映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)を紹介&解説。
映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』概要
映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』は、ガイ・リッチー監督が長編映画デビューを飾った英国発のクライム・コメディ。ロンドンのイーストエンドを舞台に、カード賭博で巨額の借金を背負った4人組が、返済のために危険な犯罪計画へ巻き込まれていく。入り組んだ群像劇、乾いたユーモア、スピーディな編集、音楽の使い方が特徴で、後のガイ・リッチー作品にもつながる作風を決定づけた一作。出演はジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ニック・モラン、ジェイソン・ステイサム、ヴィニー・ジョーンズ、スティングら。
作品情報
日本版タイトル:『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』
原題:Lock, Stock and Two Smoking Barrels
製作年:1998年
本国公開日:1998年8月28日
日本公開日:1999年8月7日
ジャンル:クライム/コメディ/アクション
製作国:イギリス
原作:無
上映時間:108分
監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
製作:マシュー・ヴォーン
製作総指揮:スティーヴ・ティッシュ/ピーター・モートン/アンガッド・ポール/スティーヴン・マークス/トゥルーディ・スタイラー
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
美術:イアイン・アンドリュース/イヴ・マヴラキス
衣装:ステファニー・コーリー
編集:ニーブン・ハウィー
音楽:デヴィッド・A・ヒューズ/ジョン・マーフィ
出演:ジェイソン・フレミング/デクスター・フレッチャー/ニック・モラン/ジェイソン・ステイサム/スティーヴン・マッキントッシュ/ヴィニー・ジョーンズ/スティング
製作:SKAフィルムズ/スティーヴ・ティッシュ・カンパニー/ハンドメイド・フィルムズ/サミット・エンターテインメント
配給:ポリグラム・フィルムド・エンタテインメント(イギリス)/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(日本)
あらすじ
ロンドンのイーストエンド。エディ、トム、ベーコン、ソープの4人組は、貯めた資金を元手に、裏社会の大物“ハチェット”ハリーが仕切る高額カード賭博に挑む。しかし勝負は仕組まれており、4人は50万ポンドもの借金を背負わされてしまう。返済期限はわずか1週間。追い詰められた彼らは、隣人の犯罪計画を盗み聞きしたことをきっかけに、金とドラッグを横取りする危険な作戦へ乗り出す。だが、2丁の骨董品の散弾銃、複数のギャング、麻薬取引、借金取りたちの思惑が絡み合い、事態は予測不能な混乱へと転がっていく。
主な登場人物(キャスト)
トム(ジェイソン・フレミング):エディの仲間のひとり。4人組の一員としてカード賭博の資金を出し合い、借金返済のための危険な計画に加わる。裏社会の空気に慣れた軽妙さを持ちながら、物語終盤では2丁の散弾銃をめぐる重要な役割を担う。
ソープ(デクスター・フレッチャー):エディ、トム、ベーコンと行動を共にする仲間。仲間内では比較的常識的な立場に見えるが、50万ポンドの借金をきっかけに、犯罪者たちが入り乱れる混乱へ巻き込まれていく。
エディ(ニック・モラン):カードの腕に自信を持つ若者。仲間たちの資金を集めて“ハチェット”ハリーとの高額賭博に挑むが、八百長によって巨額の借金を背負うことになる。物語の発端を作る中心人物。
ベーコン(ジェイソン・ステイサム):エディの仲間で、トムやソープとともに借金返済のための計画に加わる。ジェイソン・ステイサムにとって本作は映画デビュー作であり、後のアクションスターとしてのキャリアにつながる出発点となった。
ウィンストン(スティーヴン・マッキントッシュ):ドラッグを扱うグループ側の人物。エディたちの隣人が狙う標的に関わっており、複数の犯罪計画が交錯する中で、事態をさらに複雑にしていく。
ビッグ・クリス(ヴィニー・ジョーンズ):“ハチェット”ハリーに雇われている借金取り。息子のリトル・クリスを連れて行動し、冷徹な威圧感を放つ人物。暴力的な世界の中に独自の規律を持ち、物語後半の展開を大きく動かす。
JD(スティング):エディの父親で、酒場を営む人物。ハリーはエディの借金を口実に、JDの店を奪おうとする。物語の背景にある“失えば戻らないもの”を象徴する存在でもある。
“ハチェット”ハリー(P・H・モリアーティ):ロンドンの裏社会で力を持つ犯罪者。カード賭博を仕組み、エディたちに50万ポンドの借金を負わせる。さらに2丁の貴重な散弾銃にも執着しており、複数の騒動を引き寄せる黒幕的存在。
作品の魅力解説
本作の魅力は、何よりも複数の犯罪計画が偶然と勘違いによって連鎖していく構成の面白さにある。エディたち4人組の借金返済計画、隣人の強盗計画、ハリーが追う2丁の散弾銃、ビッグ・クリスの取り立てがひとつの物語の中で絡み合い、終盤に向けて一気に収束していく。
また、ガイ・リッチーらしいテンポの速い会話、荒々しいロンドンの空気、ユーモアと暴力のバランスも大きな見どころである。登場人物は決して善人ばかりではないが、それぞれに癖があり、誰が何を勘違いしているのかを追うだけでも楽しめる。ジェイソン・ステイサムやヴィニー・ジョーンズの映画キャリアの出発点としても重要な一作で、1990年代後半の英国クライム映画を語るうえで外せない作品だ。
