映画『スクリーム2』(1997)を紹介&解説。
映画『スクリーム2』概要
映画『スクリーム2』は、ウェス・クレイヴン監督と脚本家ケヴィン・ウィリアムソンが再びタッグを組んだ、『スクリーム』(1996)の続編となるホラー/ミステリー。前作のウッズボロー連続殺人から2年後、大学へ進学したシドニーの周囲で再びゴーストフェイスによる殺人事件が発生する。主演はネーヴ・キャンベル、共演にデヴィッド・アークエット、コートニー・コックス、ジェイミー・ケネディ、サラ・ミシェル・ゲラー、ティモシー・オリファントら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『スクリーム2』 |
|---|---|
| 原題 | Scream 2 |
| 製作年 | 1997年 |
| 本国公開日 | 1997年12月12日 |
| 日本公開日 | 1998年8月15日 |
| ジャンル | ホラー/スリラー/ミステリー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 120分 |
| 監督 | ウェス・クレイヴン |
|---|---|
| 脚本 | ケヴィン・ウィリアムソン |
| 製作 | キャシー・コンラッド/マリアンヌ・マッダレーナ |
| 製作総指揮 | ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン/ケヴィン・ウィリアムソン |
| 撮影 | ピーター・デミング |
| 編集 | パトリック・ルシエ |
| 作曲 | マルコ・ベルトラミ |
| 出演 | ネーヴ・キャンベル/デヴィッド・アークエット/コートニー・コックス/ジェイミー・ケネディ/サラ・ミシェル・ゲラー/ローリー・メトカーフ/エリゼ・ニール/ジェリー・オコンネル/ティモシー・オリファント/ジェイダ・ピンケット/リーヴ・シュレイバー/オマー・エップス |
| 製作 | コンラッド・ピクチャーズ/クレイヴン=マッダレーナ・フィルムズ |
| 配給 | ディメンション・フィルムズ(米国)/アスミック・エース(日本) |
あらすじ
ウッズボロー連続殺人から2年。生存者のシドニー・プレスコットは大学へ進学し、新しい仲間たちと日常を取り戻そうとしていた。一方、かつての事件は映画『スタブ』として映画化され、その試写会で若いカップルがゴーストフェイスに殺害される。
再び始まった連続殺人。ゲイルやデューイ、ランディら前作の生存者たちも集まる中、シドニーは新しい友人や恋人まで疑わなければならない状況へ追い込まれていく。
主な登場人物(キャスト)
シドニー・プレスコット(ネーヴ・キャンベル):前作のウッズボロー連続殺人を生き延びた主人公。現在はウィンザー大学に通い、過去のトラウマを抱えながら新しい生活を送っているが、再びゴーストフェイスの標的となる。
デレク・フェルドマン(ジェリー・オコンネル):シドニーの新しい恋人。彼女を大切にし、再び殺人事件に巻き込まれたシドニーを支えようとする。
ハリー・マクダニエル(エリゼ・ニール):シドニーの大学での親友兼ルームメイト。過去の事件とは無関係の場所でシドニーが築いた新しい人間関係を象徴する存在。
ゲイル・ウェザーズ(コートニー・コックス):前作の事件を取材し、その顛末を書籍化したテレビ記者。著書は劇中映画『スタブ』の原作となり、新たな殺人事件が起きると再び現場へ駆けつける。
デューイ・ライリー(デヴィッド・アークエット):前作の事件を生き延びた警官で、亡くなったタトゥムの兄。前作で負った傷の後遺症を抱えながら、シドニーを守るため大学へやって来る。
ランディ・ミークス(ジェイミー・ケネディ):シドニーとともに前作を生き延びた映画オタク。現在は同じ大学に通い、“続編映画のルール”を分析しながら犯人捜しにも加わる。
コットン・ウェアリー(リーヴ・シュレイバー):シドニーの母モーリーン殺害の犯人として誤って収監されていた男性。無実が証明された後は、冤罪事件をきっかけに得た知名度をテレビ出演などへつなげようとしている。
シーシー・クーパー(サラ・ミシェル・ゲラー):ウィンザー大学の学生で、ランディやミッキーと映画について議論する映画理論の授業に参加している。ソロリティにも所属する。
デビー・ソルト(ローリー・メトカーフ):ウィンザー大学で起きた連続殺人事件を追う記者。現場でゲイルに積極的に接触し、情報を得ようとする。
ミッキー・アルティエリ(ティモシー・オリファント):シドニーやデレクの大学仲間で、映画好きの学生。映画理論の授業ではランディと“続編映画”について議論する。
フィル・スティーヴンス(オマー・エップス):恋人モーリーンとともに劇中映画『スタブ』の試写会を訪れる青年。新たなゴーストフェイス事件に巻き込まれる。
モーリーン・エヴァンス(ジェイダ・ピンケット):フィルの恋人。ホラー映画には批判的だが、フィルとともに『スタブ』の試写会を訪れ、本作冒頭の惨劇に巻き込まれる。
作品の魅力解説・レビュー
映画館そのものを恐怖の舞台にした強烈なオープニング
前作が冒頭から強烈な殺人劇で観客を引き込んだように、『スクリーム2』も開始早々から緊張感抜群。今回は、前作のウッズボロー事件を映画化した劇中映画『スタブ』の上映会が惨劇の舞台となる。
