『哭声 コクソン』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『哭声 コクソン』(2016)を紹介&解説。


映画『哭声 コクソン』概要

映画『哭声 コクソン』は、ナ・ホンジン監督(『チェイサー』『哀しき獣』)が、韓国の田舎の村で起きる猟奇的な連続殺人と、得体の知れない“よそ者”をめぐる疑念を描いたサスペンス・スリラー。原因不明の病、噂、祈祷、信仰、家族愛が絡み合い、警官ジョングが娘を救おうとするほど、現実と超常の境界が揺らいでいく。主演はクァク・ドウォン、共演にファン・ジョンミン國村隼チョン・ウヒキム・ファニら。

作品情報

日本版タイトル:『哭声 コクソン』
原題:곡성(哭聲)
英題:The Wailing
製作年:2016年
本国公開日:2016年5月12日
日本公開日:2017年3月11日
ジャンル:スリラー/ホラーサスペンス/ミステリー
製作国:韓国
原作:無
上映時間:156分

監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
製作:イム・ミンソプ/ソ・ドンヒョン/キム・ホソン
撮影:ホン・ギョンピョ
編集:キム・サンミン
美術:イ・ウキョン
衣装:チェ・キョンファ
作曲:チャン・ヨンギュ/タル・パラン
出演:クァク・ドウォン/ファン・ジョンミン國村隼/チョン・ウヒ/キム・ファニ
製作:サイドミラー/フォックス・インターナショナル・プロダクションズ・コリア
配給:20世紀フォックス・コリア(韓国)/クロックワークス(日本)

あらすじ

韓国の平和な田舎の村に、正体不明の“よそ者”が現れる。やがて村では、住人が家族を惨殺する異様な事件が相次ぎ、犯人たちには湿疹でただれた肌、濁った目、言葉を発せない状態という共通点が見られるようになる。事件を担当する警官ジョングは、やがて自分の娘ヒョジンにも同じ症状が現れていることに気づく。娘を救うため、ジョングは“よそ者”への疑いを強め、祈祷師イルグァンの力も借りながら真相に迫ろうとするが、村はさらに混乱の渦へと飲み込まれていく。

主な登場人物(キャスト)

ジョング(クァク・ドウォン):村で起きる猟奇的な事件を担当する警官。どこか頼りなく人間味のある人物だが、娘ヒョジンに異変が起きたことで、父親として必死に真相を追い始める。

イルグァン(ファン・ジョンミン):ジョングの家族が頼ることになる祈祷師。強烈な存在感と儀式によって物語に大きな緊張をもたらし、事件の解釈をさらに複雑にしていく。

山の中の男(國村隼):村に現れた正体不明の日本人。事件の発生と同時期に姿を見せたことから村人たちの疑念を集めるが、その正体や目的は最後まで不穏な謎として描かれる。

ムミョン(チョン・ウヒ):事件現場に現れる謎めいた女性。

ヒョジン(キム・ファニ):ジョングの娘。村で起きる事件の犯人たちと似た症状が現れ、父ジョングを追い詰めていく。

作品の魅力解説

疑念が恐怖を増幅させる構成

本作の大きな魅力は、観客に明確な答えをすぐに与えない語り口にある。よそ者は本当に悪なのか、ムミョンの言葉は信じられるのか、イルグァンの祈祷は救いなのか。登場人物たちの判断が揺れるたびに、観客もまた何を信じればいいのかわからなくなっていく。

ジャンルを横断する不穏さ

本作は、刑事サスペンス、ホラー、オカルト、ミステリー、家族ドラマの要素が入り混じった作品である。前半は村で起きる異常事件を追う犯罪スリラーとして進みながら、次第に祈祷や悪霊、信仰をめぐる超常的な恐怖へと変化していく。

人間の弱さを描くリアリティ

主人公ジョングは、完璧なヒーローではない。恐怖におびえ、噂に流され、怒りや不安に突き動かされながら行動する。その弱さがあるからこそ、娘を救おうとする姿には切実さが生まれ、物語の悲劇性も深まっている。

國村隼の存在感

山の中の男を演じる國村隼は、言葉数の少ない役柄ながら、強烈な不気味さと得体の知れなさを放つ。彼の存在によって、物語は単なる犯人探しにとどまらず、異物への恐怖、信仰、偏見、悪の正体をめぐる複雑な寓話へと広がっていく。

ナ・ホンジン監督らしい緊張感

『チェイサー』『哀しき獣』で知られるナ・ホンジン監督は、本作でも観客を追い詰めるような演出を徹底している。長尺でありながら、湿った空気、山村の閉塞感、祈祷シーンの熱量、暴力の突然性が積み重なり、最後まで抜け出せないような緊張を生み出している。

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