DC新作映画『クレイフェイス(原題)』の予告編が公開され、バットマンの宿敵を異色のボディホラーとして描く内容が明らかになった。
DCスタジオが、10月23日に米公開予定の映画『クレイフェイス(原題)』(Clayface)の予告編を公開した。ジェームズ・ワトキンスが監督を務める本作は、バットマンの宿敵として知られるクレイフェイスを主人公に据えた作品で、DC作品の中でも異色のボディホラーとして注目を集めそうだ。予告編では、落ち目の俳優マット・ヘイゲンが顔に深い傷を負ったことをきっかけに、やがて粘土のように肉体を変容させていく過程が不穏なタッチで映し出されている。
映画予告編が映し出す異様な変身-“クレイフェイス”の恐怖がむき出しに
予告編は、血に染まった包帯を顔に巻いたマットが病院のベッドに横たわる場面から始まる。ナイフを持った暴漢に襲われた後、謎の薬品を注射されたことで、彼の身体には異変が生じていく。映像内では、顔が目まぐるしく変容し、口や目が消えた状態も確認でき、従来のコミック映画とは異なる不穏さが前面に押し出されている。
クライマックスでは、バスタブの中で自らの顔を完全に拭い去る場面も映し出され、身体そのものが崩れていくようなボディホラー表現が強い印象を残す。また、クレイフェイスが手をメイスのような巨大な拳の形に変える描写もシルエットで示され、キャラクターの能力が本格的に映像化されることもうかがえる。コミック由来のヴィランでありながら、本作ではスーパーヒーロー映画という枠を越え、恐怖映画としての質感を打ち出した1本になりそうだ。
【動画】『Clayface(原題)』予告編
落ち目の俳優が怪物へ-マット・ヘイゲンの転落と誕生譚
本作で描かれるのは、クレイフェイスことマット・ヘイゲンの誕生の物語である。かつて俳優として活動していたマットは、キャリアに行き詰まり、もがき苦しむ日々を送っていた人物として描かれる。
そんな彼の運命を決定づけるのが、ナイフによる襲撃で顔に深い傷を負う出来事だ。その後、回復を目的として施された実験的な医療処置によって、マットの身体は一度は再生されたかのように見える。しかし、その変化はやがて制御不能なものへと変わっていく。
粘土のように形を変える肉体を手にしたことで、他人の姿へと自在に変身する能力を得る一方、自らの存在そのものが崩れていく――本作は、そうした力と代償の両面を抱えた存在としてクレイフェイスを描く構成となっている。ヒーローと対峙するヴィランという枠を越え、ひとりの人間が怪物へと変わっていく過程に焦点を当てている点も、本作の特徴と言えそうだ。
1940年初登場の宿敵が初映画化-DCユニバースの新章を担う1作に
クレイフェイスは、バットマンの初期の宿敵のひとりとして1940年に初登場したキャラクターで、当初は、かつて演じた役の粘土製マスクをかぶる落ち目の俳優出身の犯罪者として描かれていた。その後、1961年に変身能力を持つ存在として設定が確立され、DCコミックスの中でも異彩を放つヴィランとして知られるようになった。
映像作品では、1990年代の『バットマン:ザ・アニメイテッド・シリーズ』でロン・パールマンが声を担当したほか、2010年代のドラマ「ゴッサム」ではブライアン・マクマナモン、近年ではアニメコメディ「ハーレイ・クイン」でアラン・テュディックが演じてきた。一方で、本作はクレイフェイスの映画初登場作となる。
主人公マット・ヘイゲンを演じるのはトム・リース・ハリーズ。そのほか、ナオミ・アッキーも出演する。DCスタジオを率いるジェームズ・ガンは、昨年公開の『スーパーマン』でDCユニバースを本格始動させており、本作はそうした新体制下で送り出される作品のひとつとなる。さらに、クレイグ・ギレスピー監督による『スーパーガール』が6月26日に日米同時公開を控えるほか、『スーパーマン』続編『Man of Tomorrow(原題)』は2027年7月9日、『THE BATMAN -ザ・バットマン-PART II』は2027年10月1日に米公開予定となっている。ヒーロー映画の枠に収まらない異色作として、『クレイフェイス(原題)』がDCユニバースにどのような広がりをもたらすのか注目される。
