『THE FIRST SLAM DUNK』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

映画『THE FIRST SLAM DUNK』(2022)を紹介&解説。


映画『THE FIRST SLAM DUNK』概要

映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、井上雄彦の人気バスケットボール漫画『SLAM DUNK』を原作に、湘北高校と絶対王者・山王工業高校のインターハイでの一戦を、宮城リョータを中心とする新たな視点から描いたスポーツアニメーション映画。原作者の井上雄彦自身が監督・脚本を務め、原作漫画では深く描かれなかったリョータの家族や過去を織り交ぜながら、湘北メンバーたちの激闘を映像化する。声の出演は仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太ら。

作品情報

日本版タイトル 『THE FIRST SLAM DUNK』
製作年 2022年
日本公開日 2022年12月3日
ジャンル スポーツ/アニメーション/青春
製作国 日本
原作 井上雄彦『SLAM DUNK』(漫画)
上映時間 124分
監督・脚本 井上雄彦
製作 松井俊之
撮影 中村俊介
編集 瀧田隆一
作曲 武部聡志/TAKUMA(10-FEET)
出演 仲村宗悟/笠間淳/神尾晋一郎/木村昴/三宅健太
製作 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners/東映アニメーション/ダンデライオンアニメーションスタジオ
配給 東映(日本)

あらすじ

沖縄で生まれ育った宮城リョータは、地元で有名なバスケットボール選手だった3歳年上の兄・ソータの背中を追い、バスケにのめり込んでいった。やがて神奈川へ移り、湘北高校バスケ部のポイントガードとなったリョータは、桜木花道、流川楓、赤木剛憲、三井寿らとともにインターハイへ出場する。そして湘北の前に立ちはだかったのは、絶対王者と呼ばれる強豪・山王工業高校。リョータが抱えてきた過去や家族への思いとともに、湘北の大一番が幕を開ける。

主な登場人物(キャスト)

宮城リョータ(仲村宗悟):湘北高校バスケ部の2年生で、チームのポイントガード。小柄ながら電光石火のスピードと頭脳的なプレーを武器とする。本作では物語の中心人物となり、亡き兄・ソータや家族との過去が新たな角度から描かれる。

三井寿(笠間淳):湘北高校バスケ部の3年生。高いシュート能力を持つシューターで、特に3ポイントシュートを武器とする。紆余曲折を経てバスケ部へ戻り、山王戦でもチームの重要な戦力となる。

流川楓(神尾晋一郎):湘北高校バスケ部の1年生。高い得点能力と卓越した個人技を持つプレーヤー。寡黙でマイペースながら、全国レベルの強敵を相手にさらなる成長を見せていく。

桜木花道(木村昴):湘北高校バスケ部の1年生。バスケ歴こそ浅いものの、抜群の身体能力とリバウンド力を持つ。破天荒な言動とは裏腹に、試合を重ねる中でチームに欠かせない存在へと成長していく。

赤木剛憲(三宅健太):湘北高校バスケ部の3年生で主将を務めるセンター。全国制覇を目標に長年努力を続けてきたチームの精神的支柱で、山王工業との一戦に大きな覚悟を持って臨む。

沢北栄治(武内駿輔):山王工業高校バスケ部の2年生で、全国屈指の実力を誇るエースプレーヤー。卓越したスピードとテクニック、高い得点能力を備え、湘北の前に立ちはだかる最大級の強敵となる。

安西光義(宝亀克寿):湘北高校バスケ部の監督。穏やかな人柄から選手たちに慕われながら、豊富な経験と冷静な判断力でチームを導く。

作品の魅力解説・レビュー

原作者・井上雄彦自身が監督&脚本を担当

『THE FIRST SLAM DUNK』最大の特徴のひとつが、『SLAM DUNK』の原作者・井上雄彦自身が監督と脚本を務めていること。人気漫画の劇場版では、映画独自のキャラクターやストーリーを外部スタッフが追加するケースも珍しくないが、本作で新たに描かれる宮城リョータの過去や家族とのドラマも、原作者自身が構築した物語となっている。

原作ファンにとっては、知っている山王戦を単にアニメーションで再現した作品ではない。原作では知る機会の少なかった人物の内面や人生が加わることで、長年親しんできた物語を別の角度から見直せる作品になっている。

伝説の山王戦を“試合そのもの”として体感する映像

物語の大きな軸となるのは、原作でも屈指の名勝負として知られる湘北対山王工業戦。映画ではモーションキャプチャーをベースにした3DCGなどを駆使し、選手の重心移動、ポジショニング、シュートフォーム、ユニフォームの動きまで作り込むことで、バスケットボールの試合を観戦しているような身体感覚を生み出している。

漫画だから成立していた静止画の迫力をそのまま動かすのではなく、現実のバスケットボールらしい動きを取り込みながら、キャラクターごとの個性や井上雄彦の絵のニュアンスを重ねているのも特徴。試合が進むにつれて観客までコート上の緊張へ巻き込まれていく。

映像以上に強烈な“音”の迫力

本作を劇場作品として際立たせるのが音響の力。シューズがフロアを擦る音、ボールが床を叩く音、リングやネットの音、選手の呼吸、観客の声などが重なり、試合会場の空気そのものを作り出していく。

さらにThe Birthdayによるオープニング主題歌「LOVE ROCKETS」、10-FEETによるエンディング主題歌「第ゼロ感」も、本作の熱量を押し上げる重要な要素。映像だけではなく音まで含めて山王戦を“浴びる”映画になっている。

原作ファンには最高のご褒美。一方で未読者への説明はかなり少ない

一方、本作は登場人物の過去や湘北がここまで勝ち上がってきた経緯を一から説明する映画ではない。原作を知らない観客にとっては、物語がいきなり全国大会の大一番へ入っていくため、キャラクター同士の関係や、それぞれがこの試合に懸けている意味を完全には把握しづらい部分もある。

しかし原作ファンの立場から見ると、その説明を最小限にしたことこそがテンポの良さにもつながっている。よく知るキャラクターたちの新しい一面と、最高峰の試合を現代の映像・音響技術で見せてもらえる、長年作品を愛してきたファンへの“ご褒美”のような映画でもある。

新しい声で生まれ変わった湘北メンバー

主要キャラクターのボイスキャストは過去のテレビアニメシリーズから刷新。旧アニメ版の声に慣れている観客にとっては、最初こそギャップへの適応が必要になるかもしれない。

それでも映画独自の映像表現や人物像と新しい声が結びついていくにつれ、本作ならではの湘北チームが形作られていく。過去のアニメ版を再現するのではなく、井上雄彦が改めて映画として作り上げた「新しい『SLAM DUNK』」として成立している点も、本作の大きな魅力だ。

映画データベースTOPへ

cula をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む