『スーパーマン』主演俳優と監督が築いた独自の関係性がGQ誌で語られた。
『スーパーマン』(7月11日(金)日米同時公開)の主演を務めるデヴィッド・コレンスウェットと、同作の監督であるジェームズ・ガンが撮影現場で築いた特別な関係が『GQ』誌の最新カバーストーリーで明らかになった。400人以上の中から選ばれた新たなスーパーマンであるコレンスウェットは、演出中も絶えず指示を飛ばすガンの独特なスタイルに最初から順応し、むしろ歓迎したという。俳優と監督という枠を超えたふたりの信頼関係が、作品そのものにどう反映されていくのか注目が集まる。
現場で築かれた“互いのために作られた”関係
『GQ』誌のインタビューで、コレンスウェットは「多くの面で、ジェームズと僕は互いのために作られたんだと思う」と語っている。ジェームズ・ガン監督の演出スタイルは、通常の現場とは大きく異なる。撮影中もモニター横に座り、いわゆる“ゴッド・マイク”を通じて、演技の最中であっても俳優に直接指示を飛ばすというものだ。
一般的な現場では、演技が終わった後に監督が近づき、静かに助言を与えることが多い。しかしガンはそうではない。このリアルタイムでのやり取りは、一部の俳優には混乱を招くというが、コレンスウェットは違った。
「自分が何を求めているかを知っていて、遠回しな言い方ではなく、それを明確に伝えてくれる監督が必要だった。僕は、ダメならダメだと言ってくれる人を求めていた」と語り、むしろこの演出法に安心感を覚えたという。
一歩踏み込みすぎる質問にも動じない姿勢
コレンスウェットは、監督とのやり取りの中で「押し引き」のバランスを重視していると語る。撮影後、ふたりが過ごしていた際にジェームズ・ガンはこう表現したという。「君はフィルムメーカーであり、映画づくりに深く関わりたいと思っている。作品をより良くするために協力しようとしてくれている」と。
同時に、彼はコレンスウェットを「電気ソケットに指を突っ込む子どものよう」だと形容し、時に“やりすぎ”にストップをかける必要があると語った。「時には手首を叩いてやめさせる必要があるけど、それも含めて君の長所」と、愛情を込めて表現したとされる。
監督の視点から見ても、コレンスウェットの質問の多さは一長一短だ。「時々、彼の質問が本当にすばらしくて、彼自身を良くし、それが映画全体にも良い影響を与えるのがわかる。でも時には本当に“1つ多い”質問があって、『ああ、神様、デヴィッド、ちょっと黙って』と言いたくなる瞬間もあるんだ」と語った。
敏感な俳優が多い中で異彩を放つ存在
ジェームズ・ガンは俳優という職業について、「多くの俳優は非常に敏感だ。スクリーン上で感情をさらけ出しているのだから当然だ」と語っている。だからこそ、監督としても通常は慎重なコミュニケーションを心がけているという。
しかし、デヴィッド・コレンスウェットは例外だった。「彼は自分の限界も、僕の限界も理解している。そして僕が(多すぎる質問に対して)『デヴィッド、黙れ』と言っても、まったく気にしない」と、ガンはその特異性を称賛した。
繊細なやり取りが求められる映画の現場において、遠慮や配慮を超えた率直な言葉の応酬が成立することは稀だ。だが、ふたりの間ではそれが可能だった。それは、俳優と監督という枠を超えた、創作における理想的なパートナーシップのひとつの形かもしれない。



