『ナニー』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・トリビアまとめ

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『ナニー』より © 2022 Mouth of a Shark, LLC.

映画『ナニー』(2022)を紹介&解説。


映画『ナニー』概要

映画『ナニー』は、2022年サンダンス映画祭で審査員大賞を受賞したニキヤトゥ・ジュス監督による、移民女性の不安と喪失を幻想的な恐怖で映す心理ホラー。ニューヨークで働くセネガル出身の女性が、離れて暮らす息子を呼び寄せようとするなか、現実と悪夢の境界が揺らいでいく。主演はアナ・ディオプ、共演にミシェル・モナハンシンクア・ウォールズら。

作品情報

日本版タイトル:『ナニー』
原題:Nanny
製作年:2022年
日本公開日:2022年12月16日(Prime Videoにて配信)
ジャンル:サイコホラードラマ
製作国:アメリカ
原作:無
上映時間:98分

監督:ニキヤトゥ・ジュス
脚本:ニキヤトゥ・ジュス
製作:ニッキア・モルテリー/ダニエラ・タプリン・ルンドバーグ
製作総指揮:ジェイソン・ブラムほか
撮影:リナ・ヤン
編集:ロバート・ミード
作曲:バルテク・グリニャク/タネレル
出演:アナ・ディオプ/ミシェル・モナハン/シンクア・ウォールズ/モーガン・スペクター/ローズ・デッカー/レスリー・アガムズ
製作:ステイ・ゴールド・フィーチャーズ/マウス・オブ・ア・シャーク/トピック・スタジオズ/リンレイ・プロダクションズ/ブラムハウス・テレビジョン
配給:Amazonスタジオ

あらすじ

現代のニューヨーク。セネガル出身の女性アイシャは、裕福な家庭で子守として働きながら、故郷に残した息子を呼び寄せる日を待ち望む。だが仕事や生活の不安に加え、不可解な幻覚や悪夢に次第に悩まされていく。現実と幻想の境界が揺らぐなか、彼女は過去と向き合う選択を迫られていく。

主な登場人物(キャスト)

アイシャ(アナ・ディオプ):セネガル出身の移民女性。ニューヨークでナニーとして働きながら、故郷に残した息子を呼び寄せることを目指す。現実の不安とともに、次第に幻覚や悪夢に悩まされていく本作の主人公。

エイミー(ミシェル・モナハン):アイシャを雇う裕福な家庭の母親。仕事に忙しく子どもの世話を任せきりにしており、無意識の偏見や距離感がアイシャとの間に緊張を生む。

アダム(モーガン・スペクター):エイミーの夫でフォトジャーナリスト。海外を飛び回る仕事で家庭を空けがちだが、表面的な親しみやすさの裏に雇用主としての立場がにじむ人物。

マリク(シンカ・ウォールズ):アイシャの住むアパートのドアマン。移民としての孤独を共有できる数少ない理解者であり、彼女の心の支えとなる存在。

ローズ(ローズ・デッカー):アイシャが世話をする幼い少女。両親が不在がちな環境の中で、アイシャと強い信頼関係を築いていく。

簡易レビュー・解説

『ナニー』は、ニューヨークで働くセネガル出身の移民女性アイシャの視点から、労働、階級、人種、母であることの痛みを、心理ホラーの形式で映し出した作品である。単なる怪奇演出ではなく、故郷に残した息子への思いと不安定な生活が恐怖表現と結びついていくのが特徴だ。

監督・脚本を手がけたニキヤトゥ・ジュスは、本作で移民女性の孤立や母性の切実さを、幻覚や悪夢、そして西アフリカ由来の神話的イメージを交えながら描いた。サンダンス映画祭では審査員大賞(米ドラマ部門)を受賞しており、その独自性の強さもうかがえる。

とりわけ印象的なのは、社会派ドラマとしての現実感と、じわじわと精神を圧迫するホラー表現が地続きになっている点である。裕福な家庭に雇われたナニーという立場を通じて、見えにくい権力差や無意識の偏見が浮かび上がり、観客はアイシャの不安を内側から追体験することになる。

派手な恐怖を前面に出す作品ではないが、移民の現実と喪失感を静かに侵食するような演出に特徴があり、ホラーでありながら深いドラマ性を備えた1本といえる。

作品トリビア

サンダンス映画祭で“ホラー映画として初”の快挙を達成した

本作は2022年のサンダンス映画祭で審査員大賞(米ドラマ部門)を受賞した。当時の報道では同賞を獲得した初のホラー作品として紹介されている。

ニキヤトゥ・ジュスにとって長編監督デビュー作だった

本作はジュスの長編初監督作。インディペンデント映画としてはかなり注目度が高く、デビュー作でサンダンス最高賞級の評価を得た点は大きな話題になった。

脚本は映画化前から注目され、2020年の“Black List”入りしていた

制作前の脚本は、ハリウッドで未映画化の注目脚本を選ぶ2020年の“Black List”に入っていた。つまり本作は、完成前から業界内で“有望脚本”として知られていた作品でもある。

作品世界の民話モチーフは、主演アナ・ディオプのルーツに合わせて強められた

ジュスは取材で、アフリカの民話を取り入れることは最初から決めており、主演に誰が決まるかによって文化的な細部を寄せるつもりだったと説明している。アナ・ディオプがセネガル系アメリカ人だったため、作品はよりセネガルに軸足を置く形になったという。

撮影では空間ごとにレンズのルールを変えていた

撮影監督リナ・ヤンは、雇い主エイミーの世界とアイシャ自身の世界で撮影ルックを分けていた。『American Cinematographer』によると、エイミー側はPanavision Ultra Panatarのアナモフィック、アイシャ側はPanavision H-seriesの球面レンズを使い分け、階級差や心理の違いを視覚的にも表現していた。

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