映画『百姓、わらう。』(2026)を紹介&解説。
映画『百姓、わらう。』概要
映画『百姓、わらう。』は、柴田昌平監督(『百姓の百の声』)が、全国各地で農業を営む若い百姓たちを4年間にわたり追ったドキュメンタリー。自然や地域社会と向き合いながら、それぞれ独自の方法で農業と暮らしを成立させる人々の営みや哲学を映し出す。森昭暢、平石拓也・あゆみ夫妻、鴫谷幸彦・玉実夫妻、高橋直之・紀子夫妻、岡田和樹・千晶夫妻ら、多くの農家や家族が出演する。
作品情報
| 日本版タイトル | 『百姓、わらう。』 |
|---|---|
| 製作年 | 2026年 |
| 日本公開日 | 2026年9月26日 |
| ジャンル | ドキュメンタリー |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 138分 |
| 監督・編集 | 柴田昌平 |
|---|---|
| 製作 | 大兼久由美/下地盛栄/下地恵美子 |
| 撮影 | 柴田昌平/大兼久由美 |
| 作曲 | Dan Parry/Maico(テーマ曲) |
| 出演 | 森昭暢/平石拓也/あゆみ/鴫谷幸彦/玉実/高橋直之/紀子/村上厚介/岡田和樹/千晶/椎葉クニ子ほか |
| 製作・配給 | プロダクション・エイシア(農と市民をつなぐ会) |
あらすじ
農業人口が減少する日本で、それでも土と向き合い、新しい農の形を模索する若い百姓たち。微生物を活用した農業、規模を縮小して暮らしを取り戻した酪農、棚田を守る家族など、各地の人々は自然や地域とつながりながら独自の答えを探していく。彼らの仕事と生活から、これからの農業と豊かさの意味を問いかける。
主な登場人物(キャスト)
森昭暢:植物と土を育てる菌根菌など、微生物の力を生かした農業に取り組む農家。自然環境を守りながら、所得や休日も確保できる持続可能な農業を実践している。
平石拓也・あゆみ:かつて170頭の牛を抱える大規模酪農に取り組んでいた夫婦。規模拡大から離れ、土・草・牛が循環する「マイペース酪農」へ転換し、仕事と暮らしのバランスを見つめ直している。
鴫谷幸彦・玉実:山間部の棚田で農業を営む家族。地域の共同体や自然環境を守りながら、顔の見える食卓へ農産物を届ける持続可能な経営を実践する。
高橋直之・紀子:農家が減って祭りが失われていく地域で、自ら庭を使った村祭りを始める夫婦。農産物を購入するだけではない、都市の消費者との新しい関係づくりを模索する。
村上厚介:「発酵農園 ジャー村」の名で活動。機械へ過度に依存しない米作りなどを実践し、農業の技術や知恵を次世代へ開いていこうとする。
岡田和樹・千晶:棚田を舞台に、昔から伝わる知恵や暮らしを次世代へつなごうとする家族。所得や効率だけでは測れない農的な暮らしの豊かさを体現する。
作品の魅力解説(公開前時点)
4年間の取材から浮かび上がる「農業」ではなく「百姓」の生き方
本作が見つめるのは、単なる農業技術や食料生産ではない。家族との時間、地域社会との関係、自然との距離、必要な収入などを含め、自分たちがどう生きるかまで考える人々の姿だ。効率や規模拡大だけでは語れない「百姓」という生き方を、複数の家族や地域から立体的に捉えていく。
「稼ぐ」と「自然を守る」は両立できるのか
微生物の力を活用しながら所得と休日を確保する農家や、大規模酪農から離れることで支出と労働時間を減らした夫婦など、それぞれの実践は農業の常識に別の選択肢を提示する。持続可能性を理想論として語るだけでなく、生活や経営を成立させる具体的な試行錯誤が本作の大きな特徴となる。
毎日の食卓と生産現場の距離を縮めるドキュメンタリー
前作『百姓の百の声』に続いて柴田昌平監督が向き合うのは、食べる側と作る側の間にある距離でもある。農家の仕事だけでなく、家族や地域、人とのつながりまで映すことで、普段何気なく口にしている食べ物の向こう側に誰がいて、どのような暮らしがあるのかを考える入口となりそうだ。
