パトリシア・マズィ監督の日本初公開作『サターン・ボウリング』2025年秋公開-監督来日も決定

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021 NEWS
『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

パトリシア・マズィ監督の日本初公開作『サターン・ボウリング』2025年秋公開-監督来日も決定

現代フランス映画界を代表する監督による衝撃のネオ・ノワール作品が遂に日本上陸。

パトリシア・マズィ監督による最新作『サターン・ボウリング』が、2025年秋にユーロスペースほか全国にて劇場公開されることが決定した。本作は監督にとって日本初の劇場公開作品となる。

ロカルノ国際映画祭2022で金獅子賞にノミネートされ、権威ある映画誌「カイエ・デュ・シネマ」の2022年ベストテン第6位に選出された話題作だ。父親から受け継いだボウリング場を舞台に、正反対の性格を持つ異母兄弟の周囲で発生する連続殺人事件を描いた衝撃のネオ・ノワール作品である。

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

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現代フランス映画界の巨匠による話題作

パトリシア・マズィ監督は1960年生まれで、『走り来る男』(89年)でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出されて以来、フランス映画界で独自の地位を築いてきた。当初はビジネススクールに在学していたが、ザ・ドアーズとの出会いをきっかけに映画の道へ転向。ロサンゼルスでの修行時代を経て、アニエス・ヴァルダ監督作品の編集などを手がけた後、監督デビューを果たした。

2022年にはシネマテーク・フランセーズでレトロスペクティブが開催され、2024年にはイザベル・ユペール主演の『ボルドーに囚われた女』がカンヌ国際映画祭監督週間で高い評価を得るなど、現在も精力的に作品を発表し続けている。

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021

男性の暴力と現代社会の闇を描く衝撃作

『サターン・ボウリング』は、マズィ監督にとって長編第5作目にあたる作品だ。イヴ・トマによる脚本は、男性の悪に焦点を当て、「父の亡霊」という超自然的要素を含みながら、恐怖やトラウマ、ネグレクトが形成する救いようのない不幸のスパイラルを隠喩的に描いている。

撮影は『落下の解剖学』(24年)や『ナイフ・プラス・ハート』(18年)などを手がけたシモン・ボーフィスが担当。陰鬱で美しいカメラワークと俳優陣の凄まじい演技によって、グランジなネオ・ノワールの雰囲気を創出している。マズィ監督はニコラス・レイパク・チャヌク大島渚などの巨匠たちにオマージュを捧げながら、古典的なフィルムノワールの手法を踏襲し、現代的な暴力の問題を炙り出している。

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

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監督来日による特別先行上映イベントも開催

今秋の公開に先駆けて、6月21日(土)と22日(日)にアンスティチュ・フランセ東京で特別上映イベントが開催される。これは「第6回映画批評月間〜フランス映画の現在をめぐって〜」の一環として実施されるもので、パトリシア・マズィ監督自身が来日してトークイベントとマスタークラスを行う。

21日17時30分からは『サターン・ボウリング』の先行上映と上映後トークを開催。翌22日18時30分からは監督によるマスタークラスが予定されている。会場は東京日仏学院エスパス・イマージュで、料金は一般1100円、トーク付上映は1500円となっている。

現代の悲劇を描く監督の強いメッセージ

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021

マズィ監督は本作について、「この映画を監督する上でのチャレンジのひとつが暴力をどう扱うかということでした。観客に見せるべきか?それとも他の多くの映画がそうであるように見せないほうが正しいのか?悩んだ末、見せないという選択肢だと『暴力はどう生まれるのか?』という問題から逃げることになるのでは、と考えました。そして逃げないことにしました。勇気を持たないといけません」とコメントしている。

さらに監督は「この映画で描こうとしたのは現代の悲劇、今日の世界に根ざした『フィルム・ノワール』でした。『サターン・ボウリング』は世界の悪に対する解決策を何も示しませんし、何も解決しません。それどころか暴力や災難、権力、そして男女の関係についてさまざまな疑問を投げかけます」と作品に込めた思いを語っている。

フランス映画界の鬼才による日本初上陸作品

現代フランス映画界を代表するパトリシア・マズィ監督が手がけた『サターン・ボウリング』は、ロカルノ国際映画祭金獅子賞ノミネートと「カイエ・デュ・シネマ」ベストテン入りを果たした実力作である。監督の日本初公開作品として、6月の先行上映イベントでは監督自身が来日し、日本の観客と直接対話する貴重な機会が設けられている。

ボウリング場という日常的な空間を舞台に、現代社会に潜む暴力と男性の悪を真正面から描いた本作は、観客に強烈な問いかけを投げかける。古典的なフィルムノワールの手法を現代的な視点で再構築したマズィ監督の手腕により、単なるエンターテインメントを超えた深い社会性を持つ作品に仕上がっている。2025年秋の全国公開に向けて、注目が集まる。

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo - Les Films du fleuve - 2021

『サターン・ボウリング』© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021

作品情報

<STORY>
アルマン(アシル・レジアニ)は野獣のように街を徘徊し、時々働くクラブ「ル・カルゴ」の外にある他人の車に寝泊まりしていた。ある日、警察官である異母兄弟のギヨーム(アリエ・ワルトアルテ)が父親の死を告げに現れる。彼らの父親はボウリングが趣味の熱心な大物ハンターで、ボウリング場「サターン・ボウリング」をギヨームに残していた。疎遠になっていた弟と和解するため、ギヨームはアルマンにボウリング場を経営するチャンスを与え、父のアパートに引っ越すことを提案する。自分を捨てた父親への憎しみから距離を置いていたアルマンだったが、彼が店を仕切るようになるや否やすぐに問題が発生する。父の狩猟仲間の大所帯にボウリング場に頻繁に出入りするのをやめるよう要求したのだ。一方、猟師たちは、動物愛護活動家のスアン(Y・ラン・ルーカス)にメディアで挑発され、暴力事件になりかけたところをギヨームによって阻止される。偶然に出会ったギヨームとスアンがロマンスを育む最中、地元の墓地から複数の死体が発見され、若い女性を狙った連続殺人が進行中だとわかるが……。

タイトル:サターン・ボウリング
原題:SATURN BOWLING
監督:パトリシア・マズィ
脚本:イヴ・トマ、パトリシア・マズィ
出演:アリエ・ワルトアルテ 、アシル・レジアニ 、Y・ラン・ルーカス 、レイラ・ミューズ
字幕翻訳:橋本裕充
日本公開:2025年秋
2022年|フランス・ベルギー|114分|カラー
© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021
配給:サンリスフィルム
公式サイト:https://senlisfilms.jp/saturnbowling
Instagram:https://www.instagram.com/senlisfilms​​​​​​​​​​​​​​​​

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