キノフィルムズの2026〜2027年公開ラインナップ10作品を一挙に紹介する。
キノフィルムズは、2026年3月から2027年3月にかけて公開予定の配給作品ラインナップを発表した。設立15周年という節目の年にあたる本ラインナップでは、“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンの伝説誕生を描く『Michael/マイケル』をはじめ、日本映画、韓国映画、ハリウッド作品まで多彩な全10作品が揃う構成となっている。
現在公開中のパク・チャヌク監督最新作『しあわせな選択』や、佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める『名無し』、ジェイソン・ステイサム主演のアクションスリラー『SHELTER(原題)』など、話題性の高い作品が上半期に集中。一方で、下半期にはリーアム・ニーソン出演作やジョン・カーニー監督の新作、さらにはカミュ『異邦人』の映画化作品など、ジャンル・地域ともに幅広いラインナップが展開される予定だ。
本記事では、キノフィルムズの2026〜2027年公開作品を一覧で整理しつつ、各作品の概要を紹介する。
- キノフィルムズ2026〜2027年公開ラインナップ一覧-全10作品を一挙整理
- 『しあわせな選択』-パク・チャヌク最新作、豪華キャストで描く“就活サバイバル”
- 『黄金泥棒』-実話着想、100億円の金茶碗を狙う主婦のクライムコメディ
- 『LOST LAND/ロストランド』-ベネチア国際映画祭3冠、日本人監督初の快挙を達成
- 『名無し』-佐藤二朗が原作・脚本・主演、名もなき怪物を描くサイコバイオレンス
- 『Michael/マイケル』-マイケル・ジャクソンの伝説誕生を描く注目作
- 『SHELTER』(原題)-ジェイソン・ステイサム主演、孤独な男と少女の逃亡劇を描くアクションスリラー
- 『CHRISTY』(原題)-シドニー・スウィーニー主演、女性ボクサーの実話を描くドラマ
- 『COLD STORAGE』(原題)-リーアム・ニーソン出演、脚本デヴィッド・コープによるSFアクションスリラー
- 『POWER BALLAD』(原題)-ジョン・カーニー最新作、音楽が人生を変える“大人の青春映画”
- 『THE STRANGER』(英題)-カミュ『異邦人』をフランソワ・オゾンが映画化
- まとめ-キノフィルムズ15周年ラインナップが示す配給戦略とは
キノフィルムズ2026〜2027年公開ラインナップ一覧-全10作品を一挙整理
キノフィルムズが2026年から2027年にかけて公開を予定している主な配給作品は以下の通り。
- 『しあわせな選択』
- 『黄金泥棒』
- 『LOST LAND/ロストランド』
- 『名無し』
- 『Michael/マイケル』
- 『SHELTER(原題)』(シェルター)
- 『CHRISTY(原題)』(クリスティ)
- 『COLD STORAGE(原題)』(コールド・ストレージ)
- 『POWER BALLAD(原題)』(パワー・バラッド)
- 『THE STRANGER(英題)』(ザ・ストレンジャー)
本ラインナップは、実話ベースのクライムコメディからアート系作品、音楽映画、アクションスリラーまで幅広いジャンルを網羅しており、国内外の多様な映画作品をバランスよく揃えた構成となっている。
『しあわせな選択』-パク・チャヌク最新作、豪華キャストで描く“就活サバイバル”

『しあわせな選択』より ©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED
パク・チャヌク監督による最新作『しあわせな選択』は、常識の枠を超えた“就活サバイバル”を描くエンターテインメントスリラー。主演にはイ・ビョンホンとソン・イェジンを迎え、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォンといった実力派俳優が名を連ねる。
同作は、極限状況下で繰り広げられる選択と駆け引きを軸に、人間の欲望や倫理観を鋭く描き出す内容となっており、韓国映画界を代表するクリエイターとキャストの組み合わせによって高い注目を集めている。
現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開中。韓国映画ならではの緊張感と社会性を備えた作品として、2026年ラインナップの中でも存在感を放つ一本である。
『黄金泥棒』-実話着想、100億円の金茶碗を狙う主婦のクライムコメディ
萱野孝幸監督による『黄金泥棒』は、“金(きん)”に魅せられた主婦が巨額の財宝を狙う姿を描いたクライムコメディである。主演は田中麗奈、共演に森崎ウィン、阿諏訪泰義、石川恋、岩谷健司、中村祐美子、勝野洋、宮崎美子らが名を連ねる。
