『廃用身』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『廃用身』(2026)を紹介&解説。


映画『廃用身』概要

映画『廃用身』は、現役医師の作家・久坂部羊が2003年に発表した同名デビュー小説を、𠮷田光希監督・脚本、染谷将太主演で映画化したヒューマンサスペンス。デイケア施設で行われる“画期的な治療”をめぐり、老齢期医療、介護、身体の尊厳、合理性の危うさを問いかける。主人公の医師・漆原糾を染谷将太、編集者・矢倉俊太郎を北村有起哉、漆原の妻・菊子を瀧内公美、治療を受ける高齢者・岩上武一を六平直政が演じる。

作品情報

タイトル:『廃用身』
英題:THE A-CARE -Disusebody-
製作年:2025年
日本公開日:2026年5月15日
ジャンル:ドラマ/ミステリー/サスペンス
製作国:日本
原作:久坂部羊『廃用身』(小説)
上映時間:125分

監督:𠮷田光希
脚本:𠮷田光希
原作:久坂部羊『廃用身』(幻冬舎文庫)
製作:花田正史
エグゼクティブプロデューサー:川村英己
企画・プロデュース:楠智晴
プロデューサー:藤井宏二
共同プロデューサー:加藤毅
撮影:志田貴之
編集:古川達馬
音楽:世武裕子
出演:染谷将太/北村有起哉/瀧内公美/廣末哲万/中村映里子/中井友望/吉岡睦雄/六平直政
配給:アークエンタテインメント

あらすじ

ある町のデイケア施設「異人坂クリニック」では、院長の漆原糾が考案した“画期的な”治療が高齢者の間で密かに広まっていた。それは、麻痺などにより回復の見込みがない手足を指す「廃用身」をめぐる、従来の常識を覆す医療行為だった。治療を受けた患者からは「身体も心も軽くなった」といった声が上がり、編集者の矢倉俊太郎は老齢期医療に革命を起こす可能性を感じて、漆原に本の出版を持ちかける。しかし、やがて施設に関する内部告発が週刊誌に流出。さらに患者宅で起きた事件をきっかけに、事態は取り返しのつかない方向へ転がっていく。

主な登場人物(キャスト)

漆原糾(染谷将太):デイケア施設「異人坂クリニック」の院長。医療の限界を超えようとする理想を抱く一方、その信念は合理性と狂気の境界へと踏み込んでいく。

矢倉俊太郎(北村有起哉):漆原の治療に老齢期医療の可能性を見いだす編集者。噂を聞きつけてクリニックを訪れ、漆原に本の出版を持ちかける。

漆原菊子(瀧内公美):漆原を支える妻。夫の思想や治療と近い場所にいながら、物語の不穏さを静かに浮かび上がらせる存在となる。

岩上武一(六平直政):漆原の“画期的な治療”を受ける高齢者。麻痺に苦しむ中で治療と向き合い、その選択が物語の大きな転換点となっていく。

作品の魅力解説

本作の大きな特徴は、老齢期医療や介護の問題を、単なる社会派ドラマではなく、倫理観を揺さぶるサスペンスとして描いている点にある。「身体の負担を軽くすること」は救いなのか、それとも人間の尊厳を損なう行為なのか。観客に明確な答えを示すのではなく、合理性の先にある危うさを突きつける構成が、作品全体に強い緊張感を生んでいる。

また、𠮷田光希監督が20年にわたり映画化を温めてきた企画であることも重要なポイントだ。原作の持つ衝撃的な設定を、過度な刺激だけに頼らず、静かな会話や人物の表情、施設内の空気感を通して描くことで、現実と地続きの恐ろしさを浮かび上がらせている。

主演の染谷将太が演じる漆原は、単純な悪役ではなく、理想と信念を持った医師として描かれる。そのため、観る側は彼の考えを完全には拒絶しきれないまま、次第に狂気の領域へ引き込まれていく。北村有起哉、瀧内公美、六平直政ら実力派キャストの存在も、物語に重層的な説得力を与えている。

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