配、暗闇を活かした演出によって緊張感を持続させる。結果として本作は、モンスター映画でありながら、家族ドラマと心理スリラーの要素を併せ持つ作品として位置づけられる。
作品トリビア
当初はライアン・ゴズリング主演企画として進行していた
本作は当初、ライアン・ゴズリング主演で企画されていたが、のちにクリストファー・アボットが主演に起用された。
ユニバーサルのクラシックモンスター再構築プロジェクトの一作
本作は『透明人間』に続く形で、クラシックモンスターを現代的に再解釈する流れの中で製作された作品である。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
