映画『レッド・ドラゴン』(2002)を紹介&解説。
映画『レッド・ドラゴン』概要
映画『レッド・ドラゴン』は、トマス・ハリスの同名小説を原作に、ブレット・ラトナー監督、テッド・タリー脚本で映画化されたサイコスリラー。『羊たちの沈黙』『ハンニバル』で知られるハンニバル・レクターの物語に連なる作品で、時系列上は『羊たちの沈黙』以前の事件を描く。かつてレクターを逮捕した元FBI捜査官ウィル・グレアムが、新たな連続一家殺害事件を追うため、獄中のレクターと再び向き合う。出演はアンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル、エミリー・ワトソンら。
作品情報
日本版タイトル:『レッド・ドラゴン』
原題:Red Dragon
製作年:2002年
本国公開日:2002年10月4日
日本公開日:2003年2月8日
ジャンル:犯罪/サスペンス/スリラー
製作国:アメリカ/ドイツ
原作:トマス・ハリス『レッド・ドラゴン』(小説)
上映時間:125分
前作:『ハンニバル』(2001)
監督:ブレット・ラトナー
脚本:テッド・タリー
製作:ディノ・デ・ラウレンティス/マーサ・デ・ラウレンティス
製作総指揮:アンドリュー・Z・デイビス
撮影:ダンテ・スピノッティ
編集:マーク・ヘルフリッチ
作曲:ダニー・エルフマン
出演:アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ/ハーヴェイ・カイテル/エミリー・ワトソン/メアリー=ルイーズ・パーカー/フィリップ・シーモア・ホフマン
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ/イマジン・エンターテインメント/ディノ・デ・ラウレンティス・カンパニー
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ(アメリカ)/UIP(日本)
あらすじ
元FBI捜査官ウィル・グレアムは、猟奇殺人犯ハンニバル・レクターを逮捕した際に深い傷を負い、引退して家族と静かに暮らしていた。だが、満月の夜に一家が惨殺される連続事件が発生し、元上司ジャック・クロフォードから捜査協力を求められる。犯人の心理に入り込む能力を持つグレアムは、手がかりを得るため、かつて自分を追い詰めた獄中のレクターに面会する。やがて“歯の妖精(トゥース・フェアリー)”と呼ばれる犯人フランシス・ダラハイドの歪んだ内面と、グレアム自身の恐怖が交差していく。
主な登場人物(キャスト)
ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス):高名な精神科医でありながら、猟奇殺人犯として収監されている男。グレアムに捕らえられた過去を持ち、獄中から事件捜査に関わる一方で、彼を心理的に揺さぶる。
ウィル・グレアム(エドワード・ノートン):元FBI捜査官。犯罪者の心理に深く入り込む特殊な捜査能力を持つが、レクター事件で心身に傷を負い引退している。新たな連続殺人事件の解決を依頼され、再び暗い事件の中心へ戻る。
フランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ):“歯の妖精”と呼ばれる連続殺人犯。ウィリアム・ブレイクの絵画「巨大な赤い竜」に強く取り憑かれ、自身の変身願望と暴力衝動に苦しんでいる。
ジャック・クロフォード(ハーヴェイ・カイテル):FBI捜査官。かつての部下であるグレアムの能力を信じ、連続一家殺害事件の捜査に引き戻す。
リーバ・マクレーン(エミリー・ワトソン):ダラハイドの同僚で、視覚障がいのある女性。彼の中に残る人間性に触れる存在であり、物語に危うい優しさと緊張をもたらす。
モリー・グレアム(メアリー=ルイーズ・パーカー):ウィルの妻。夫の過去の傷と危険な捜査復帰を案じながら、家族として彼を支える。
フレディ・ラウンズ(フィリップ・シーモア・ホフマン):タブロイド紙の記者。事件の話題性を追う人物で、捜査と犯人をめぐる危険な駆け引きに巻き込まれる。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、『羊たちの沈黙』以前の時間軸で、レクターと彼を捕らえたグレアムの因縁を描く点にある。レクターを中心にした恐怖だけでなく、捜査官が犯人の心理に近づくほど自分自身も削られていくサスペンスが物語を支えている。
また、レイフ・ファインズ演じるダラハイドは単なる怪物ではなく、孤独や自己嫌悪を抱えた人物として描かれる。リーバとの関係が悲劇性を強め、作品全体に心理ドラマとしての奥行きを与えている。豪華キャストによる緊張感ある演技と、トマス・ハリス原作らしい陰鬱な空気を味わえる一作である。
