映画『スマッシング・マシーン』(2025)を紹介&解説。
映画『スマッシング・マシーン』概要
映画『スマッシング・マシーン』は、総合格闘家マーク・ケアーの実話を基に、栄光と敗北、依存、愛する人との関係を描く伝記スポーツドラマ。1997年から2000年にかけて、UFCや日本の格闘技イベント「PRIDE」で活躍したケアーの知られざる軌跡をたどる。主演はドウェイン・ジョンソン、共演にエミリー・ブラント、ライアン・ベイダー、バス・ルッテン、オレクサンドル・ウシクら。監督・脚本は『アンカット・ダイヤモンド』などで知られるベニー・サフディで、本作が長編単独初監督作となる。
作品情報
日本版タイトル:『スマッシング・マシーン』
原題:The Smashing Machine
製作年:2025年
本国公開日:2025年10月3日
日本公開日:2026年5月15日
ジャンル:伝記/ドラマ/スポーツ
製作国:アメリカ
原作:2002年HBO製作の同名ドキュメンタリーおよびマーク・ケアーの実話に基づく
上映時間:123分
監督:ベニー・サフディ
脚本:ベニー・サフディ
製作:ベニー・サフディ/ドウェイン・ジョンソン/イーライ・ブッシュ/ハイラム・ガルシア/ダニー・ガルシア/デビッド・カプラン
製作総指揮:トレイシー・ランドン
撮影:マセオ・ビショップ
編集:ベニー・サフディ
音楽:ナラ・シネフロ
美術:ジェームズ・チンランド
衣装:ハイディ・ビヴェンズ
特殊メイクデザイン:カズ・ヒロ
出演:ドウェイン・ジョンソン/エミリー・ブラント/ライアン・ベイダー/バス・ルッテン/オレクサンドル・ウシク/大沢たかお/石井慧/光浦靖子/布袋寅泰
製作:A24/アウト・フォー・ザ・カウント/セブン・バックス・プロダクションズ/マグネティック・フィールズ・エンターテインメント
配給:A24(米国)/ハピネットファントム・スタジオ(日本)
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あらすじ
1997年、総合格闘技デビューを果たしたマーク・ケアーは、無敗のまま頂点へと駆け上がる。UFCでの連覇を経て、日本のPRIDEでも快進撃を見せた彼は、“霊長類ヒト科最強の男”と呼ばれる存在となる。しかし、勝利を重ねるほどに重圧は心をむしばみ、恋人ドーンとの関係も次第に悪化していく。鎮痛剤への依存を深め、初めての敗北を経験したケアーは、自らの弱さと向き合い、人生を立て直すためにもう一度リングへ向かう。
主な登場人物(キャスト)
マーク・ケアー(ドウェイン・ジョンソン):UFCとPRIDEで活躍した実在の総合格闘家。圧倒的な強さで頂点へ上り詰める一方、勝利への重圧、身体の痛み、鎮痛剤への依存に苦しみ、自らの弱さと向き合っていく。
ドーン・ステイプルズ(エミリー・ブラント):マーク・ケアーの恋人。ケアーを支える存在でありながら、彼の心身の不安定さや依存、競技生活の過酷さによって、関係に深い亀裂が生まれていく。
マーク・コールマン(ライアン・ベイダー):ケアーと同時代に活躍した総合格闘家。ケアーの競技人生と深く関わる人物として登場し、格闘技界の激しさや当時の熱気を体現する。
バス・ルッテン(バス・ルッテン):実在の総合格闘家で、本人役として出演。格闘技界を知る人物として、作品にリアリティを与える存在となる。
イゴール・ボブチャンチン(オレクサンドル・ウシク):ケアーの前に立ちはだかる強敵。リング上での対峙を通じて、ケアーが直面する敗北と再生の物語を浮かび上がらせる。
榊原信行(大沢たかお):日本の格闘技イベント「PRIDE」に関わる人物。ケアーが日本で注目を集めていく時代背景を支える役どころ。
エンセン井上(石井慧):日本の格闘技界に関わる人物として登場。PRIDEをめぐる物語の中で、当時の総合格闘技シーンを構成する存在となる。
布袋寅泰(布袋寅泰):本人役として出演。日本のPRIDE文化や当時の熱狂を象徴する要素のひとつとして作品に登場する。
作品の魅力解説(日本公開前時点)
本作の大きな見どころは、ドウェイン・ジョンソンがこれまでのスターイメージを抑え、傷つきやすさを抱えた実在の格闘家を演じている点にある。肉体的な強さだけでなく、敗北、依存、孤独といった内面に焦点を当てることで、“強い男”の裏側にある脆さを描く作品となっている。
また、ベニー・サフディが長編単独初監督作として手がけている点も注目される。『アンカット・ダイヤモンド』などで見せてきた緊張感ある人間描写が、格闘技の世界と結びつき、単なるスポーツ映画ではない濃密なドラマを生み出している。
日本のPRIDEが物語の重要な舞台となるため、日本の観客にとっては当時の格闘技ブームや“最強”という言葉に熱狂した時代を振り返る作品にもなりそうだ。第82回ヴェネチア国際映画祭でベニー・サフディが銀獅子賞(監督賞)を受賞しており、公開前から映画賞面でも注目を集めている。
