「朝6時半でも現場にいる」スティーヴン・スピルバーグが語ったトム・クルーズの仕事術——”ひとり映画クルー”と呼ばれる男の実像

「朝6時半でも現場にいる」スティーヴン・スピルバーグが語ったトム・クルーズの仕事術——"ひとり映画クルー"と呼ばれる男の実像 FILMS/TV SERIES
スティーヴン・スピルバーグ、トム・クルーズ

スティーヴン・スピルバーグがトム・クルーズの撮影現場での仕事ぶりを語った。


スティーヴン・スピルバーグが、俳優トム・クルーズとの共同作業の実態を明かした。

スピルバーグは、テキサス州オースティンで開催されたSXSWフェスティバルの基調講演に登壇し、『マイノリティ・リポート』(2002)および『宇宙戦争』(2005)でタッグを組んだクルーズとの撮影現場を振り返った。

対話の中で語られたのは、長年トップスターとして活躍し続けるクルーズの、日々の現場における徹底した姿勢であった。

スティーヴン・スピルバーグが語る—トム・クルーズの“誰よりも早い現場入り”

スピルバーグによれば、クルーズは毎朝、撮影スタッフよりも早く現場に姿を現していたという。

トム・クルーズは、僕が来るといつも現場にいたよ」とスピルバーグは語る。自身もスタッフより先に現場入りするため、「朝6時半に着くこともあるよ」と明かしたうえで、それでもなおクルーズは同じ時間帯に現場にいることにこだわっていたという。

さらに、『マイノリティ・リポート』や『宇宙戦争』の撮影においても、クルーズはスピルバーグと同じタイミングで現場入りし、「一日の段取り全部を一緒に確認していた」と振り返る。その姿勢についてスピルバーグは、「それが本当に助かった」と語り、極めて協力的な制作プロセスであったと説明した。

終わりなき研鑽—トム・クルーズが語る仕事への向き合い方

こうした現場での姿勢の背景には、トム・クルーズ自身の仕事観がある。

2025年5月に『PEOPLE』誌のインタビューに応じたクルーズは、自身の能力と知識を絶えず広げ続けている理由について、「何かスキルを身につけたら、いつかそれを映画で使うことになるってわかってるんだよね」と語っている。

さらにクルーズは、「ピアノにしても、ダンスの時間を増やすにしても、パラシュートにしても、飛行機やヘリコプターの操縦にしても」、さまざまな分野のスキルを「常にトレーニングしている」と説明。そのうえで、「すごいのは、ゴールなんてないってこと。いつだってもっとうまくなれるんだよ」と述べ、終わりのない研鑽こそが自身の演技を支えているとの認識を示した。

スピルバーグが語った現場での徹底した準備もまた、こうした積み重ねの延長線上にあるものといえる。

トム・クルーズが「ひとり映画クルー」と称される理由—共演者と監督が語る実像

クルーズの徹底した姿勢は、共に作品を作る監督や俳優たちの証言からも浮かび上がる。

『ミッション:インポッシブル』シリーズでタッグを組んできたクリストファー・マッカリーは、『PEOPLE』誌のインタビューで、クルーズについて「トムが飛行機に乗っているときは、必ず自分で操縦桿を握っているよ」と語り、「基本的に“ひとり映画クルー”なんだよ——カメラを回して、演技して、飛行機まで操縦してさ」と、その制作スタイルを説明した。

また、2022年の『トップガン マーヴェリック』では、クルーズ自らが若手俳優のためのトレーニングプログラムを設計。監督のジョセフ・コシンスキーは、「トムが自ら設計したトレーニングコースを彼らに課したんだ」と明かし、「最初の『トップガン』のときは何の訓練もないまま撮影に放り込まれた経験があるから、若い共演者たちにも段階的にレベルを上げていく必要があるってわかってたんだよね」と、その意図を説明している。

さらに、同作に出演したグレン・パウエルも、「トムは世間のイメージ通りにすごい人だよ」と語り、「あれだけ気さくで、あれだけ努力家で、あれだけ気前がよくて、あれだけ誠実に向き合ってくれる。まさに本物の男だよ」と、その人柄と仕事への向き合い方を評した。

スピルバーグが語った現場での習慣から、クルーズ自身の言葉、そして周囲の証言に至るまで、その姿勢は一貫している。

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