物語は、100億円相当ともされる“金の茶碗”をめぐる大胆な計画を軸に展開。実話から着想を得た設定をベースに、日常と非日常が交錯するユニークなストーリーが特徴となっている。平凡な主婦が“泥棒”へと踏み出していく過程をコミカルに描きつつ、人間の欲望や選択を浮き彫りにする構成だ。
2026年4月3日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開予定。実在のエピソードを背景にした異色のクライム作品として、幅広い層の関心を集めそうだ。
『LOST LAND/ロストランド』-ベネチア国際映画祭3冠、日本人監督初の快挙を達成
藤元明緒監督による『LOST LAND/ロストランド』は、2025年のベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門において、日本人監督として初となる審査員特別賞を受賞した話題作である。さらに同映画祭で3冠を達成するなど、国際的にも高い評価を獲得している。
本作には、ショフィック・リア・ウッディン、ソミーラ・リア・ウッディンが出演。詳細な物語は明かされていないものの、世界の映画祭で評価された映像表現とテーマ性が注目されており、日本映画の新たな可能性を示す一本として位置づけられている。
2026年4月24日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinéma新宿、ポレポレ東中野ほか全国で順次公開予定。アート系作品として映画ファンからの関心が高まっている。
『名無し』-佐藤二朗が原作・脚本・主演、名もなき怪物を描くサイコバイオレンス
佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める『名無し』は、“触れたものを消し去る名もなき怪物”を軸に据えたサイコバイオレンス作品である。監督は城定秀夫が務め、丸山隆平、MEGUMI、佐々木蔵之介といったキャストが共演する。
本作は、不可解な存在によって日常が侵食されていく恐怖と、人間の内面に潜む狂気を描く内容となっており、佐藤二朗がこれまでに見せてきたコメディ的イメージとは異なるアプローチが注目される。原作・脚本・主演を兼ねることで、作品世界の構築にも深く関与している点が特徴だ。
2026年5月22日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開予定。国内映画の中でも異色のジャンル作品として、幅広い観客層の関心を集めることが期待される。
『Michael/マイケル』-マイケル・ジャクソンの伝説誕生を描く注目作

『Michael/マイケル』より(Glen Wilson / Courtesy of Lionsgate)
“キング・オブ・ポップ”として世界的な影響力を持つマイケル・ジャクソンの軌跡を描く『Michael/マイケル』は、本ラインナップの中核を担うテントポール作品である。監督は『トレーニング デイ』などで知られるアントワーン・フークアが務める。
主人公マイケル役には、実の甥であるジャファー・ジャクソンを起用。共演にはコールマン・ドミンゴ、ニア・ロング、マイルズ・テラー、ローラ・ハリアーらが名を連ねる。音楽史に名を刻む存在の誕生と、その裏側にある人間ドラマを描く作品として注目を集めている。
2026年6月12日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開予定。キノフィルムズは本作を軸に、設立15周年の節目における最大規模の興行成績を目指すとしており、国内外での反響が期待される。
『SHELTER』(原題)-ジェイソン・ステイサム主演、孤独な男と少女の逃亡劇を描くアクションスリラー
ジェイソン・ステイサム主演の最新作『SHELTER』(原題)は、元特殊部隊の男と家族を失った少女の逃亡劇を描くアクションスリラーである。監督は『エンド・オブ・キングダム』などを手がけたリック・ローマン・ウォーが務める。
本作は、過去に傷を抱えたふたりが過酷な状況の中で生き延びようとする姿を軸に展開。ステイサムの持ち味である肉体的アクションに加え、守るべき存在との関係性が物語の核となることで、ドラマ性と緊張感を兼ね備えた作品に仕上がっている。
2026年夏よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開予定。ステイサム作品ならではのストレートなアクションと感情ドラマが融合した一本として注目される。
『CHRISTY』(原題)-シドニー・スウィーニー主演、女性ボクサーの実話を描くドラマ