ゴーストフェイスの仮装をした観客で埋め尽くされた映画館では、本物の殺人鬼が紛れ込んでも誰にも分からない。スクリーン上の殺人と現実の殺人まで重なり合う構成によって、シリーズらしい“映画についての映画”というメタ性を、冒頭から鮮烈に打ち出している。
惨劇を生き延びても終わらない、被害者たちの苦痛
印象的なのは、前作の事件がわずか2年で書籍化され、さらに『スタブ』として映画化されていること。
シドニーたちにとっては人生を壊した惨劇でも、世間にとっては刺激的なニュースや娯楽作品として消費されていく。ゲイルの取材姿勢に対する反発も含め、事件後も報道や世間の好奇心によって被害者へ新たなストレスが加わっていく構図には、現実の事件報道にも通じる嫌な生々しさがある。
単に「また殺人鬼が現れた」という続編ではなく、前作を生き延びたことで生じた“その後”まで物語に組み込んでいる点が面白い。
“続編”そのものをネタにしたメタ構造と犯人探し
今回もシリーズ最大の持ち味である「犯人は誰なのか」というミステリーがしっかり機能する。
さらにランディたちは、「続編では犠牲者が増える」「殺人がより派手になる」といった映画のセオリーを劇中で語る。『スクリーム2』という続編を観ている観客に向かって、登場人物自身が“続編映画とは何か”を論じているような構造だ。
映画好きなら反応したくなる作品名や映画論もセリフの中へ次々盛り込まれ、ホラー映画への愛と皮肉を同時に感じさせる。このメタなユーモアと本格的な殺人鬼探しを無理なく共存させているのは、前作から変わらないシリーズの大きな強み。
前作を引き継ぎながら世界を広げた理想的な続編
前作の生存者を再登場させるだけではなく、事件の映画化、新しい大学生活、新キャラクター、被害者たちのその後といった要素を加え、物語の規模を自然に広げている。
個人的には、犯人の動機には前作ほどの強さを感じず、終盤の展開にも多少強引に感じる部分はある。
それでも、前作で成立したキャラクターや世界観、メタな作風を壊さず、その先に起こり得る物語としてしっかり膨らませている。シリーズ2作目としてはかなり理想的な“引き継ぎ&スケールアップ”を果たした良作だと思う。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
簡易ストーリー解説(ネタバレ)
起:『スタブ』上映中に新たな惨劇
ウッズボロー事件から2年後、大学生活を送るシドニーは、恋人デレクや親友ハリーと穏やかに暮らしていた。
しかし、かつての事件を映画化した『スタブ』の上映中、観客のフィルとモーリーンがゴーストフェイスに襲われる。フィルはトイレ越しに刺殺され、モーリーンも満員の劇場で何度も刺された末、スクリーン前で死亡する。
事件を追ってゲイルが大学へ現れ、デューイもシドニーを守るために戻ってくる。前作以来ぎくしゃくしていたゲイルとデューイも再会し、再びゴーストフェイスとの戦いが始まる。
承①:シドニーの周囲で再び犠牲者が続出
シドニーの同級生シーシーがゴーストフェイスに襲われ、ベランダから投げ落とされて死亡する。
さらに、前作を生き延びたランディも標的に。ゲイルやデューイと犯人について話している最中、電話でゴーストフェイスを挑発したランディは報道車へ引きずり込まれ、何度も刺されて死亡する。
身近な人物が次々に殺される中、シドニーは再び「誰も信用できない」という疑心暗鬼に陥り、恋人デレクに対してさえ疑いを抱き始める。
承②:仲間たちが次々と引き離される
シドニーとハリーは警護付きで安全な場所へ移送されるが、ゴーストフェイスが警官を殺害。二人は犯人が意識を失っている隙に車から脱出するものの、正体を確かめようと戻ったハリーが刺殺される。
一方、ゲイルとデューイも犯人を追って校内を捜索。二人は防音室を挟んで引き離され、ゲイルの目の前でデューイが何度も刺される。ゲイルにはその悲鳴さえ聞こえず、デューイも死亡したかのように見える。
転:犯人ミッキーと黒幕デビーの正体
シドニーは劇場へ誘い込まれ、そこで縛られたデレクを発見する。
ゴーストフェイスの一人として正体を現したのは同級生のミッキーだった。彼はシドニーの疑心暗鬼につけ込み、「デレクも共犯かもしれない」と揺さぶった末、デレクを射殺する。
さらに黒幕として姿を現したのが、前作の犯人ビリー・ルーミスの母デビー。記者「デビー・ソルト」を名乗ってゲイルたちに接近していた彼女は、息子を死なせたシドニーへの復讐を企てていた。
しかしデビーは共犯者ミッキーまで口封じのために銃撃。犯人同士の裏切りによって事態はさらに混乱する。
結:シドニーの反撃とデューイの生還
シドニーとゲイルは協力してデビーに反撃し、最終的に彼女を倒す。さらに死んだと思われたミッキーも起き上がるが、二人に撃たれて死亡する。
そして事件後、刺されて死亡したと思われていたデューイが生存していたことが判明。ゲイルは取材よりも彼を優先し、担架で運ばれるデューイを追いかける。
一方のシドニーは、集まった報道陣の注目を自分ではなく生存者コットンへ向けさせ、静かにその場を去る。
身近な人間を何人も失いながらも、シドニーは再びゴーストフェイスとの戦いを生き延びるのだった。
