『ふたりで終わらせる』監督バルドーニ、NYタイムズを2.5億ドルの名誉毀損で提訴 - ブレイク・ライヴリー側も連邦地裁に反訴

ブレイク・ライヴリー(左)、ジャスティン・バルドーニ(右) NEWS
ブレイク・ライヴリー(左)、ジャスティン・バルドーニ(右)

家庭内暴力をテーマにした映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』の制作現場で起きた対立が、さらなる法的な展開を見せている。

ジャスティン・バルドーニ監督が、ブレイク・ライヴリーによるセクハラ疑惑を報じた『ニューヨーク・タイムズ』を相手取り、2.5億ドル(約3,750億円/1月2日時点)の損害賠償を求める訴訟を提起。これを受けてライヴリー側も、ウェイフェアラー・スタジオとバルドーニを相手取り、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴に踏み切った。

メッセージのやり取りが物語る真実とは

バルドーニ側の87ページに及ぶ訴状によると、問題とされた撮影現場でのやり取りには、大きな文脈の歪曲があったとされる。たとえば2023年6月2日、ライヴリーは、同作の共演者としてジャスティン・バルドーニとテキストメッセージのやり取りを始めた。その内容では、新しい台本のページが自分に届いていない責任がアシスタントにあると指摘。「彼女(アシスタント)は、それらが新しいものだと気付かなかったの」「新しいページは私にも届くようにしてね」と書き、メッセージの最後に「X」(キスを表す記号)を付けていた。

その後、ライヴリーはすぐにもう一通メッセージを送った。「今、トレーラーの中で搾乳してるから、セリフ合わせしたいならどうぞ」。これに対しバルドーニは「了解。クルーと食事中なので、その後向かいます」と返信。しかし18ヶ月後、ニューヨーク・タイムズ誌の記事では、この場面が「(バルドーニは)ライヴリーが授乳中を含む服を着用していない際に繰り返しメイクアップトレーラーに無断で侵入した」との描写に変わっていたという。

夫妻との緊張関係と広報合戦の実態

訴状ではまた、ライヴリーの夫であるライアン・レイノルズとの関係悪化についても詳述している。ふたりのトライベッカのペントハウスで行われた会議の場で、レイノルズがバルドーニを「妻の体型を批判した」として激しく非難。その場に居合わせたプロデューサーのひとりは「40年のキャリアで、こんな話し方を目にしたことがない」と証言し、ソニー・ピクチャーズの代表者も「あの会議を思い出すたび、レイノルズの言動を止めなかったことを後悔している」と述べたという。

また訴状は、ライヴリー側の広報担当者レスリー・スローンが、映画公開前からバルドーニを「性的加害者」として描く記事を様々なメディアに売り込んでいた可能性を指摘。さらに、バルドーニのバハーイー教信仰に関する誤った情報や、「複数のHR申し立て」という虚偽の情報をページ・シックスに流していたとも主張している。

撮影をめぐる対立の実態

訴状では、ライヴリー側が主張する「30項目の合意事項」の存在自体を否定。これらの要求事項の多くは、カリフォルニア州公民権局への申立ての中で初めて目にしたものだとしている。

バルドーニがライヴリーに見せたとして物議を醸した「裸の動画」については、プロデューサーが出産シーンの演出に関する創造的な議論の一環として共有した「自宅出産の記録映像」であり、ライヴリー側が主張する「ポルノ映像」とは全く性質の異なるものだったと説明している。

また衣装に関する「セクシー」という表現についても、実際にはライヴリー自身がメッセージのやり取りの中で「ビーニー帽の方がよりセクシー(much sexier)だ」という表現を用いており、バルドーニはその意向に敬意を払って対応していたことが語られている。

ニューヨーク・タイムズ誌の広報担当者は「我々の記事は、数千ページに及ぶ原本の文書、メッセージ、メールを精査した上で、慎重に取材されたものである」と反論。一方、バルドーニ側の弁護士ブライアン・フリードマン氏は「同誌は、ハリウッドの『手の付けられない』エリートたちの要求に屈した」と非難している。

なお『ふたりで終わらせる』は、製作費2,500万ドル(約37.5億円/1月2日時点)に対し、全世界興行収入3億5,100万ドル(約5,265億円/1月2日時点)を記録する大きな成功を収めている。しかし、主演俳優と監督の対立により、期待が高まっていた続編の実現は困難な状況となっている。

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