シドニー・スウィーニーが主演と製作を兼ねる『CHRISTY』(原題)は、“女性ボクシングのパイオニア”とされる人物の人生を描いた実話ベースのドラマ作品である。監督はデヴィッド・ミショッドが務め、ベン・フォスター、メリット・ウェヴァー、ケイティ・オブライアンらが共演する。
本作は、逆境の中でキャリアを切り開いていく主人公の姿を通して、競技としてのボクシングだけでなく、社会的な壁や個人の葛藤を描く構成となっている。海外レビューサイト「ロッテントマト」では観客スコア96%を記録しており、観客からの高い支持を得ている点も注目される。
2026年冬よりkino cinéma新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開予定。実在の人物に基づくストーリーと俳優の演技がどのように描かれるのか、関心が集まる作品である。
『COLD STORAGE』(原題)-リーアム・ニーソン出演、脚本デヴィッド・コープによるSFアクションスリラー
リーアム・ニーソンが出演する『COLD STORAGE』(原題)は、『ジュラシック・パーク』を手がけた脚本家デヴィッド・コープによるストーリーをもとにしたSFアクションスリラーである。監督はジョニー・キャンベルが務め、ジョージナ・キャンベル、ジョー・キーリーらが共演する。
本作は、制御不能となった脅威を封じ込める極秘施設を舞台に、想定外の事態が連鎖していく様子を描くノンストップ型の作品とされる。SF的設定とサスペンス要素を掛け合わせた構成により、スリリングな展開が期待される。
2027年にTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開予定。ニーソン作品ならではの緊張感と、脚本家デヴィッド・コープによるエンターテインメント性がどのように融合すおるのか注目される。
『POWER BALLAD』(原題)-ジョン・カーニー最新作、音楽が人生を変える“大人の青春映画”
『シング・ストリート』『はじまりのうた』で知られるジョン・カーニー監督の最新作『POWER BALLAD』(原題)は、結婚式の夜に演奏された一曲をきっかけに、ふたりのミュージシャンの人生が大きく動き出す様子を描く音楽映画である。出演はポール・ラッド、ニック・ジョナス。
本作は、音楽と人生の交差をテーマに据え、過去と現在、成功と挫折といった要素を織り交ぜながら物語が展開されるとみられる。ジョン・カーニー作品特有の、楽曲とドラマが密接に結びついた演出にも期待が集まる。
2027年にTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開予定。音楽を軸にしたヒューマンドラマとして、幅広い層に訴求する作品となりそうだ。
『THE STRANGER』(英題)-カミュ『異邦人』をフランソワ・オゾンが映画化
アルベール・カミュの世界的ベストセラー『異邦人』を原作に、フランソワ・オゾン監督が映画化する『THE STRANGER』(英題)は、文学作品の映像化として注目を集める一本である。出演はバンジャマン・ボワザン、ピエール・ロタン、レベッカ・マルデール、スワン・アルロー、ドニ・ラヴァン。
原作『異邦人』は、不条理や実存主義を象徴する作品として知られており、その哲学的テーマをどのように映像化するのかが見どころとなる。フランソワ・オゾン監督はこれまでも人間の内面に迫る作品を手がけており、本作でも独自の解釈が加えられることが期待される。
2027年にkino cinéma新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開予定。文学と映画の融合によって、新たな視点から古典作品を再解釈する試みとして関心が高まる。
まとめ-キノフィルムズ15周年ラインナップが示す配給戦略とは
キノフィルムズが発表した2026年から2027年にかけてのラインナップは、エンターテインメント性の高い大型作品と、作家性やテーマ性を重視した作品をバランスよく配置した構成となっている。
中でも『Michael/マイケル』を軸としたテントポール戦略は、設立15周年という節目における興行面での成果を強く意識したものといえる。一方で、『LOST LAND/ロストランド』や『THE STRANGER』のように映画祭や文学作品を背景に持つタイトルも並び、単なる商業路線にとどまらない作品選定が行われている点も特徴的だ。
さらに、『しあわせな選択』や『名無し』といったアジア・日本発の作品に加え、ハリウッドのアクション、音楽映画、実話ベースのドラマなど、ジャンルや地域を横断するラインナップが揃っていることから、幅広い観客層へのアプローチが意図されていると考えられる。
2026年から2027年にかけての映画市場において、キノフィルムズがどのような存在感を示すのか。本ラインナップは、その方向性を示す重要な指標となりそうだ。
